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15話 新たなる脅威3


 時刻は昼過ぎといったところだろうか。

 城塞都市モリーゼの城門へと一台の馬車が近づいていく。

 馬車の中にいるのは信太郎達だ。

 未だに具合の悪い信太郎はマリに膝枕をしてもらい、眠り込んでいる。



 マリの表情は暗い。

 とんでもないことをやらかした転移者の話を聞いたからだ。

 すでに軍やギルドでは粕森と葛谷には指名手配されて、人相書きも出回っているらしい。

 マリの脳裏にふと町を出る前のことが思い浮かんだ。

 商人たちが兵士たちに詰め寄り、何かを聞き出そうとしていたことを。



(やけにピリピリしていたのはこの事件のせいかも? とりあえず町に帰ったら人相書きをチェックしなきゃ!)



 マリが気分を切り替えるように深呼吸すると、おもむろに空見が口を開いた。



「小向君にマリさん。いまガンマ君と話していたんだけど、僕らは一緒に行動した方がいいと思うんだ。魔王襲来までもう2年しかないんだから」


「いいっすね!」


「賛成です! お二人ともよろしくお願いしますね」


「俺が来たからにはもう安心だ。バリアでみんな守ってやるぜ!

 なあ、ガンマ!……ん?どうした?」



 バリア使いのマモルの声にガンマは反応していない。

 驚いて声も出ない様子で目を見開いている。

 瞳の色が変色していることから魔眼を使っているのだろう。



「馬鹿な……!早すぎる」


「ガンマ、どうした? その目は千里眼だったか。何を見たんだ?」



 様子のおかしいガンマの肩を、マモルは心配そうに揺さぶる。

 そんな一行の乗る馬車は城門にたどり着くが様子がおかしい。

 やけに町が騒がしいのだ。

 まるでハチの巣でも突いたかのように。



「何かあったんすかね?」


「聞いてみよう」


 小向と空見が馬車の幌から飛び出し、城門で怒鳴りあう兵士たちに近づく。



「おい! 本当なのか!?」


「間違いない! 確認が取れた!」


(なんだ?一体何を言って……)



 次の瞬間、訝しげな表情を浮かべる空見の耳に衝撃的な言葉が飛び込んできた。



「じゃあ本当に……」


「ああ! 魔王が攻め込んで来やがった!!」



これで第一章が終了、明日から第二章が始めます。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうも、初めまして。アカシック・テンプレートです!! なんの気無しに本作を読んでみたのですが、いや〜、本当にもういつの間にか激しく作品中に感情移入させられていました!! タラスクの設定と…
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