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源鹿紀伝  作者: Loo
9/17

魔法という 2

 

 季節が暖かくなり始め、自分の成績が芳しくない頃。

 高校2年の最後。

 源鹿は部屋で1人、Ⅹpに向かってあるプログラムを作成していた。

 何度も首をかしげながら書いて消してを繰り返した。

 しかし、これが出来てしまえば・・・。

 二つの未来を想像してしまう。

 一つは明るい方向。一つは暗い方向。

 双方作る方は使用する人間次第。

 しかも、まだ完成するなんて。

 

 はぁ。

 

 一息ついたのか、Ⅹpをベットに投げ飲み物をとりに1階へ。

 あれからラストとの交信はない。彼女も忙しい時は連絡してこないようだ。

 カップに牛乳を入れて一呑み。

 頭の中は今書いているプログラムのことで1杯だった。

 春休み中、ラストとの交信があれば少しはヒントを貰おうかと思っていた。

 そう。

 今源鹿が書いているプログラムは、「魔法分子を経由せずに、魔法をⅩpを媒体に発動する」ものである。

 だが、想像でしかない。

 魔法分子が無ければ発動しない魔法は、どう発動すればいいのか?

 源鹿の考えは、もしかしたらあの謎の交信を行っている者はこの機会を媒体に魔法を実行しているのではないかっということ。可能性としては十分有り得る。魔法分子が存在していれば、スペックのある人間なら魔法が使えてしまうからだ。だが実際、魔法を使う者はこの世界に誰ひとりとしていない。つまり、有り得るのだ。

 

 このⅩpが魔法分子そのものではないか?

 

 という疑問は。

 

 自分の部屋に戻ると、ひたすらⅩpとのにらめっこ。

 先に行けないプログラムが、自分のストレスを貯めていくのを感じる。自分のメンタルの弱さが光り始める。

 源鹿はすぐは諦めなかったが、1時間と持たずして両手をあげた。

 本当に可能なのか、こんなこと?

 馬鹿らしいと思いながらも、自分が想像していることを現実にしようとする。

 

 ブーブー。

 

 TML 燈八からのメッセージ

 

 今なしてますか?

 お暇ですか?

 お相手してもらってもいいですか?

 

 この訳の分からないメッセージを既読だけ付けて、プログラムへと集中力を高める。

 

 ブーブー

 

 すると、燈八から電話がかかってきた。

 「ごめんごめん。わるかったって」

 電話に出ると突然謝りだす燈八。

 「なんのようだ?ちょっと忙しいんだが?」

 「直して欲しいもんがあるんだよ。今からこれね?」

 「俺は忙しいと言ったが?」

 「ちょっとって言ったじゃん」

 確かに。

 あっさり承諾してしまい、家を出る準備をし始める。

 両親は仕事でいないため、戸締りをしっかりして家を出る。

 源鹿の家から燈八の家は、さほど遠くはない。ただ、必ず通る場所がある。そう、電気街である。

 電気街を通るということは必然的にタカヤ電気を通るということ。

 できれば避けたい。

 理由はひとつ。

 今、財布の中身が空だということだ。

 今通っては康成の思うつぼ。

 源鹿は、家にから出るといつも向かう方角の逆を向いて歩き始める。別に逆方向に向かったからと言って燈八の家にたどり着けない訳では無い。

 地図上では、電気街の道を1本隣を歩く。

 康成の所でなくても、誘惑するものはいっぱいある。

 源鹿の歩く速さは少し早め。

 2人で歩いていても、源鹿と合わせられるのは燈八くらいだろう。

 そして、電気街を通り過ぎた時。源鹿は一息つけるのであった。

 ここから少し歩いたところに燈八の家がある。ざっと、10分程度だろうか。電気街をまっすぐ通ればもう少し早い。

 源鹿は残りの距離を歩き出す。

 

