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天使憑き  作者: 夢籐真琴
42/104

蒼白い月の空を⑻

「どうしたのですか?食事中に」

ぼ~としていた 食事中なのに この私が

「申し訳ありません お母様」

「何かありましたか?」

「・・・」

親子3人での夕食中にだ 私がこんな体では勘の鋭いお母様の事だ 気がつかないはずがない

「話してごらん?楽になるよ」

お父様が優しく話しかけてくる

顔は柔和で優しそうに見えるので相談事にはお父様がいい

「実は・・・」

2人とも食事を中断して聞く態勢に入っている

「私、結納がしたいのです」

「そうですか」

「あ、菖蒲!?ちょっと(みやび)さんも なんで平然としているのですか?」

お父様 (まこと)さまがお母様 雅さまにくってかかる

「それで?何が問題なのですか?結納ぐらいであなたが悩まないでしょう?」

「そうなのです・・・」

「ちょ、ちょっと待て 雅さんもまだ菖蒲は17歳ですよ 結納なんてよくないでしょう」

「私達の時も同じようなものでした」

「う!」

「それを菖蒲にいけないと言うのはおかしくありませんか?」

お父様は入り婿で山蕗家に入られた

代々山蕗家は女当主に家を継がせている

なので代々入り婿をもらっている家だ

なので実質、力をもっているのはお母様のほうで、そこが旧家とは違っているところだ

良くも悪くも常識人であるお父様がお母様によって撃沈させられた頃

「それで?問題はどこですか?」

我に変える

「はい、実は私が興味を持った男がいるのですがまったく歯がたたないのです」

雅はもちろん、真も驚いた表情をする

「山蕗に逆らったというのですか?」

「はい、まったく興味を持たなかったようで特に山蕗家を恐れた様子もありません」

「ふ~ん、興味深いな誰なんだい?」

雅を説得するのを諦めて回復した真が聞いてくる

「はい、前にお話にあがったのですが宮西零です」

「あの子か」

「宮西零といえば、学校に歩いて通学するあの子ですか?」

「はい、とても興味がわきました」









実際興味がとてもわいた

転校初日ーーー

転校する事たびに最初は大事だといつ薙刀の先生に言われているので、力をいれて教室に入ることにしている

しかし、力をいれるさじ加減も大切であまりやり過ぎるといくら鈍感な者でも気付いてしまう

だから、あくまで一瞬でそして誰にも悟られないように

今までそうしてきた

ーーーーなのに悟られたーーーー

悟られた事は恥でも何でもないが純粋に悟られたのが初めてだった だから驚いた 興味がわいた

そして、あの眼

あの眼に引き寄せられた

あの男を知りたいと思った

そして話してみたらどうだ

とても面白いし、まだはっきりとはわからないがそれなりの運動神経を持っているようだ しかしわからない事に何故か今までの体育の成績を見ても抜きん出た能力を持っているようには見えない

見えなかったが・・・

一緒に食べた時の瞬発力

ただものではない と感じた

その時のあの眼にも驚いた

教室の時とはまた違う鋭く戦い慣れた眼

背筋がゾクゾクした

鳥肌がたった

こんな緊張したのは初めてだったかもしれない

この男を欲しいと思った

捕まえてみせる とも誓った









「そんなにすごい子なのですか?」

「はい」

うわの空で返事をする

「ふむ、この結果を見る限り特別な過去はなさそうだし、菖蒲とも釣り合わないと思うがねぇ ただの変人じゃないのかい?」

「そうですね 勉学は出来るほうみたいですが、特に他が優れているところはなさそうですね 部活動にも入っていないようですしね」

お父様もお母様もわかっていない

あの男はただ者ではない

そこらへんの高校生とは違うということを

しかし今は反論出来ないので黙っておく

「しかし、菖蒲が選んだ男がどんなのか興味があるなあ」

「そうですね。宮西君ですか・・・」

不穏な笑い方をする

「お母様?」

「任せておきなさい菖蒲 私がこの子があなたと結ばれるように最大限努力します」

そこで楽しそうな笑い方をする

落ち着いてそうに見えてもお母様は以外に茶目っ気があり、時々吹っ飛んだ事をする

その性格をとても熟知しているお父様がたしなめにはいる

「雅さん、あまり強引な真似はよしなよ」

そういいながらも楽しそうだ

両親の微妙な表情の変化に菖蒲は気付かなかった




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