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『ひたすら忍耐の日々が続きます』



ここまで肉の塊に育った巨体から開放されるにはひたすら忍耐のダイエットの日々が私には待ち受けていた。

唯一の救いは、母親が料理好きで色々な種類豊富なヘルシーメニューを繰り出し始めたので豆乳プリンやおからクッキーその他色々な低カロリーの手作りお菓子を食べれることでかなりストレスが軽減されていた。


そして、ダイエットを始めてから二ヶ月が過ぎて約15キロの減量に成功していた。相変わらず魔王はどこからか色々な怪しいダイエット法を調べて来ては人体実験でも楽しんでいるかの様に私にやらせて楽しんでいる。


「そろそろ停滞期に入りそうだからな!また、お灸ってやつをやらないとな!!」

「え~~~!!あれは勘弁して~~~!!熱いなんてもんじゃ無いんだから!!」


私が嫌がると魔王は目尻を上げて私の右頬を掴んで思いっ切りグイグイ引っ張って


「お前に拒否権はねえって言ってんだろ?!黙ってオレ様の支持に従え!!このブタ!!」

「いひゃい!!はにゃして!!あううううう!!」


右頬を引っ張ってなかなか離して貰えないので上手くしゃべる事も出来ず項垂れていると


「オイ!!水泳も効き目があるらしいからこれから夕食後は2時間水泳だな!!オレ様がゆっくり泳げる所へ連れて行ってやるぜ!!楽しみにしてろよ!!」

「水泳って?!どこで?夜に水泳なんてどこでするの?」


魔王はニヤニヤ笑っているだけでどこへ行くのかはいくら聞いても教えてくれなかった。


夕食の後、魔王に目隠しをされて連れて来られたのはどこかの施設のプールで誰も居ない貸し切り状態だった。

水着に着替えさせられて魔王から今日は2時間ひたすら流れるプールを流れに逆らって歩けと言われて必死で2時間歩いた。

普通に歩くよりも流れるプールの逆を歩くのはかなり体力を消耗するので何時もより2時間がとても長く感じて家に帰る頃にはヘトヘトだった。


「ウンウン!!これは効果がありそうだな!!オイ!ストレッチ5セット!!忘れんな!!」

「あうううう~!!無理~~!もう~~身体が動かない・・・活動限界~~・・・」


ベットにひれ伏した私を後ろから蹴り上げて魔王が鬼のような顔をして怒鳴っていたが更に5セットもストレッチなんてとてもじゃないけど出来るわけが無かった。


「よし!!動かなくても出来ることをすれば良いんだな!!ククククッ!!」

「・・・・・・・・?!」


魔王は私に馬乗りになって背中を丸出しにしてムフムフ笑いながらお灸を4箇所置いて火を付けていた。

数分後・・・ストレッチを拒否したことを私は凄く後悔していた。


「あううううううう~!!熱い!!熱い!!うううううう!!あう!!あう!!」

「仕方ねえだろ?!お前が動けねえんだから!クククククッ!我慢しろ!!」


こんな時の魔王は凄く楽しそうでやっぱ魔王はドSなのだと改めて実感する私だった。


翌朝はそれでも疲労感は残っていなかった。多分、あの辛いお灸の効果だろう・・・

考え事をしながら朝のウォーキングをしていたら突然、頭の上にあの魔猫が降って来た。


「お前も意外に頑張るわね!!すぐに弱音を吐いて魔王さまに魂を差し出して許しを請うだろうって思って楽しみにず~っと待ってたのにさ!!フンッ!!」

「あああ!!またぁ~!!また人の頭の上で偉そうに!!降りなさいよ!!」


久しぶりに姿を現したかと思ったらさっそく私に向かって憎まれ口を叩いている魔猫を私は片手で掴んで地面に下ろした。


「ヤレヤレだわ!!魔王さまもちっとも魔界へ帰ろうともしにゃいし、魔界は魔界でベルゼブブ様が手の妬ける魔王さまがいにゃくて仕事が凄くはかどる~~って喜んでるし!面白くにゃいのは私だけにゃんだから!!それもこれも全てお前のせいにゃんだからね!!」


魔猫は黒猫の姿で一部猫語で私に溜まっていた鬱憤をぶつけるだけぶつけたらスッとどこかに消えてしまった。


「何なの?私が悪いの?魔王が勝手に私にダイエットしろって強制的に居座ったんだから魔王が悪いんじゃないの?!あ!でも・・・召喚したのは私だったか・・・アハハハハ」


魔猫はどうしてたんだろう?あれから姿を見せないから少し心配だったけど元気そうは元気そうだったし魔界にも帰ってるみたいだし心配するだけ無駄だったかも・・・


それでも私は家に帰ってシャワーをしながら魔王が魔猫にどうしてあんなに冷たいのかが不思議でモヤモヤしていた。

悪魔で魔王さまならあんなナイスバディなお姉さん達を何人もはべらせてムフムフしていても不思議じゃないし普通の光景でしょ?ってこれは私の勝手な妄想か?

でも・・・何か変だよなぁ~・・・案外魔界って面倒臭い所なんだろうか?


朝食を済ませて今日は休日だったので少し休憩してから魔王の支持に従ってもう一時間ウォーキングをしている最中に魔猫を探してみたがどこにも魔猫の姿は見当たらなかった。



家に帰ってどうしても気になる私は魔王に魔猫の事を話してみた。


「気にしなくて良いぜ!!魔猫はオレ様が呼べばいつでも姿を現す使い魔だからな!今はその必要が無いからアイツは何処かオレ様の声の聞こえる所で潜んでるよ!美乃里が心配することは無い!!それよりもストレッチ5セットな!!」

「え~~~!!またぁ~!!さっきやったよ!!少し休憩させてよぉ~~!!」


魔王は目尻を上げて私のお尻を蹴り上げてから両頬をギュぅっと掴んで上下に引っ張った。


「お前も懲りねえなぁ!!口答えすんなっつってんだろ!!オラオラ~~!!」

「イイイイイ!!いひゃい!!いひゃい!!あううううううう~!!」

ケケケケと魔王は楽しそうに笑いながら引っ張りあげた手を勢い良く離してまた笑った。


「ウンもう!!ひっどい~!!アイタタタた!!」

「ほれ!!さっさとやれ!!ストレッチ5セット×2な!!」


日に日に魔王のドS度数が上がっているような気がして私は身の危険を感じていた。


「これじゃ忍耐と苦行の日々だわ!!目標体重にはまだまだ程遠いし・・・」


ストレッチを終わらせて洗面所で顔を洗って体重計に乗ってみたらダイエットを初めてから17キロ体重は減っていたが目標体重の45キロには程遠い。


ガックリ肩を落として部屋へ帰ると魔王が私に向かってどこから手に入れたのか?青いバランスボールを放り投げて来た。


「オイ!!それってもう古いらしいけど室内の運動には良いらしいぞ!!テレビ見ながらでも出来るらしいしな!!ちゃんとやれよ!!わかったな!!」

「・・・・は~い!はいはい!・・・やらせて頂きま~す・・・」


次から次へと良くこんな物を探してくるなと感心しつつも私は魔王に支持されるままにテレビを見ながらバランスボールで運動していた。


目標体重には程遠いけれど17キロも減量された私の身体は少しずつではあるけど変化していた。

制服も母親がウエスト部分を調整してくれてダイエット前よりは女子高生っぽくなっていた。心なしかお肌の調子もスベスベで凄くイイ感じだった。


そしてこんな私に大変な大変な転機が訪れる訳ですがそれは次回のお楽しみです。


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