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孤独の都~空に陽はあり月はなく~  作者: 紫鱗
第一章 不可視
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第七話

 気持ちの良い目覚めだ。

 窓を開け、机に視線を向けると時計の針が6と7の丁度真ん中あたりを指し示している。

 時計の文字盤は0から23まであり、今は6時半くらいだろうか。

 まだはっきりと目覚めぬ僕の意識に父さんの言葉が浮かんだ。


 ――明日からアカデミーだろう、早く寝て遅刻しないようにな


 「う……ん」

 僕は眠気を吹き飛ばすように背伸びをした。

 少し長い休みだったけど休みは明け、今日からアカデミーへ通わなくてはならない。

 僕は今日の講義の準備をしていないことに気が付いた。準備をしようとしたはずが睡魔に襲われてそのまま眠ってしまったからだ。

 アカデミーは8時までに間に合わなくてはならないから、僕は少し急いで支度を始める。

 「えーと、詩話法、植物学、動物学それに事象学……と」バッグに書物を詰め込んでいく。

 「あ、あと関係学か」忘れそうになった講義の書物を詰めてバッグの紐を結び、椅子に掛けてあった外套を纏う。

 


 リビングに出ると食卓に朝食が用意されていた。僕はいつものように「いただきます」と言って朝食を済ませ「ごちそうさま」と、食器を流し台に置いた。

 それから「行ってきます」と、バッグを手に取り玄関を出る。

 家を出て左に歩き10分、果樹園に沿って歩く。僕は様々に彩色された果実を見て相変わらずきれいだなと思った。

 果樹園の終わるところの交差点を右に曲がり、同じく10分ほど歩く。二つ目の交差点を渡って左の角には他の家が二・三十軒は入るであろう大きさの建物「アカデミー」が見える。

 アカデミーの門扉はとても大きく聖堂とは違ったに厳かさを持ち、聖堂と同じく開け放たれている。

 僕は今日の最初に受ける講義「詩話法」の講堂へと足を運ぶ。

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