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天使憑き  作者: 夢籐真琴
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魔女の休憩

落とされて意識を失った零が再び眼を覚ましたのは彼の部屋でそこには久しぶりに見る懐かしい顔だった

「秋人さん、サミさんも久しぶりです」

すると秋人が複雑な顔をして零に聞いた

「お前ドロシーさんに何したんだ?」

「?」

疑問を表情で表すとサミが

「ドロシアがもうお嫁に行けないとほざいていた」

(あの野郎・・・)

変に事実を押し曲げるのがドロシーの得意とする事をすっかり忘れていた

しかしサミもほざくと言っているのだから適当に流したらしい

今気付いたがその噂の張本人がいない

「ドロシーは?」

身体を起こす

(!便利な物だな)

自分が何時間寝ていた(落とされていた)かは零は知らないが、包帯の魔法が効いたのか今は身体を締め付けるような痛みは感じられない

「下で何か作っている」

秋人が言うとサミも

「あいつは料理が上手いからな、ありがたく頂こう」

ここで1つの疑問が浮かび上がったーーー正確には2,3個だが・・・

「あいつ何で料理してるんですか?それと何で2人が俺の部屋に?」

「1つ目は零の回復料理だと、2つ目は作戦会議だ」

秋人の言葉で忘れかけていた重要な事を思い出す

「で、何したんだ?」

「へ?」

考えていたところに問われて間抜けな返事を返す

「だからドロシーさんにだよ」

(忘れてなかったか?)

内心舌打ちをするが表情には出さない

サミも普段無表情でどうでもいいとばかりの態度なのに今日は珍しく興味津々だ(付き合いは短いが・・・)

(ごまかせないか・・・)

腹を据えて覚悟を決める

「頬を舐めて頬をぎゅーと伸ばした」

「・・・」

2人分の沈黙が場を飲み込む

(だから言わんこっちゃない)

この空気になるのを防ぐために言わなかったのに

「嘘だろ・・・」

「本当です」

掛け値なしの事実だがーーー

「零」

「はい?」

サミの声で首を動かす

「天使はやめとけ、人間にしておけ」

「はい!?」

今度は違う意味が混じっている

「天使と人間は結ばれない事はないが、それはやめといたほうがいい。人間と結婚しておけ」

今度は納得出来る発言だが内容が内容だ

「サミさん、そこですか?」

秋人の悲鳴じみた突っ込みが入る

サミの言葉に1つ気づいた事があるので聞いておく

「天使と人間は結婚出来るのですか?」

「零も!」

秋人が突っ込む

「出来ない訳はないだろうが・・・やめておけ」

「知らなかったなぁ・・・」

「知らなくてもいい事だ」

「まぁ確かに日常生活では必要ないですから」

この日常生活がどの日常生活を指すのかーーー

そこへ能天気な声が入ってくる

「出来ましたよ~あれ零眼覚めたんだ。食べましょう!」

エプロンをかけて盆の上に何やら料理らしきものを持ったドロシーが現れた

「あれ、何してるの?」

下で寝転んでいる(気絶している)秋人にドロシーが声をかける

「大・・・丈夫です・・・」

片手をあげたので生存を確認する

「さぁ召し上がれ!」

ベットの上にいつのまに出したのか机がありそこに料理をおいた

「栄養たっぷりの料理よ」

「・・・」

絶句した

溶岩のようにポコポコ泡が立っている料理を栄養があると言われても・・・

しかも色がどう表現すればいいのか迷う色で・・・

「召し上がれ」

顔の正面にドロシーの顔が出されてもう逃げ場がない

(くそ、さっきのお返しか?)

覚悟を決めてシチューらしきものをスプーンですくってーーー

口に入れた












「ーーー」

終始無言で食べ物らしきものを機械的に口に運ぶ

「美味しい」

「良かった」

サミがドロシーの料理の腕は上手いと言っていた事を思い出す

(本当だったんだなーーーただ・・・)

このシチューらしきものは美味しいーーー

美味しいのだが、この色と臭いがなければ美味しく頂けるのだがーーー秋人が倒れた原因も臭気にやられたらしい

もしも白銀の鼻を選択していたとするとーーーと考えるだけで鳥肌がたつ


閑話休題(それはそれとして)


食べ終わった零達は作戦会議を開く事になった(何故自分の部屋を使われるのか非常に理解に苦しんだ)

「作戦会議って何話すんだ?」

秋人の基本的な疑問にサミが答えた

「ひとまずどのような物かを知っとかないとな」

「そうね~」

スープをすすりながらドロシーも賛同する

「まず基本的に拳銃はじめとする火器は使えないな」

「そうね~元々天界には火器を使う習慣がないから、原始的な近距離戦になるわね」

「戦闘を行うのは別世界で行う。そこには関係者以外の人間はいない」

「勝利は相手の(トップ)を殺すことね」

「ただ火器が使える場所も何箇所かある」

「そこではチームを組むことになるわね、基本の場所はあくまで自分の能力だけで戦う事になるから」

「ちょっと待てよ、なんで火器が使える場所と使えない場所があるんだ?」

零の質問にドロシーが答える

「それは我々の力が及ぶ領域は近距離戦、相手の力が及ぶ場所は火器OKね」

「ちょっと待て、魔法使われたら一溜まりもないぞ」

「それは心配しなくていい、この世界では魔法は使えない」

「あくまでも力が及ぶ場所って言うのは人間風に言うと戦国時代の領土っていう意味だから」

「ついでに言っておくと白銀の力は使えない」

(ついでで言っておく内容じゃないでしょ!)

冷静な零の突っ込みは幸いにも口から出なかったが・・・

行く末が不安になった零だった

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