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勇者クロノス
その日俺は命を救われた……
俺の名前はクロノス、職業は勇者だ。
俺は魔王を倒すために魔界を目指して旅を続けていた。
魔王を倒すなんてバカげてると皆思うだろうが魔力の有り触れたこの世界で男なら1度は憧れるものだろ?
しかし、世界は残酷な事に俺は魔界まで到達はしたが到底及ばず魔獣に片腕を持っていかれ命までも尽きようとしていた…………
「あーあ……何やってたんだろ、俺……」
絞り出すような小さな声で呟いた。
こんなことなら、となんども後悔した……………………
その時だった、
「燃えよ」
凛とした強気な声。
瞬間、魔獣が炎に包まれ焼失した。
俺は助かったことに安堵したのか意識が遠のくのを感じた。
最後に見えたのは紅いドレスを身に纏った魔族だった。
そう、俺はこの時魔王に命を救われたのである。