迷宮都市ファウスト
「レヴィ、ついたよ起きて!」
僕ははやる気持ちを抑えながらレヴィに声をかけた。
「うーん、もう着いたのあっという間だったわね。」
「うん、荷物は俺が持つから早く行こ!」
「わかったわよ、まったくテンション高くてついてけないわ。」
レヴィはそう言うが、やっと夢にまで見たファウストにやってきたのだ。僕のテンションが高くなってしまうのもしょうがないとことだと思う。僕は速足で探索者ギルドへと向かった。
探索者ギルドはこの大都市の中でもかなりの大きさを誇る建物だったのですぐに見つかった。中に入るとまだ朝の早い時間だけあって、迷宮に出発する前の探索者でごった返していた。その熱気に若干圧倒されながらも、「登録者用」という看板が吊り下げてあるカウンターへと向かった。
「すいません探索者登録したいんですけど!」
緊張と興奮で若干上ずった声で受け付けの人に声をかけた。
「探索者登録ね、あなたたち年はいくつ?」
「二人とも14です。」
「じゃあ大丈夫ね、登録方法は分かる?」
「一応教えてもらってもいいですか?」
「もちろんよ、じゃあ説明するわね。探索者登録をするにはステータスカードが必要なんだけどこれは知ってる?」
「はい!レベル1になると確認できるようになる自分の戦闘に関するステータスが書いてあるカードですよね?」
「その通りよ、レベルを上げるには迷宮内のモンスターを倒す必要があるから、今から渡す入場許可証で迷宮に入ってモンスターを倒して来て欲しいの。それができたらもう一度ここに戻ってきてもらって登録完了よ。質問とかなければこのまま許可証渡しちゃうけどどうする?」
「僕は大丈夫です!レヴィは?」
「受付さんどこかいい宿屋とかないかしら?」
「それならこのギルドの右手の路地の奥に登録したての人たちに人気の宿があるわよ。宿屋の名前は英雄の卵亭。良心的な宿代で、サービスもしっかりしてるからおすすめよ!ほかに何かある?」
「いいえ大丈夫よ。」
「じゃあ許可証渡しちゃうわね、はいどうぞ!それとくれぐれも1層より下にはいかないでね、レベル0の状態じゃ2層でも危険だから。」
「分かりました、親切にありがとうございます!」
「いいえ、じゃあ頑張ってね。」
「はい、行ってきます!」
入場許可証をもらって外に出る。今すぐにでも迷宮に行きたいところだがまずは重い荷物を置かなくては、さっき受付の人に教えてもらった道を進むとすぐに教えてもらった宿が見えた。
「レヴィ、外観もいい感じだしここでいいと思うんだけどどう?」
「私もとりあえずはここでいいわ。」
「わかった、じゃあ入ろっか。」
レヴィの同意も得られたので扉を開けて中に入る。
「いらっしゃいませーようこそ英雄の卵亭へ!」
元気な声に出迎えられた。
「二人なんですけど部屋空いてますか?」
「空いてるよ、2部屋かい?」
「はい、そうで「一部屋でいいわよ!」・・・えっいいの?」
「いいわよ、お互いの家にお泊りなんて日常茶飯事だったんだからそれと大差ないでしょ。」
「レヴィがいいならいいけど・・・」
レヴィ俺がレヴィのこと好きだってこと本当にわかってるんだろうか、俺だって男なのに・・・まぁレヴィからしたら僕なんて召使みたいなもんだし関係ないか、、
「それで?1部屋でいいんだね?」
「あ、はい大丈夫です。」
「じゃあ1泊につき2人で4000エル、朝晩ここで食べるなら2人で5000エルでいいよ。」
「じゃあとりあえず1泊お願いします。」
「わかったよ。これ鍵ね、部屋は階段上がって右の突き当りでベッドは二つあるから好きに使いなさいな。」
「ありがとうございます。レヴィ早く行こう!荷物おいたらすぐ迷宮だ。」
「はいはい、ほんとあんたは迷宮が好きね。」
そんなレヴィ返事を聞く前に僕は階段へと駆け出していた。