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天使憑き  作者: 夢籐真琴
74/104

作戦会議

今回から伊奈目線になります(^^)





眼を覚ますとそこはホテルとは違う個室だった

(・・・)

頭を起動するのを待つ

10秒後ーーー

頭が正常に起動したのを確認して周りを見渡す

「船?」

わずかだが地面が揺れている

そして船の個室のようなところに閉じ込められていた

ベットの側のテーブルに天使さんが夢の中に入ってきて説明していった銃器が積まれている

そばには自分に見慣れたスーツがあった

「スパイスーツね・・・」

全身真っ黒の機動性とステルス性能を重視したスーツだ

現役の時は何度かお世話になった

着替えてみるとサイズがピッタリだった

(何処かで測られたの?)

そして室内で使えと言われた拳銃のみを握りドアの前に立って構える

(1,2,3!)

ドアを勢いよく開けて銃を構える

誰もいない

(・・・)

廊下はそれ程長くは無く、すぐに突き当たりについた

その間に部屋が自分のも含めて3つ

普通に考えればだいたいわかる

少し緊張を解いて1つのドアに音もなく忍び寄り、ドアを開けて拳銃を構えた

(!?)

殺気を感じ動こうとすると頭の横に銃が突きつけられているのがわかり動きを止める

「伊奈か」

その人物はそう呟くと銃をホルスターにしまって、ウエストバッグに手榴弾を乱雑にいれていく

絶句して何も言えない伊奈を横目に武器を全て収納して、残ったスナイパーライフルと、アサルトライフルを手に持ち聞いてくる

「これ、どこにしまう?」

ようやく正気に戻った伊奈は構えたままだった拳銃をホルスターにしまい

「アサルトは実戦で使うから手で持ったままで、スナイパーは背中にでもくくっておけば」

「そうか、なるほど・・・」

さっそく実行に移している零を見て聞く

「ねえ、なんで私がいると気付いたの?」

「いや、別にお前だと気付いたわけではないし、お前じゃない第三者だと思っていた」

「だから何で?」

「お前ドア開ける時大きな音出しただろ、確かにドアの外に誰がいるのかわからない時には有効だが、他の部屋に誰かいるなら一発でばれるぞ」

「・・・」

思いもしていない事を言われ驚く

知らない間に大きなミスをおかしていたようだ

反省していると

「まあ、外に何があるかがわからない状況では今のが正しい、でもそのまま部屋に入ってくるのはいただけないな」

何も言い返せない

「さ~て、嘉川を起こしに行くか」

「私まだ用意できてないから、用意出来たら廊下に出る」

「ほいよ」

再び廊下に戻って自分の部屋に戻った









廊下に出ると何かしら一悶着があったらしいが3人が揃った

一応船内は安全らしいが先頭の零が拳銃を構えてーーその後ろに奈美ち、そして私となって銃を構えたまま進む

奈美は構えてないけど私は後ろを一応警戒しながら進む

(でも、何で船?)

その疑問は全員が思っていたはずだが、誰も喋らなかった

黙々と進んでいった

「伊奈」

後ろを警戒していて歩いている時の零に前から呼ばれる

前を向いて見ると行き止まりで扉がある

奈美を後ろに回し前に出る

「お前が開けてくれ」

小声でそう言われ頷く

扉のそばにしゃがみ零を見る

小さく頷かれ、ドアノブを回す

扉が開いて零が飛び込むーーと同時に零の後ろから銃を構えて入った









「秋人さん?」

零が間抜けな声をあげて銃を下ろす

それを見て私も銃を下ろした

「誰かと思えば、零か」

「秋人さんも攻撃班に?」

「ああ」

「おい」

零に秋人と呼ばれた青年の後ろに25くらいの男が声を発した

「僕の事も紹介してよ」

「はい、この人はここの部隊の隊長の猪野(いの)さんだ、そちらは?」

「ああ、こっちの小さい方が嘉川で、大きい方が伊奈だ」

さりげなく零のつま先を踏む

「かわいいお嬢ちゃんがぞろぞろと」

(さかき)伊奈、よろしく」

「嘉川奈美です、よろしくお願いします」

「宮西零、よろしく」

「ご丁寧に、猪野俊太(いのしゅんた)です。よろしくね」

とらえどころのない物言いが気に入らないが、いろいろ総合してそれなりに実力を持っているのだと判断する

人間性を無視したらいい隊長の部類に入るだろう

「これでうちの部隊が勢ぞろいだ、仲良くやろ~ぜ」

「さっそくだが隊長、ここはどこだ?」

「いきなりだね~聞いてない?」

「なぁ?」

こっちを向いて確認する

頷いて聞いていない事を肯定する

「そうかい、ん~。説明するの難しいし、秋人君やってくれる」

「絶対嫌です」

「冷たいね~」

我慢の限界・・・

「早く作戦の説明をしろ!」

いきなり怒鳴った伊奈を見てみんながびっくりした顔をする

1人だけ例外がいたが・・・

笑っている零のつま先にさらの体重をのせて黙らせる

「お嬢ちゃん、実戦知ってるな?」

疑問ではなく確認の口調で猪野が真面目な顔で聞いてくる

「さぁ?それはどうでしょ?」

はぐらかす

「教えてくれ、誰をどれだけ使っていいのか知りたい。秋人君にも聞いた、全くないとの事だ」

「隊長は?」

「それは立場上言えないんだ」

「じゃあ私も言えないな」

「それじゃあ、勝手に僕が判断して動いてもらうよ」

「どうぞ御勝手に」

勝手にしろと突き放した

だが猪野は隊長としては当たりだな

「嘉川ちゃんは・・・素人だね」

「はい、そうです・・・」

「そうか、まともに戦えるのは零君と伊奈ちゃんだけか」

「ちょっと待て、何故俺には聞かない?」

「分かり切ってるだろ、君は出来るだろ、身体つきからして一般人と違う」

「身体つきだけだろ、俺は伊奈みたいに訓練は積んでいない」

(この期に及んでまだそんな嘘つくか)

そう思っていた伊奈の気持ちは零にはわからない

「嘘つくなよ、銃の構え方から歩き方から全部一般人じゃないだろ」

「さいですか」

反論を諦めたようだ

もうどうにでもなれと思っているようだ

「では作戦だが、敵の堕天使の領土への上陸をする際への足がかりに我々が先に夜中に上陸する」

「つまり俺達は捨て石かい?」

皮肉めいた表情で零が言う

「そうだ、だが我々が死ぬ必要はない、生き残って本隊に合流する」

にやりと笑って猪野が言う

初めて私の考えが猪野の考えに一致した

「そうね、殲滅しましょうか」

「いいね~頑張ろ~ぜ」

零も賛同して乗ってくる

本隊の奴らの思い通りにはさせない

そういった思いがひしひしと伝わってきた

「今夜に上陸する、用意しておけよ」

「了解」

全員が1つになった

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