戦友を失う第4話
ドンドン、ドンドン
音が聞こえる。
ドンドン、ドンドン
大きな音が聞こえる。
それと同時に
"おーい、いるか?いたら返事をしてくれ!"
と声まで聞こえる。
だが、俺はそんな音や声ごときに遅れはとらない。
布団を頭からかぶって安眠を維持する。しばらくして音がやんだ。
フッ...他愛のない。小さな勝利に酔いしれながら俺は三度寝に入る。
ああ敗北を知りたい。
そんな風に考えながらそっと薄目を閉じた。
その時、
"どっかーん"
と大きな音がして、メキメキメキッとドア君の悲鳴が聞こえた。
俺の安眠を守ろうとしてドア君が無残な姿になってしまった。
短い付き合いだったがドア君は俺のために戦ってくれた戦友だ。そんな彼が無残な姿をさらしている。
俺はがばっと起き上がり出せる限り相手を威嚇しながら大きな声で「何奴!」と叫んだ...。
なんてことはなく表面上は至って冷静に、ベットから起き上がることなく布団に包まれながら内心ビビっていると、
「よかった。無事だったんだな。」とイケメンがさわやかな笑顔を浮かべてドアをぶち破って俺の部屋に入ってきていた。
その後ろには2人の女の子。
何!?この子達、少し乱暴すぎませんかね?
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ある程度あたりを調べてから僕たちは、召喚されたらしい4人の中の1人である東雲悠里の部屋の前まで来てノックをした。
"コンコンコン"
返事がない。
"コンコンコン"
返事がない。
試しに部屋のノブを回してみると閉まっている。少なくとも僕たち3人は部屋の鍵をもらってはいないので、十中八九中にいるのは確実だろう。何かあったのかもしれない。
ほかの2人と目を見合わせてどうしようか考えて、もう少し力を込めてノックをしてみる。
"ドンドンドン"
返事がない。
今度は声をかけながらドアをたたく。
"ドンドンドン"
「おーいいるか?いるなら返事をしてくれ。」
返事はない。
これは何かあったのかもしれないとパニックになった僕たちはドアをぶち抜くことを決意する。
お城の人たちに申し訳なくはあるが仕方がない。と自分を正当化して罪悪感を薄めながら渾身の力でドアにタックルする。
"どっかーん"
すごく大きな音がしてドアをぶち破り部屋の中に入るとベットの上で布団にくるまって横になっている悠里を見つける。よかったどこにも怪我をしていないようだった。
そして僕は、「よかった。無事だったんだな。」と胸をなでおろしながら声をかけた。
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