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五話 個人Sランクアンキー

「よっしゃー!!」


 あれから数日経った日、俺は家の中で喜んでいた。

最終選考に合格してついに俺はVダンになれるのだ。

結構忙しく、今日には事務所に行かなければならない。

 俺の家の周りは自分の庭があるだけ、隣の家なんて数キロ先にある。だから家でどんなにも騒いでも近所迷惑にはならない。

 別に時間がかかってなにも問題がないからゆったりと帰っているのだが…今回は急いでいかないと…。


 事務所がある都市についてから昼ごはんを食べることを決めて走って向かう。ダンジョン以外で魔法を使うのはSランクの特権なので俺は付与をして向かってもいいがそんなことはしない。だって魔法をかけて走って人とあたると人が吹き飛ぶからだ。安全上で使っていない。


 途中の町で見たことがある人を発見したので声をかけることにした。


「シハイルさん、おはよう」


「ええ、おはよう、黒遼さんも事務所に?」


「ああ、ついでに食事でもあっちで済まそうと思ってな」


「私も同じこと…一緒にいきません?」


「いいけど…」


 今までこんな美少女と一緒に行ったことがないから緊張する。

シハイルさんと向かうことになった。


「黒遼さんは…」


「ん?」


 向かっている途中にシハイルさんに走りながら話しかけられる。


「クローって名前で活動していました?」


 クロー…あー、そういえば付与師でCランクなのはクローしかいないんだったな。


「いや、違うぞ、クローは『嵐の王』を所属してAランクダンジョンを潜っていたと聞いたことがあるから、俺の時はBランクダンジョンだったから」


「そうですか」


 表情が変わらないから…俺の話を嘘だと思っているのかわからない。


「…違ったのかな?」


「ん?シハイルさん何か言った?」


 風の音によってなにを言っているか聞き取れなかった。


「いえ、なにも、そうだ、私も着いてから食事する予定だったんですけど、一緒にしませんか?」


「うーん」


 シハイルさんと交流、コミニュケーションをとって四人で集まった時の気まずい感じなくすなら一緒にするべきなんだろうが…俺は知り合いの店で食おうときていたからな…そうだ、


「いいけど、俺の知り合いの店で食事する予定だったからそこでもいい?」


「もちろん、何屋さんなんですか?」


「着いてからのお楽しみ」


「教えてくださいよー、もう」


 シハイルさんは少し頬を膨れさせた。俺にとっては美しい絵の作品にしか見えなかった。


「美しい…」


「なに言ってるんですか、口説いても無駄ですからね」


「いや、口説くわけないだろ、これからのVダンの同期にそんなことしたら俺、やばい人だからな」


「そうですね…男性が一人だから私たち三人をいやらしい目で見ているかと思っていました」


「そう見ようと思えばできるけど、さっき言った通り同期にそんなことして不祥事がおきる方がいやだからな」


「…」


 あれ?シハイルさん急に黙ってどうしたんだろ?

まぁ、いいか。






「ここだ」


 事務所がある都市に着いたのでシハイルさんを知り合いの店へと案内する。

 路地裏のお店、というのが正解で閑古鳥が鳴いてそうに見ているだろうな。

 俺は店に入るとシハイルさんも続いて入店する。


「いらっしゃい、って黒遼と、あんたの彼女?」


「そんなわけあるか、普通に考えて俺に彼女ができると思うか?」


「思わない」


 ですよねー、わかっていた。自覚していたけど悲しいものは悲しいな。


「黒遼さん、この方は?」


 シハイルさんは気まずいのか恐る恐る聞いてくる、


「ああ、こいつは俺の知り合いの個人Sランクのアンキーだよ」


「え?!アンキーさんなんですか?!」


 さすがに知っているのか、アンキーはリトウのことでリトウは普段は受付として働いているが時々こうして店で働いているのだ。


「ああ、とりあえず席に案内しようか」


 席に案内されると、


「黒遼はいつもどおり?」


「ああ」


「そう、貴女は決まったら教えてね」


 そう言い去っていった。

シハイルさんは深呼吸をしている、Sランクの人と会ったらそうなるよね、俺もSランクなんですけどね(;ω;)。


「なにかおススメでもあります?」


 シハイルさんはメニュー表を見ながら聞いてくる。ここは正直に答えた方がいいのか?


「当たりはずれがないのなら無難にステーキとかかな」


「当たりはずれ?」


「そう、その店は一部の料理が日に日に味が変わっていくんだよ」


「たとえば?」


「メニュー表に載っていると思うけど、マンドラゴの野菜炒めとか」


「なるほど、つまり魔物の系ということですね?」


「ああ、そういうこと」


「ならいつもどおりというのは?」


「竜のステーキとか、いろいろ」


「へぇ、じゃあ、私はナイトバァファローのハンバーグとオレンジジュースにします」


「了解、アンキー聞こえたな?」


「もちろん」


 アンキーから返事が返ってくる。実はSランクの人のほとんどは固有能力持ちなのだ、リトウは聴覚を強化する力があるのではないかと考えている。俺にも固有能力があるが普段は使わないようにしている。


「お待たせ黒遼の方からね」


「ん」


 エンシェントドラゴンのステーキとコンポタージュが置かれる。


「次、貴女ね」


 シハイルさんの前にシハイルさんが頼んだものが置かれる。お会計はすぐに済まそうか。


「アンキー、これで会計してお釣りはいらない」


「いつもどおりね」


 俺からお金をもらうとアンキーはどこかいった。

シハイルさんは明らかに不満そうにしている。


「どうしたんだ?」


「いや、あ、美味しい」


 俺も食いますか。いつもと変わらなく美味しかった。




「じゃあ、向かいましょうか」


「ああ」


 お店から出て事務所に向かうことにした。

事務所でどんな話を聞くのだろうか。

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