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魔剣の君  作者: Blood orange
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目醒め

未だジャンヌは、目覚めぬまま、青の宮殿で眠りの住人となっている。

2人の王子達が、ジャンヌの左右の手を握りしめて、彼女の目覚めを今か今かと待っている。

雪豹のスノーは、そんな2人の王子よりも、この部屋の外の方に対して全身の毛を立てて威嚇するかの様に、うなっていた。


ガルルル・・・・・・!


漸く、王子達もスノーの威嚇の声で、その異変に気が付いた。

誰かが廊下を走って来る音がして来た。

それも1人ではない。5、6人だろうか。

ドアがイキナリ開けられると、バトラー伯爵が前触れもなく、この青の離宮にやって来たのだった。


伯爵は、ベッドに横たわっているジャンヌを見ると、すぐに2人の王子達を見た。


「これはこれは、アウグスト王子に、ディートリッヒ王子。ベンジャミン男爵から、事情を伺いましたので、こちらに来たのですが、一体ジャンヌ様は、どうなされたのですか?」


2人は、意外な人物の登場に、目で牽制する様にバトラー伯爵を見ると、2人は苦虫を噛み潰したような表情を一瞬だけすると、普通のにこやかな表情で会話をし始めた。


「私の離宮に、勝手に入って来るなり、あなたの失礼にもほどが有りますが? 今回は、どんな要件ですか? 事と次第に寄っては、どう言う事になるのか、判っているのですか?」


バトラー伯爵は、そんな2人の王子達に守られる様に、横たわっているジャンヌを見ていた。

彼が、懐から取り出した皮袋をスノーが、飛び付いて掠め取った。

突然、雪豹に手を掠られたバトラー伯爵は、驚愕のあまり腰を抜かした。

雪豹を見るなり、指を指すと「や、やはり、双子の王子は、この世界を滅ぼす。神の審判が下るぞ! 神の使いと言われている雪豹を此処に隠すなど、末恐ろしい!」そう言い出した。


アウグストが何か言おうとする前に、ディートリッヒが目で「黙っていろ」とアウグストにアイコンタクトをして来た。

皮袋を前足で踏んでいる雪豹が、白い光を放つと、大天使シェスラードの姿になった。

シェスラードの手の中には、バトラーが持っていた皮袋があった。

綺麗な眉を潜めながら、皮袋の中身を取り出すと其処には、虫鯨が入っていた。

しかも、ピンク色。

それを見たシェスラードは、バトラー伯爵に詰め寄った。


「随分と面白い物をこの離宮に持って来たものだな。 誰に頼まれたのだ? 」


バトラー伯爵は、口をパクパクさせると、何か言葉を発していた。

「そ、それは・・・・ウガァ‼」

突然、何者かの見えない力で首を締められたかの様に、もがき苦しみ出すと、口から泡を吹いて床に倒れた。バトラー伯爵と一緒にやって来た者達も、口から泡を吹いて床に倒れると、息絶えた。

彼等の姿は、ただの操り人形(マリオネット) となって床にバラバラになる様に砕けていた。


「「人形使い?」」


北の果て国ラグーニで、伝わる古来からの魔術ー だが、其れを操れる者は誰もいないと聞いたが・・・・。2人の頭の中では、過去に2人揃って受けた、ガゾロとガンマの魔術師の歴史を思い出していた。 ガゾロが言っていた滅びた魔術の一つに、人形使いと言う魔法があったが、それは遠い昔に禁止された魔術。その魔術書も、全て時の王に寄って燃やされたと言う。今では、その言葉さえも忘れられてしまった。なのに…なぜ、今になってこの恐ろしい魔術が復活するのだ!!⁇

2人は、顔を見合わせるとシェスラードの方を見た。


「貴方は何かご存知のはずではないのですか? シェスラード様!」


シェスラードは、ピンクの虫鯨を掌に乗せると、「今のお前の使命を果たせ」そう言うと虫鯨を羽ばたかさせた。

ピンクの虫鯨は、部屋の中を彷徨うと、ジャンヌの額にぺたりと貼りついた。

虫鯨の姿が溶ける様に消えると、ジャンヌが目を覚ました。


シェスラードは、2人にこのピンクの虫鯨は、ジャンヌを目覚めさせる為に来た。だが、次に出て来るピンクの虫鯨は、この世界を滅ぼす事も、栄えさせる事も出来る。全てはお前達次第だ。

その事だけ伝えると、シェスラードの姿は元の雪豹に戻った。

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