5話 ロウナとの出会い
カツン!カツン!
「ふう。ようやく終わった」
つるはしを肩に担ぐ。が、つるはしは壊れてしまった。
「さて、奥に行くか」
奥に着いた。が、岩が道を塞いでいる。
「.........せい!」
俺はそのまま拳に力を込め岩を殴った。がらがらと岩が崩れていく。その奥には...........
........宝箱と倒れている女の子がいた。
「........え?」
「............」
「..........ううっ」
「お、起きた。」
数分後、女の子が起きた。
「......!?」
しかし、女の子は俺を見ると目を見開きながら宝箱の陰に隠れてしまった。
なぜ?と思い俺は、女の子を鑑定した。
~鑑定が阻害されました~
......つまりあの子は俺より高いレベルの《鑑定》を持っているということ。てことは、あの子は鑑定結果を見て驚いたのか。
しかしなぜ驚いたんだ?
「ねえ、君は何で驚いたの?」
「..........」
無反応、か。よほど俺が怖いと見える。
...ん?怖い?
「ねえ、君の種族は?」
「............」
また、無反応。
「俺に教えてもらってもいい?」
「........よめない」
「じゃあ床に書いてもらってもいい?」
女の子が床に書いた文字は俺を驚かせた。
〔 狼人 〕
狼人...魔狼の突然変異種。知能が高く、人を見る目がある。狼人と交わった者が生む子は全て狼人になるが、魔狼から生まれる狼人の確率は1%に満たない。
...やっぱり。よくみてみると、獣耳としっぽがある。
「..........ごめん。俺が君の親を.........殺してしまった」
「...いい。ババとママがここにいれたから...........それよりも」
女の子は俺につかみかかって
「どうやってここに入ったの!」
まあ確かにそう思うよな。俺は後ろを指さした。
「?うしろになにが......」
女の子は後ろを見て驚き、「まさか....」と呟いた。
「そう。そのまさかだ。俺はあの岩を破壊してここに入った。」
「...どうやって」
「拳で」
「なんさい?」
「20....じゃなくて9歳」
危うく大変なことをいうところだった俺は、女の子を離して帰る支度を始めだした。
「どこにいくの」
「...さあ、俺にもわからない」
「...わたしもついてく」
「何で?」
「ここからでるにはだいしんりんのおさにあわないといけないから」
確かにそうだけど...
「ダメ?」
女の子がうるうるとさせた目で俺を見つめてくる。くっ、そんな目で見られたら罪悪感が出てくるじゃないか。
「あ~~わかったわかった。連れていくから。」
俺の言葉を聞いたとたんに女の子ははしゃぎ始めた。
「そうそう、俺の名前はリッタ。君の名前は?」
鉱山を抜ける途中、聞いた。
「ロウナ」
これが、俺の大親友であり、世界一(多分)の格闘家、ロウナとの出会いだった