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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

美しい部屋、406号室

作者: 河内三比呂
掲載日:2026/02/01

読みに来て下さりありがとうございます。

こちら、ホラーのつもりで書いています。

苦手な方はご注意下さい。

 私が借りたのは、築年数は古いけれど……とても美しい部屋。

 美しいというのは、リノベーションされているのもあるが、そのデザインが美しいのだ。

 白基調とした壁面と最初から付いている赤いカーペットとカーテンが、とてもつなく美しい。

 おまけに、完全防音かつオートロックだと言うから驚きだ。

 さらに驚いたのは、ワンルームマンションとはいえ、これにプラスで風呂トイレ別だというのに、破格の四万円代。

 田舎なら別だろうが、都心かつ駅近でこれは破格にも程がある。

 私は、この部屋を気に入り即決して借りた。

 両親は心配そうにしていたけれど、借主の私が良いのだから気にしていない。

 そんなわけで、この部屋に合う家具を選びに選び抜いて意気揚々とその部屋に引っ越した。

 部屋番号は406。

 両親は気味悪がっていたけれど……この部屋の美しさが分からない事に、軽く失望すらした。

 そんなわけで、私の大学デビューをこの部屋と共に過ごす事になった。

 そう。

 私の人生は、この部屋ように赤い薔薇の如く煌めくはずだ――


 ✿


 夜。

 私は最近よくこの夢を見る。

 全てが赤い部屋の中央で、佇む赤いワンピースの黒髪ロングの女性。

 その女性が、私を見て微笑む。

 その微笑みも、赤い部屋も。

 全てが恐ろしい程美しくて……雰囲気に飲まれていく――


 ✿


 目が覚めて、まだ6時すぎである事に安堵しながら朝の日課に、紅茶を入れる。

 最近、赤い色の紅茶にはまっているのだ。

 そういえば、最近は赤い服も増えてきた気がする。

 赤色と言っても、いろんなバリエーションがあって奥深い。

 両親は何故か気味悪がっていたけれど、この部屋にふさわしい者になるためなのに、なにかおかしいのだろうか?

 入学時の友人達も、少し離れてきている気もするが、気のせいだろう。

 とにかく私は、この部屋にふさわしい美しい存在になる。

 そう、美しい()になる。

 赤に、赤に、赤に――

 あれ? 人間の血も赤色だったかもしれない。

 人間と言えば、今鏡の前にいる。

 そうだ、赤だ。

 赤は美しい。

 この部屋にふさわしい赤になればいいんだ。

 そうだ。

 今、この()を切り刻んで――

 

 ✿


 その後。

 彼女は遺体となって発見されたが、現場の状況から自殺と判断され部屋はクリーニングされた。

 清掃会社は慣れた様子で、血痕を隠すために、新しい赤いカーペットを引き直し、さらに違和感を無くすために赤いカーテンを設置する。

 清掃会社に入社したての若手社員の男性が、ベテランの男性社員に尋ねる。

 ――()()6年事に自殺者出てるってホントですか?

 ベテラン社員は、静かに唇に人差し指を当てると、それ以上何も口にさせなかった。

 この部屋についてこれ以上触れれば……自分が飲まれてしまうから。

 不気味なほど美しいこの部屋に――

最後まで読んで下さりありがとうございました。

こちら、事故物件を意識して書いてみた短編となります。

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