 カバンが震える。

 あの音が鳴っている。

 振り返ると、電気街からも似たような音がなっていた。おそらく、TMLから流れる音だろう。

 源鹿はカバンから急いでⅩpを取り出し、画面を確認した。

 やはりなんの文字もなく通話の画面が表示されていた。

 源鹿は、その通話を繋げた。

 

 「――――」

 アース語だ。

 「――――」

 別の声が聞こえる。

 交信している。

 今こそ・・・。

 マルチ画面から、ラストオーダーに通信をかける。

 そして

 

 プルルルル

 

 呼び出し音がかかる。

 

 ブツ

 

 呼び出し音と共に謎の電話も終わった。

 源鹿の考えは確信に変わり始めていく。

 すぐ電話がかかってきた。

 須田 かと思いきや、ラストオーダーからの電話だった。

 「もしもし?」

 「もしもし?いま、ゲンロク。私に電話した?」

 この一言で、源鹿の顔は緩む。

 そして、高らかに笑いした。

 「えっ、どうしちゃったの?」

 「あっ・・・あっ、いや」

 話についていけそうにないラストは、源鹿の笑い始めたことに心配していた。

 「ラスト。ありがと。僕の考えは正しいかもしれない」

 「えっ、あ、うん」

 「分からないかもしれないけど、ありがとう」

 「どういたしまして」

 「これから用事があるんだ。その用事が終わったら、電話をくれないか?って分かんないか。また電話してくれ。ごめんな」

 「わっ・・・わかった」

 ラストとの電話を切って、燈八の家に向かう。

 顔がにやける。電気街の外は人が少ないがため、あまり見られることはないが。

 数分で着く燈八の家。玄関チャイムを鳴らす。そこそこ大きな一軒家だが、金持ちというわけでもない。

 「助けて、ティーチャー」

 家から出てきた、燈八が半泣きで出てくる。

 「どうした?」

 「パソコンが壊れた」

 「修理のご依頼でしょうか?」

 「そうです」

 家の中に入って、燈八の部屋へ。

 「なんで壊れた? 」

 「分からない。でも、画面に波線が入ってたから電話した。でも、さっき落ちた」

 「落ちた?さっきってあれか?なんか変な音が」

 前を歩いてる燈八が震えている。

 「源鹿さんよ。

 あの音一体なんなんだ?」

 「俺にもよくわからん」

 「俺には「ぁーぁー」って聞こえるんだ 」

 どうゆう事だ?

 あれは着信音じゃないのか?

 「あの音が聞こえて数秒後に、パソコンが落ちた」

 嫌な予感がする。

 燈八の部屋に入ると、日の当たる部屋の淵に例のパソコンが置いてあった。やたら暗く見えるパソコンの前に立つと、日の当たる同じ空間にたってると思えなかった。

 とりあえず、電源を入れてみた。

 反応がない。

 「これ、さっきまで動いてたんだよな?」

 反応のないことがおかしく思いそう訪ねると、「そう 」と即答された。

 

 プーン

 

 画面がつくような音がして振り返るとパソコンの画面が映っていた。さっき押した電源ランプも付いていて、さっぱりわからなかった。

 「燈八。さっきまでこのパソコンで何してた?」

 「えっ、ネトゲだけど?」

 画面を見るとネットゲーム「フリックリタップ」のチャットルームの画面だった。

 その会話を見てみると

 

 今繋がった。

 今の何?

 数分回線切れたよな?

 画面消えたんだが・・・

 携帯は繋がってたぞ

 

 などといった書き込みがされていた。

 「まぁ、この通り治った」

 何もしていないが自分の功績のように語る源鹿に、「何もしてないでしょ」っと突っ込む燈八。

 書き込みを見る限りここら辺一帯で起きたことだろう。

 Ⅹpを確認していないが、落ちたタイミングで能できたのはⅩpだけだろうと思う。

 燈八はゲームの続きがあるのでとこの事で、今回の用事は終った。

 だが、なぜこのような事が起きたのか。

 疑問が残った。

 

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