魔法という 1
※
魔力
それは、「魔法分子」という空気に似たようなものが周りにあると使えるそうだ。もちろん目に見えたりはしないし感じ取ることも出来ない。
この魔力分子は魔法そのものに必要ではなく、あくまでそのスペックに合わせた魔法分子を必要量体内または何かを経由して始めて発動できる。魔力分子を使わずに魔法を発動も、体への負担が大きく元々のスペックに比例した代償が必要となる。故に魔力分子を経由して発動するのが、常識的な魔法となる。
「それはつまり、こっちの世界でも魔法が使えるってことか?」
「それは、わからない。私達は魔力分子を生活の一部みたいに吸ってるみたいだからね。いつでも魔法が発動できるし、今だって使ってる」
「それってこの通話のことか」
「そう。これは、交信機自体が魔力分子を放出して会話できてるの」
「俺の所にピンポイントにか?」
「いいえ、おそらくそっちの端末いくつかに呼びかけてると思う。魔力分子は私の交信機から外に放って一番強い魔力がある端末と話してると思うから」
思う?
「推定なのか? 」
「過去に多次元との交信を行った実験記録にそう書いてあったの。」
だから、他にも聞こえるわけか。
区切りがついたものに納得がいった。
魔法そのものに問題があるんだ。
「じゃ、さっきの話だがこっちから魔力分子を放出できる奴がいたとして、そっちと連絡することは可能か?」
「んー」
難しいらしく考え込むラスト
「・・・なんとも言えないけど、魔力分子をこっちっかわに向けて拡散して、シンクロすればできるんじゃないかな?私と同じ方法でやれば出来ると思う」
曖昧な回答だが、可能性とてはありうる。
「試しにやってみたいことがあるんだ」
「何?」
「今すぐ出来ることじゃないんだけど・・・」
「わかった。何をするの?」
「おそらく、アースから来たやつがこっちに来ている」
なんの根拠もないことを話しているのは分かっているが、考えていることが正しのならば、こちらから魔力分子をアースに向けて拡散している奴がいる。
「それは、ちょっといけないね。」
・・・ラストの声、なんか変わった?
「予測だけど、ゲンロクのいる世界と地球は次元が違うと思うんだ」
いきなり、話が飛んだ気がする。
「次元が違うところに飛ぶって言うのはこっちでは不可能なんだ」
「いや、普通無理だろ?」
思わず声に出したが、少し考えればわかる。アースには、魔法がある。
「こっちは、ゲンロクとは違う普通がある。禁じ魔法全ては命を落とすかもしれないんだけど、それを使ったとしか思えない」
「でも、もしかしたらの話」
「わかってる。で、ゲンロクがやりたいことがそれとどう関係してるの?」
「そいつがもし交信をとる時、こっちから電話をかけてそっちに繋がるかを試したい」
「なるほど、それはいい。
繋がればこっちじゃ、大騒ぎだろうけど」
「・・・その、禁じ魔法。使ったやつはどうなるんだ?」
これは、興味だ。行けない事だと思っていても聞きたいもんだ。
「禁じ魔法は、スペックに関わらず体に負担が大きすぎるからね。使った人は死んじゃってると思うよ。でももし死んでないとすれば、その人は即刻死刑だろうね。私達が執行すると思う」
「そんな、大きな罪のくせに魔法使うのには命懸けって。なんの意味もないな」
「その魔法使用者には意味があることなんだよ。結局、成功すれば自分たちに得しかないからね」
「今回の「次元を飛ぶ」なんて魔法にはなんの得があるんだ?」
「何考えてるかは知らないけど、おそら「世界支配」」
・・・。源鹿は黙った。話が飛んだ。
世界支配って1人でできるのか?そもそも、この世界を手に入れて何するつもりだ。
「もう。すぐ考え込む」
「・・・ごめん」
考えるのは後でもできるが、今気になることを片付けなければ気が済まないのは悪い癖かもしれない。
「でも、いたとしたらだもんね」
「そうだな」
これは、もしもの話なのだから。
「でも、ゲンロクが言ってること出来ちゃったらこっちでも動かなきゃいけなくなるから」
「忙しくなりそうか?」
からかうように言うが、「うん」と真剣そうな声で返ってくる。
いかに一大事画を再認識した。
「そういえば、この魔法で繋がってる電話。時間制限とかあるのか?」
「あるよ。まぁ、私が流し続ければいつまでも話せるけど」
また偉そうに。
「じゃ、普通に話したらどんなもんなんだ?」
「記録によると5分から10分だね」
「少な!」
思わずの大声。
それもそのはず。もう、1時間45分くらい話している。
「まぁ、魔法分子拡散は魔法の基本そのものだから誰でも出来るけど難しいんだよね」
「そ・・・そうなのか」
とんでもないと思った。
今。電話の向こうの人をすごいと思った。
「じゃ、そろそろ切るね。
電話は出られるように・・・。でも、出動中はでれないからね」
「あぁ、わかった」
そんなこんなで切った。
魔法
こっちの世界でやれたら便利そのものだ。
源鹿はこの時、こちらで魔法を生み出すことを考え始めた。