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名探偵 江戸賀の事件簿 幼児失踪事件

訪ねてきた人物から依頼を受けるか、迷う主人公だが…

 四年前の夏。

 じいちゃんが亡くなった。


 成人し、家を出た俺の元に母さんから一本の電話があった。

 じいちゃんは学生時代から名探偵ポアロに憧れて、探偵をすると意気込んで始めた探偵事務所は生涯現役を貫いたじいちゃんの最期の場所になった。 

 俺はそんなじいちゃんが大好きでよく探偵事務所に転がり込んでは仕事ぶりを見ていた。

 訪ねてくる客はじいちゃんの馴染みの顧客で儲けはなかったが楽しそうなじいちゃんが見ていて嬉しかった。


 その事務所が主を無くし、廃業寸前まで行ったが「俺が引き継ぐ」と言った事でまるく収まり、今に至った。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 あれからさらに三年の月日が流れ、俺は二十六歳になった。

 じいちゃんの馴染みの客もじいちゃんと同じで天国に行った。馴染みの客が無くなり、事務所の経営が難しくなってきた事に焦りを覚えた俺は今時の手法で『対処した』。



 『対処』してから数日後。

 俺は事務所にあるじいちゃんが警察署から贈呈されたたくさんのトロフィーや感謝状の額縁に積もった埃をはたき落としながら新規顧客がやってくるのを待った。昨日も待っていたがな。


 しかし、夕方になってもその新規顧客がやって来ない。昨日もやって来なかったが、さすがに連日は悲しい。

 ずっと、事務所のデスクに座っているのも辛くなってきた俺は立ち上がりストレッチをしながら店じまいの支度に取り掛かった時だった。


 ピンポーン


 事務所の入り口にある来客用のインターホンが事務所内の静寂を壊した。俺は、壁掛けの受話器を取り応答した。



「はい、こちら江戸賀探偵事務所です」


『あ、あなたのSNSを見て、相談に来たものです』





 

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