蒼白い月の空を⑵
山蕗高校は山蕗村にあり、山蕗村は山に囲まれた山奥にある したがって、今の涼しく生活しやすい(寝やすい?)秋が終わると、次には雪の多く降るただの田舎の風景になる そんな風景にも惹かれて入学した零には最高の季節の1つであったが、教室は極寒の場所となる
山蕗高校は私立高校だ もちろん、授業料などが公立高校並だといっても寄付金が多い(これは建前上は自由だが、山蕗家に入ることになるので、基本は全員だす)
よって教室には暖房があるので、たいした苦労を味わうことはない
それ以外に山蕗高校には、ある特色がある それは前述した通り、日本古来の武道に力を入れているということだ 力があれば、あっさり推薦入学できるし、なにより武道場が大きくて広い その武道場が4つ、5つぐらいある これだけの武道場だけで既に普通の高校の面積に達してしまっている 田舎ということで面積が広く取れるのはもちろんだとしてもそれ以上に山蕗家の力が大きい
それと、前に天使らが鬼ごっこした時に各自が感じた通りこの山蕗高校の校舎は恐るべき広さを誇っている 大学にも勝る校舎の大きさだ 理由としては校舎内にも武道場があること、それ以外にも華道、茶道 etc…専用の大きな教室があり、軽く生徒数に見合わないだけの設備が充実している
教師数も多く、この学校には生徒数1人に1人の教師がつくといっても過言ではないというぐらいの教師数がいる 実際は校舎が大きすぎるために掃除をする人 用務員などに人員が割かれることになってはいるのだが、全員がれっきとした一流の教師達である
もう1つ高校にしては桁外れの物がある それは、対侵入者撃退装置である カメラは無数に張り巡らされている(生徒のプライバシーのために校内には一機もない)。教師数が多いため教師が警備員を兼ねて、校門の前に警備員待機所があり、もし中に侵入できたとしても、圧倒的な警備システム 窓ガラスは防弾ガラスでシャッターも2秒でしまることができる
これらの警備体制を組むのは、お嬢様様が多く在籍しており、親に安心をしてもらうためである
これらの理由から山蕗高校は全国でも類にみない有名な学校となっており、全国から我が娘&子を入学させたい と生徒数が集まってくるがそもそも交通の便があまり良くないのと、山蕗高校が生徒数をあまり取らないのが災いして生徒数はあまり増えなく、結局、山蕗家に近い者達の生徒が入学してくるようになる
その中で異例の入学をした零だった