6話 大森林の長「ムーントレント」
鉱山から出て4日目、俺は朽ち果てそうになっていた。ちなみにロウナは残りの数少ない果物を食べている。逆に俺は4日間も食べていないので朽ち果てそうなのだ。
「大丈夫?」
といつも俺を見て果物を渡そうとしているのだが、
「それは君が食べるんだ。」
と少し強めの口調で言って、拒否をしている。何せ、俺のほうが3歳も年上なんだから。
ロウナはとても勉強熱心で6歳にもかかわらず、もう中学1年生の勉強をしている。明日には俺の知識に追いつくだろう。
あと、服は作ってあった予備の皮の服を着せている。決して裸ではない。
そして果物も尽きてきた8日目。ついに、大森林の長「ムーントレント」に会うことができた。もうお腹と背中がくっつきそうだ。
「きさまがわたしの森の侵入者か」
し、侵入者?というか、心が読めるのか
「いかにも。きさまは外の人間に捨てられたのだからな。」
「?どういうこと、お兄ちゃん」
ここ最近、ロウナは俺のことをお兄ちゃんと呼ぶようになった。うん。やっぱり可愛い。
「ロウナ。君はちょっかいを出すのではない」
「私はちょっかいなんて出してない」
「まず、侵入者と一緒にいる時点でちょっかいを出している」
「あ、あのー」
「私はただ、お兄ちゃんに助けられたからその恩返しをしているだけ」
「しれたことを。大体、ロウナの親族を殺したのは侵入者じゃないか」
「しょ、食料を」
「あんな親、例え地獄に行ったとしても親と呼びたくない。」
「だが、殺したのは事実だろう?」
「...........食..........料......を....」
「そもそも、あいつらがわたしを閉じ込めたのがいけない。」
「そりゃあ、自分たちから変なやつが生まれたのだ。警戒するのは当たり前だろう。」
「....................」
「私を変なやつと言うんだ。へー、そうなんだ。」
「...分かった。私が悪かった。が、魔狼たちは当たり前のことをしただけだ」
「だからといって、閉じ込めているのはおかしいと思う。」
「....................」
「...なあ、侵入者の声が聞こえないのだが。」
「だから侵入者じゃないって何度も.....って、」
と、ムーントレントとロウナが俺を見るころには、
「侵入者あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「リッタァァァァァァァァ!!!」
俺はもう、死んでいた。
O・YA・KU・SO・KU★