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開かないダンボール

サトシは引越しをした。

新たな土地に移る事により、

鬱屈した気分を晴らしたかったのだ。


この地は以前の地と違い、

自然が豊かで

人々もあくせくしていない。

時間そのものがゆっくりと

流れているかのようだ。


「荷物の整理でもするか」

山の様につまれた段ボールを開け始めた。


荷ほどきの作業も佳境に入ったころ、

一つの荷物が目にはいった。

大きさから見て段ボールだが、

この段ボールは

表面が見えない程に

ガムテープでグルグルと

巻かれていた。


「あれ?こんな段ボールあったかな?」

不思議に思いながらも、

この荷ほどきにかかっ た。

カッターを手に取り、

適当な箇所を裂いてゆく。


「さて、何をつめたのかな?」

ダンボールを開けようとした。

が、段ボールは開かなかった。


接着剤のたぐいは使っていない。

開閉口にあたるガムテープを

全て切ったにも関わらず、

何か目に見えない力で

固定されているかのように

開かなかった。


サトシは段ボールの側面を

中身が傷つかないように

丁寧に切り始 めた。


「これでいいだろう」

ダンボールは綺羅に輪切りにされた。

これで中を見れる。

そのはずだった。


「あかないっ!」

何度確認してもダンボールは輪切りになっている。

それでも開かなかった。


サトシはイライラしてきた。

ダンボールを持ち上げると床に叩きつけた。

鈍い音が響く。


ダンボールは床と接触した部分がへこんでいる。

もう一度開こうとした。

でも、開かなかった。


サトシは、今度はライターを手に取り火をつけた……



そして、

3ヶ月後。


ダンボールは砂漠の真ん中に置かれ、

核兵器の標的になっていた。


そのはる上空の宇宙では、UFO に乗った宇宙人が話をしていた。


「ここの星の連中はダメだな」

「まれに見る凶暴性だ」

「自分の理解の及ばないものを理解するために、攻撃をするんだからな」

「あーあ、核兵器まで使ってますよ」

「こんな奴らとは対話は望めない」

「母星に『駆除 対象 』と送信しました」

「では次に行こうか」


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