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源鹿紀伝  作者: Loo
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自分という自分

初めまして。

Loo(ルー)です。

この作品は「総合魔法学苑」のシリーズものです。

これからよろしくお願いします。

源鹿紀伝




 青い星。

 私の目にはその星がそう映る。

 自分の部屋から眺めるその星は、美しく目の保養になるのです。

 あぁ、あの星に行ってみたい。向こうの地上はどうなっているのか。遥か彼方に見える星。私はそれを、「アース」と呼んでいます。


 アースが見えるのは、魔法のおかげ。

魔法技術を駆使して、望遠鏡なるものを発明した人がいました。

 私は、お金にお金を積んでその複製を頂きました。いくら積んだかは、ヒ・ミ・ツ。


 私たちの住む星は「魔法」という概念が存在します。

色々ありますが、大きく分けて5つ。


火 水 土 光 闇


 これらの属性に振り分けられ、同じ属性を持つ者たちが集団で暮らしています。

 そして、それぞれの属性間での争い事は絶えません。領土の問題や、お金の問題。世界を統一させるのは、難しいと思われた。

 ある時。5属性のトップが集まり、お話会を開きました。5属性それぞれの優秀な使い手を、警備役として選出。争い事を止める者たちとして選抜された「五種族警備員」が結成されました。

 五種族警備員が活動してからは、ある程度の争い事はなくなりました。

ですが、無くなったわけではないので。


ビービー


 「ラスト・オーダー」

 呼び出し回線から役員の人の声がします。

 「はい」

 いやいや返事をしました。

 「出動要請です」

 はぁ。

 まだ、見ていたかったな。

 アースのモニターを閉じて、着替えを始める。


 あっ。

 私の名前は


 ラスト・オーダー。


 五種族警備員の、光の魔法を使う者です。





 2036年 9月 東京

電気街。


 「人類初。手でもてるパソコン。


 Ⅹp (イクス ピー)


 近日発売。」


 こんなような宣伝が飛び交う電化製品屋「タカヤ電気」の前に僕は立っていた。

 名前を「藤谷源鹿(ふじたに げんろく)」。

 いいところのお坊ちゃでんもなければ、めちゃめちゃ貧しいわけでもない、ごくごく普通の一般家庭に生まれた。

 兄弟はいないため、両親から甘やかされながらも厳しく育てられた。

 成績も中の中。何一つとりえのないように見える彼は、プログラム 特に0から何かを生み出すことに長けていた。

 自分で小遣い稼ぎもできた。

 中学二年で、自作コンピューターをネットに売りさばいたこともある。

 そして、最近目にするこの宣伝にも目を引かれるのである。

 「おう、源鹿」

 この人は、左柄康成。この電化製品屋の従業員。

 「ヤスさん」

 「おまえ、今試験週間だろ?勉強は、大丈夫か?」

 「何で知ってるんですか?」

 そう。今は、二学期最初の中間試験の試験週間。

 「部活無しで帰ってくる学生が、この時間ここら辺うろうろしてたらすぐわかるだろ」

 「そんなの見てないで働けばいいのに」

 「いらんお世話だ、くそ生意気学生が」

 この人にはだいぶお世話になっている。

 この電化製品屋は近所で、家にある電化製品はほぼここで購入している。

 お得意さまってやつである。

 ここの店長が、父の知り合い。従業員であるこの人は、子供だった僕に相手をしてくれたとても優しい店員である。

 「そういえばヤスさん」

 「どうした?」

 「これって、いつ発売するの?」

 Ⅹpの宣伝が流れているモニターを指さして言った。

 「あぁ、これな。

実は店側にも情報来てないんだわ。

 なんでも、メイカー側が宣伝PVを作ったのが早すぎただけってらしい」

 このⅩpを作った会社。WiX株式会社。

 今まで目立った物を開発してこなかったためか、このⅩpの宣伝動画を見るまでは名前も聞いたことない会社だった。

 「なんだ?買うのか?」

 「愚問じゃん」

 「そだな」

こういう言い方をすると、毎回新しいものを買っているように聞こえるがそうではない。

 メーカー、機種、モデル、機能。

 総合的なものを含めて、検討し購入をしている。

 だが、ここまで未知数なものだと無条件でほしくなってしまう。

 「そろそろ帰って勉強しろよ」

 康成はそう言い残すと、店の中へ戻っていく。

 僕も家に帰ることにした。勉強もしなければならなかったし。


 ただいま。


 心の中でつぶやきながら、家の中に入る。

 一軒家に住んでいるにいしては、静かなものだ。

 それもそのはず。

 両親は共働きなのだ。

 よって、学校から帰っても一人なのだ。

 手洗いとうがいをして、二階の自分の部屋へ。

 源鹿の部屋は、そんなきれいとは言えない。部品や機材が、床に散らばった空間だ。唯一、ベットの上と机の上は無事。周りには壁紙ポスターなどは一切なく、自分というのがよく表れた部屋になっている。

 机の傍に鞄をおいて、教科書やノートを広げて勉強を始める。


 数学、国語、英語、科学、歴史。


 机の上で勉強することなんて、社会に出ても何の役にも立ちはしない。成績中の中で言えたことではないが。


 時間は18時。

 帰ってから1時間ぐらい。こんなに勉強できるわけではないので、別のことをすることに。

 部屋を見渡す。

 作りかけのパソコンがあった。そこめがけて歩き出す。そして、作り始める。


 源鹿の趣味

 これは、趣味だ。

 0から作る。


 全てにおいて、初めては存在する。僕は、その快感が好きなのだ。

知らないことを知る。誰も思いつかないことをする。

 ほんの一握りの才能を持ち合わせた人間が成し遂げるようなことを、この人生でやってみたいのだ。

 だからこうして、パソコン作りに勤しんでいる。何かのヒントを得るために。


 ガチャ


 玄関が開いた音がしたが、そんなの聞こえちゃいない。

 「源鹿」

 母の声。

 そんなの聞こえない。目の前に集中しているとこんなもんだ。

 部屋の扉が開く。

 気づかないまま、作業を続ける。

 「あんた、勉強は?」

 目の前にヤンキー座りでスーツを着た母がいたのは、驚愕だった。

 「…いや、今からしようと思ってたんです」

 「それは、びっくりね。こんなことして、いつ終わるのかわからないことしてるのに?」

 母は、完成前のパソコンを指さしてそう言った。

 「質問責めは良くないって、ヤスさんが言ってた」

 「風呂沸かすから、それまで勉強してなさい。成績落ちたら救いよう無いわよ」

 「返す言葉もございません」

 完成まじかのパソコンを部屋の隅に追いやり、体を机に向かわせる。

 「それにしても、夏休みの間に片づけたはずなのに。よくこんな散らかせるわね」

 僕の部屋を見渡してそういう。

 「机は無事なんだから、いいじゃん。早く出て行ってください。風呂沸かすんじゃないの?」

 「我が息子は、一言多く育ってしまったわ」

 そう言い残すと、母は部屋を出て行った。

 僕は机に向かって勉強しだす。


 風呂が沸ける連絡が母からやってきたのは、机に向かって20分ごのこと。

 ゆっくり風呂に入ってくつろぐ。

僕の風呂は、髪の毛、体と洗ったあと、髭が生えてればそり、そうでなければ風呂に10分ほど浸かって上がる。

 中学生くらいからやってきたことだ。今も昔も変わりはしない。

 風呂から上がると飯を食う。

母が用意してくれている。

 飯だけ出すと、母は風呂に入っていく。

 一人の飯はもう慣れっこだ。

 食べ終わると、食器を片して自分の部屋へ。

 勉強

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