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天使憑き  作者: 夢籐真琴
39/104

蒼白い月の空を⑸

嵐の転入生来たにもかかわらず、午前中の授業をすべて寝て過ごした(隣が恐ろしい生徒にあるのにもかかわらずだ)零は(自分では暖房があったかいせいだと考えている)奈美達が恐る恐るやって来てご飯を一緒に食べようという誘いが来たので、腹が減っていたのは確かだったのでその誘いに乗ろうとした時

「宮西零」

鋭い声が隣から聞こえる

周りが一瞬で静かになる

零には鋭いではなく、どこか馴染みのある声だったが

「ふん?」

前と同じく中途半端な声を返す

「ちょっと付き合え」

「はい!?」

「昼食だ」

「いや、俺今からこいつらと」

3人を顎でさす

「い、いいえ大丈夫です ごゆっくりとしてください」

良太が慌てて言うとそれに奈美と美夏も首を縦に振って同意する

「おい、お前ら」

裏切った3人に呆れた眼をしていると

「そうか ありがとう」

お礼を言って手を掴まれる

(!?)

そのまま引きずられるような形で教室から引きずり出された









そのまま2人で歩く

零が抵抗をしないのを見て手を離したが菖蒲は元々目立ち過ぎてるし、零は零で変な目立ち方をしているのでこの2人が並んで歩くと注目度が半端ない

(あ~めんどくさい事になりそうだ)

日本美人の菖蒲の顔を見ながら歩く

(美人なんだけどな)

そんな事を不謹慎にも考えていると1つの教室につく

(ここは、入った事あったかな?)

本館の3階の1番端にある目立つ教室なのに入った事がない

(3階は専門の教室しかないからな)

納得して菖蒲を見ると窓際に歩いていった

何をするのかとどこか客観的な思いで見ていたが、

「宮西零」

「ふん?」

生返事を返す

「私と結納しないか?」

「はい!?」

一気に眼が覚める

自分の耳に異常がなければ変な言葉を聞いた気がするが

「だから、結納してくれと言った」

無表情のまま淡々と言われる

「いや、言ってる意味がよくわからないが」

「君は結納の意味が知らないのか?」

どこか驚いた顔で言われる

「いや、知ってる 知ってるけど」

「それなら何がわからないのだ?」

(いや、全てだろ)

いきなり相手から結納をしようと言われて驚かない人物は滅多にいないだろう いたらお目にかかりたいが それもまだ高校生の時にだ 戸惑った零だったが幸か不幸か零は普通の生徒(ごくごく普通で一般的な)ではなく、あっさりと

「丁重にお断りさせてもらいます」

これまた驚いた顔をされる

囁くように

「山蕗の誘いを断るとは…」

あえてその言葉を無視して

「もう御用がお有りでなければ帰らせてもらいたいのですが」

さっさと帰る準備lをする

「おい!待て せっかく昼食があるんだ 一緒に食べないか」

誘っている口調をしながらもどこか婀っぽい声を出される 普通の男ではあっさりとなびいたが、何回も繰り返すように零は普通の男ではない

「じゃあな」

「あいつ こういう声を出せば男はなびくと言ったのに・・・」

ブツブツと呟くように言っているのが微かに聞こえた

ドアに手をかけ開けようとすると

(!?)

すかさず、ドアの傍を離れて近くの机の上に飛び乗る


感じたのは殺気(・・)


それも朝教室で感じたものと同種のもの

気のせいかと無理矢理割り切っても何処か納得できなかった

しかし目の前にいる女から今度ははっきりとかんじる

手の中には剣がしまわれている

無論伸びてはおらず、まだ収納のものだが、襲ってきた段階でこいつを伸ばして撃退出来るだけの距離をとった

「やはりお前だったか」

菖蒲が気配を消して話しかけてくる

そして少し笑った

零の方は戦闘態勢を解かず、警戒した目線で菖蒲を見つめている

眼が銀色に光っている




薄明るい空から雪が落ちてくる

油断なく構えた零の眼はいつにない本気のものだった


「お前は()だ?」


2人の声が重なり雪へと溶けていった





最近体調の影響で途切れがちですが

頑張ります

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