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78話 四聖1



 青々とした草原が緑豊かな絨毯のように広がり、湿った風が草の香りを運んでくれる。とても素晴らしい光景だが、しいて欠点を挙げるなら美しい草原を侵食するように広がった、暗く鬱蒼とした森だろう。

 どこか腐臭すら漂うその森から黒い影が一つ、また一つと現れた。



 不気味な唸り声を上げる『それら』の瞳はとても虚ろなで、一切の生気を宿していない。彼らはアンデッドだ。

 腐り落ちた肉や腐臭を纏う彼らは一様に同じ方向へと進軍していく。

 アンデッドと化した様々な種族の魔物が大群となり、森からワラワラと湧きだして平原を歩き始める。

 森から出てきたアンデッドが残らず草原へと出てきた瞬間、それは起こった。



「《ガイアフォース》っ!!」



 凛々しい叫びが周囲に響く。

 青年の声と共に大地から不可視の衝撃波が放たれ、アンデッドの大群がバラバラになる。その瞬間、総崩れになったアンデッドの群れへと青年が二人、飛び込む。

 赤槍を持つ野性味あふれる青年――ガヴェインと、黒い盾と剣を装備したな美青年――ランスロットだ。



 ガヴェインが炎を纏った大槍を振るえばアンデッドは文字通り蒸発し、ランスロットは隙を見せぬ堅実な攻めで確実に数を減らしていく。

 まさに一騎当千とはこの事だろう。

 あれだけのアンデッドの群れがみるみると数を減らしていく。

 全てが順調そうだが、少し苛立った様子のランスロットがガヴェインへと叫ぶ。



「ガヴェイン、1人で突出するな!」


「うるっせぇよ、ランスロット! 俺なら1人で問題ねぇっての!」



 二人は怒鳴りあいながら、見事なコンビネーションでアンデッドの群れをなぎ倒していく。いがみ合って見えるが、しっかりと信頼関係が結ばれているようだ。

 忠告を聞かずにさらに突出していくガヴェインを見て、慌てた様子でランスロットが叫ぶ。



「違う、そうじゃない! 敵の陣形を崩して一ヵ所に纏めたら極大魔法を一斉に撃つって段取りだっただろう!? たぶんもう……」



 ランスロットが最後まで言い終わらぬうちに、背後の友軍から莫大な魔力が迸る。

 極大魔法の発射準備が整ったのだ。

 背筋が粟立つほどの魔力を感じ、少し放心した様子のガヴェインがぽつりと呟いた。



「やっべぇ……忘れてた」


「このバカがっ!! さっさとこっちに来い!!」



 ランスロットは小さい黒盾に魔力を通すと、盾が巨大な大盾に変化した。

 この盾こそが《四聖》の一人であるランスロットに与えられた国宝級の魔道具――《イージス》である。

 一定時間あらゆる攻撃を無効化する《イージス》の盾へとガヴェインが慌てて駆け込んだ直後、津波のように押し寄せた極大魔法が周囲を飲み込んだ。



遅くなってすみません!! 本当に忙しくて……m(__)m

あと十話くらいで第一部が終わると以前に書きましたが、書き直す時間が無くて小出しで、しかも不定期に投稿していくと思います。

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