第4話 可愛すぎる柊さんと二人きり
「あ……」
僕はついこの場に立ち尽くしてしまった。まさか朝6時半から学校に来ているとは。
「お、おはよう。」
「おはようございます。」
僕はスーッと自分の席に向かい静かに着席した。柊さんと教室に二人きり…。思わず心臓が痛くなるシチュエーションだ。
教室を静寂が包み込む。正直かなり気まずい。しかしこの静寂に耐えきれず僕は口を開いた。
「いつもこんなに早く学校来てんの?」
「あ、いや今日は単に早起きしすぎたので…」
「ああ、そうなんだ。……。」
昨日のこともあってか余計に気まずい雰囲気が二人の間を通り過ぎる。
「あ、あの……昨日の話なんですけど…。」
今度は彼女から口を開いた。
「私がバイトしてるってこと…内緒にしてくれませんか?バレると色々まずいので…。」
「あ……分かった。了解。」
「あ、ありがとうございます。」
この学校は2年生になるまでバイト禁止なのでバレると成績に関わってくる。なので口止めさせるのは当然の選択だろう。そんなことを思っていると教室のドアが開く音が聞こえた。
「おいーっす!天草早いな!!……」
入ってきたのは蓮太だった。すると蓮太は天草の横に冬花がいる事を確認してこう言った。
「あ、すまん。お取り込み中だったか。邪魔して悪かったな。じゃ。」
「はぁ!?」×2
つい僕と柊さんはハモってしまった。ハモった事に彼女はまた赤面する。
「ちょっと待て。蓮太。誤解だ!!」
「Foooo!!いいネタ知っちまったぜぇぇ。」
「蓮太ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
逃亡する蓮太を僕は追いかける。教室で暴れる二人を見て冬花はポカーンとして、その後少し笑った。
「本当に仲が良いんですね。羨ましいです。…で、でもさっきのは誤解ですからねっ!」
そう彼女は少し頬を赤らめながら言った。すると蓮太は。
「分かった。分かったよ。でも二人お似合いだと思うぜ。美男美女だし。作者とファンだし。」
「なっ!?」×2
またハモってしまった。2回目は流石の僕も恥ずかしい。
「蓮太……また余計なことを。。」
そう言い蓮太の背中を叩いた。
「すまんすまん。悪かったよ。」
蓮太のせいでかなり騒がしい朝になってしまった。いつの間にか時間もすぎ生徒達の数もみるみる増えていった。
隣を見ると柊さんがいる。こんな生活が続くのかと思うと心臓がいくらあっても足りないと思った天草なのであった。
この後どうしようか悩む……。次回は秋音出したいな…。