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 チョーマを干したり道具を片付けている間に昼食の時間となり、イチビたちは水路建設グループに今日も食事を持って行ってくれる。私たちはそのまま広場で食事をし、そして午後からも糸を紡ぐ。


 ヒイラギを中心とした大人たちは間伐作業を午前中から続けていて、間伐材を運んだりオッヒョイやニィレの樹皮を剥いだりしている。


 畑の方も順調に生育しているようで、エビネたちが手入れを頑張ってくれている。


 のどかだなぁと思いながら糸を紡いでいるとヒイラギの声が聞こえた。


「ナズナ、ここにチョーマがあるけどチョーマも必要なの?向こうの方でチョーマが大繁殖してるけど」


 私たちが座っている場所から離れた場所でチョーマはすくすくと育っているようだった。ヒイラギの言葉を聞きナズナさんが答える前に私は先に答えた。


「ヒイラギ、たくさんあるなら欲しいわ。作りたいものがあるの」


「なら伐採するよ。こちらも助かる」


 糸を紡ぎながら様子を伺っていると、ヒイラギたちは思った以上にチョーマを刈り取って来たようだ。ハコベさんが刈り取ったものよりも背丈は大きく数量もあるのでどうするのか興味深く見ていると、横にして置いてあった間伐材の一つをくり抜きプランターのようにして木の小さなプールを作った。そこに水を張りチョーマを浸けている。それが終わったヒイラギはお母様に声をかけた。


「レンゲ、こっちはだいたい作業が終わったから、オッヒョイの樹皮を処理して来ようか?」


「嬉しいけれど大丈夫?疲れていない?」


「全然大丈夫だよ。じゃあ行ってくるね」


 ヒイラギたちは樹皮や鍋を用意し、荷車に載せて川へと向かった。その後ろ姿を見送りながらこれからは毎日糸作りが出来ると想像する。大変だけれどやりがいのある仕事で、たくさんの糸を作ることによって布が出来る。これで衣食住の衣の課題がクリア出来ることが楽しみだ。


 私だけが黙々と作業をしていると休憩にしようと声がかかる。ずっと集中して作業をしていたのでどっと疲れが出て私はクローバーの絨毯に寝転がる。溜息を吐きながらゴロゴロとしていると女性陣から声がかかる。


「姫様、チョーマで作りたいものとはなんですか?」


「縄よ。私ね前世で縄作りが上手だったのよ」


 美樹の住んでいた辺りには米農家が多く、正月前になると稲藁を使って正月飾りやしめ縄を作るお年寄りたちがいた。そのお年寄りたちに美樹は可愛がられ、毎年製作の場にお邪魔させてもらっていた。余った稲藁を貰い、お年寄りたちの手ほどきを受け立派な正月飾りをタダで作って持ち帰っていたのだ。小さな頃から通っていた為に美樹にとっては当たり前の作業であり、得意とするものであった。

 ヒーズル王国には稲がないので作れないと思っていたが、丈夫な繊維がたくさんあることを知りぜひ作ってみようと思ったのだ。

 ちなみに麦と思われるムギンの藁も寄せてはいるが、稲藁と違い丈夫な縄にはなりにくい。これは手が空いた時にでも帽子やクッションを作ろうと思っている。


 縄作りが上手いと自慢すると女性陣は興味を示したようで、昼食前に干したチョーマを持って来て縄を作るところを見たいと言い出した。完全に乾いていなかったので作業がしやすいと思った私はチョーマの繊維を手に取り縄をなうことにした。

 繊維が少ないのと短いのですぐに終わってしまうが、足の親指と人差し指の間に繊維を挟み、二つに分けた繊維を手の平で挟んで拝むように手を滑らせる。右手が奥まで行ったら繊維の束を掴み、手を元の位置に戻してまた同じことを繰り返す。手慣れていた作業だけあってすぐに出来たが、繊維が少ないので細い縄になってしまった。それを見ていた女性陣が騒ぎ出す。


「私たちと作り方は一緒なのね」


「本当に上手だわ」


 褒められ喜んでいると、お母様の発した言葉に固まってしまう。


「ねぇカレン。そんなに縄は器用に作れるのに、どうして糸は上手くいかないのかしら?」


 天然の発言ではあるが破壊力バツグンである。


「……指でやるのと手の平を使うのとは違うのよ……」


 そうとしか言いようのない言い訳をすると笑いに包まれた。……努力あるのみね……頑張ろう……。

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