Release0001.壊滅(01)
本作の特徴を先述。
・偶像劇
・人物の視点によって性質が変わる(例えば文章の性格など)
・ペシミスト(悲観論)、空想に育まれる現実的思考
『File○○○○』→《本編》
『Release○○○○』→《アナザーストーリー》
『Extra○○○○』→話を追うにあたって《全く必要ない/関係ない》
フィクションです。登場する人物・団体等は実在のものとは関係ありません。
――レーティング(対象年齢)は17+を想定しています。
◇留意点
作品内ではその設定上、《現実では未成年の喫煙及び飲酒、殺人、窃盗、その他無免許運転などに当たる行為》を合法として取り扱った描写が存在します。
当然ながらそれらは現実での犯罪行為を助長するためのものでなく、あくまで作品内での演出やシナリオです。
字数:0.7k
この世界には、流れ星と呼ばれる事象がある。
空の風物詩、あるいは一夜の奇跡として誰もが知るアレのことだ。一筋煌き、それを視認したのなら、無反応でいる人間はまずいない。
それはほとんどの人間にとって、幸運の象徴と言えるものだからだった。誰かに流れ星のことを問えば、やれ見えなくなる前に願いを三回口ずさめばそれが叶うだの、神の御使いによる力の源で平和が齎されるだの、大体はそんなところ。
その正体は、大抵は宙の先で燃えただけの塵芥だというのに……。
けれどそんな実態を知る者の中にさえ、そう信じてやまないロマンチストがいる。それだけの求心力を流れ星は持っているのだ。
そして、その流れ星が幾多も重なって流れる、より稀有な事象が存在した。人はそれを流星群と呼ぶ。
ただ一つの塵が前述のような扱いを受ける中で、これは殊更に人への影響力がある。
空に多くの光の筋を描き出し、まるで透き通った川のような光景を築き上げるのだ。聞くだけでも魅了され、流れ星の上位互換であることも理解出来る。人生一つ賭けて見れるか見れないかというほどの、大きな奇跡だ。
だからこそ人々は期待していた。
一ヶ月前、天体に関する研究を専門とする某機関が、ある情報を世界に向けて発信した。
『二一七七年、九月十三日。この日、夥しい数の星々が、空を覆い尽くすであろう――』
ほぼ全ての人類が、どのような気持ちでそれを待ち望むかは想像に難くなかった。それはメディアや様々なイベントといった形で如実に現れ、企業などはその流れに乗るように宣伝活動や宇宙に関するモチーフ商品などを売り出した。
世界は浮足立っていた。宙と、星への憧れを抱いて。
――その時に、なるまでは。