日本家屋にて(天使目線)
ドロシーは家で残された渚と共にゲームを物色していた
「いろいろあるわね~迷うわ」
「天使さん・・・どこからそんなにゲームを持ってきたんですか?」
「う~ん?企業秘密よ」
絶句した渚を尻目に物色を再開させる
「そういや~兄貴どこいるんですかね?」
「知りたいの~?教えてあげるけど」
「いや別にそういう訳じゃ・・・」
ドロシーはほぼ毎日しているから強いのは当たり前になっているのは当たり前としても
それ以上の力を持っている兄妹である
無駄口を叩きながら2人とも手はものすごいスピードで動いている
You lost
「…」
「まだまだですね 修行がたりませんよ
出ないしてきてください」
言葉は丁寧でも内容が辛辣だ
グサ、グサと心にささる
そもそも、零と渚がわざと負ければゲームは無くなるかもしれないが零は天使に負ける事を良しとしないし、渚はわざと負ける事はいけないことだと、自身の剣道生活で日本人の心が叩き込まれているのでそう簡単に負ける事は無い
要するに2人とも負けず嫌いなだけではあるが・・・
(さて、あの子達はどこにいるのかしら?)
若干興味を持っていたドロシーは白銀の眼と同調して相手の居場所を探った
(へえ~大きな日本家屋ね)
そんな感想を抱きつつもゲームに集中する
「今度は負けないわよ」
「無駄な事はやめたほうがいいですよ」
「言うわね」
再びゲームを再開する
基本的に2人はゲームを始める前は文句を言うが始まってからは集中する
毎日新しいゲームがあるので2人とも暇つぶしにでも使っている
そんな時
頭の中の零との交信が切れた
(なんで?まさか)
こっちからも意思を飛ばすが反応が無くそのまま帰ってくる
(やられた?零に限って?)
しかし現に通信が繋がらない以上最悪のケースも考えないといけない
「どうしたんですか?天使さん」
手は止まっておりさっきと同じ画面映っている
「ごめん渚ちゃん 急用」
そのまま玄関に向かう
[サミさん零の場所掴めますか?]
サミに通信を飛ばす
[巳波町の端の日本家屋だ]
[了解 ありがとうございます]
早速そこへ向かおうとすると
[無理するなよ]
[わかってます]
こういう時に何も聞かないで教えてくれるのはとてもありがたい
おそらく零を襲った人物は自分との回線を切ったと思われる だからドロシーは零の居場所を掴まずサミに頼る事になった
一応その日本家屋を覗いて見ようとしたが魔法が通じなかった
(まさか結界が?)
結界を張ることのできる人物などこの周辺では聞いたことない 幾分顔を硬くしながら零の元へと急いだ
正門に立つ
(ここか・・・)
この中では魔法が使えなさそうなので結局力ずくで進まなくてはならないことになりそうだ
「仕方ないわね」
と言いつつ片手に剣を握って門を蹴り倒した
(いない)
焦りつつ捜索を続けるが人1人いない
実際はこの館に入るまでに20人程倒しているが中には人の気配がない
片っ端から襖を蹴り倒して行っているが誰もいない
(不気味ね うん?)
覗いてみた部屋の一つが気になった
何の変哲もない部屋だったが自分を信じて探っていった
「あった!」
思わず声を上げてしまった
ベタといえばベタだが掛軸の裏に抜け道があった
(こんなに本当にあるのね)
暗い道を進んでいった
お馴染みとなった襖蹴りを続けていると血の匂いを感じる その部屋を探り当て中に飛び込むと零の頭に拳銃を突きつけている男が見えた その拳銃を突きつけられている零は血だらけになっているのがわかる 青筋が立つのが自分でもわかった 攻撃しようとすると身体中真っ赤に染まっていた零が反撃をした これには飽きれた
(本当に不死身ね あなたは)
そんな事をボヤきつつ鳩尾に足を入れた
零の傷は思っていたよりも酷かった 立って反撃したのが不思議なくらいの傷だった 魔法で治して上げたいがそれをしたら自分と一緒に零まで傷つけられる それは避けたかった 仕方なく原始的な方法? 下界からみたら天才的な方法で零の傷を治していく
壁に寝かせてその寝顔をじーと見ていると
「天使?」
安心した
目の前で死なれるのは大嫌いだ
零を自分の巻き添えに合わすのは嫌だ
咄嗟に謝っていた 本心かた悪いと思った
そんなこんなを話していると零が目の前で縛られている男 (ドロシーがやったことだが)の処理をどうするか聞いてきた
個人的には殺してもいいかなと内心危ない事を考えていたが零の判断に任せることにした
自分の愛用の銃を放って渡す
正直零殺さないだろうと思っていた
傷つける程度だと思っていたが
あっさりと躊躇なく引き金を引いて男を殺した
(零・・・?)
人を殺したのに気負うことがない
(もしかして人を殺したことがあるの?)
それを考えたドロシーは自分の想像に戦慄した