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魔剣の君  作者: Blood orange
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夢の中で③ 史実と事実

残酷な表現が入っています。

岩が幾つも重なって出来た小さな穴の中から、その光の波動は来ていた。切り立った純度の高いクリスタルの中には、蒼い魔石と赤い魔石、そして緑の魔石が入っていた。その三つの魔石を柄に治めた一本の剣があった。

柄には呪文が彫ってあり、『二つの力一つになりし時、我目覚めん』と記してある。王子達は、顔を見合わせると大天使シェスラードに一体どう言う事なのだと聞き出した。


「お前達は、歴史でクリシャーナ王女の事をどう習ったのだ?」


2人は顔を見合わせて、何故今更そんな事を聞いてくるのだろうかいう様な顔をして居た。


「クリシャーナ王女ですか? そうですね」


2人は言い難そうにシェスラードの顔を見ていた。


「大天使・・・あなたの怒りをかった父親の代わりに、自分の命を差し出したと教えられました。悲劇の姫君と語り継がれています」


大天使シェスラードの手がクリスタルに触れると、無色だったクリスタルが蒼く光り出すとある風景を映し出した。


「事実はいつも闇に葬られるのだな」


意外なシェスラードの言葉に驚いた2人は身を乗り出した。


「どういう事ですか? あなたの言い方では、史実は事実と異なると言いたいのですか?」


「ああ。そういう事になるな。話すよりも見た方がいいだろう。こんな風に」


  岩が幾つも重なって出来た小さな穴の中から、その光の波動は来ていた。切り立った純度の高いクリスタルの中には、蒼い魔石と赤い魔石、そして緑の魔石が入っていた。その三つの魔石を柄に治めた一本の剣があった。

柄には呪文が彫ってあり、『二つの力一つになりし時、我目覚めん』と記してある。王子達は、顔を見合わせると大天使シェスラードに一体どう言う事なのだと聞き出した。


大天使シェスラードは、クリスタルに封印されてしまった魔剣を愛おしそうに愛でると、2人に歴史書には書かれていない真実を見せる事にした。

大天使シェスラードの手がクリスタルに触れると、無色だったクリスタルが蒼く光り出すとある風景を映し出した。

 それは、クリシャーナ王女が産まれる以前の出来事だった。欲深い王は、自分の勢力を広げる為に全世界を手中に治めんと戦をし始めた。

初めの方は王の優勢だったが、他の小さな国々は互いに同盟を結び始めた為に、戦もとうとう劣勢になって来た。その時、あの欲深い王は隣の国に居たサラティーナ王女を攫って来ると側室として、子供を作らせたのだ。

その王女の家系は、代々金髪に銀色の瞳の子供が産まれると何でも願いが叶うと言う言い伝えがあったのだ。

それに目を付けた欲深い王は、自分の子供をその王女に産ませた。しかも思惑通りに金髪に銀色の双眸の子供が産まれるまでずっと。 側室との間に3人目の子供が出来た時に、ようやく王の願い通りの銀髪に金の双眸の娘が産まれた。見目麗しいその姫を王はとても可愛がった。

この王には妻達の間に6人の子供が産まれた。4男2女だった。

6人のうち、1人は途中で原因不明の流行病で死んだ。


2人はクリスタルに映る子供の姿が二人しか居ない事に気づく。


「シェスラード様。王子達が居ませんが、彼等はどうなったのですか?」


「・・・・あの王自ら、王子たちを生け贄にしたのだ。お前達も知って居るであろう悪名高き王の名を」


「「フレデリック クルイド三世・・・」」


歴史の教科書にも彼の名は残っている。一介の騎士だった男が生国の皇女と恋に落ち、その後王となった。だが、彼の戦は凄まじかった。フレデリックに寄って攻め落とされた国々は、例え王侯貴族であろうとも、奴隷同然の扱いだったと歴史書には記してあった。


眉を顰めたアウグスト王子とディートリッヒ王子はクリスタルを見つめていた。


「「生け贄...何故ですか?」」


「何故、創世記の時代に神が創造しなかった、“魔王”が どうしてフレデリック王の時代に突如として出現したのか分かるか?」


そう言われて見れば、創世記より前の時代には、魔王は存在しなかった。そうなると答えは推理せずとも自然と出て来るもの。


「「まさか..自分の力を強大な物にせんが為に、無垢な王子達を...まさか、そうなると魔王はフレデリック王自身となる.......じゃあ、クリシャーナ王女は..」」


「本来ならば、王子だったのだよ。だが、サラティーナ皇女はクリシャーナと名付けて、女として育てたのだ。もし、父王にクリシャーナが王子だと知られたら、これ迄の王子達と同じ様に生け贄としてフレデリック王に殺されるのは、目に見えていたからな。 しかも、最高の生け贄に」


願いが叶うと云われる金の髪に銀眼.....

始めに投稿していた物とは、違う物を書いてみました。

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