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十八話 魔王にやってしまう知紀

「さすがに危ないしこれで配信終われば?」


「そうだね…じゃあみんな見てくれてありがとうねー!」


『気になることあるけど…おつかれ、高橋あとで聞くからな』

『俺も気になるし聞こう』

『高橋…聞くからな』

『え?Cランクじゃないでしょ?…阿波岡さきす』


 そうして配信を終わらした。


「さて、シハイルさんはもう帰っておいていいよ」


「あなたは?」


「強化されている元凶を潰しに行く」


「勝てるの?」


「ああ、勝てるさ」


 ここでシハイルさんを帰らせないといけない…強化されている元凶の魔王を倒しにいきますなんて誰が言えるんだよ。


「だから、その元凶を倒せば元の難易度に戻るから、運営に伝えておいてくれない?」


「わかった、頑張って…報酬がまだ渡せてないから」


「わ、わかっている、そのために絶対死なねえから!」


「き、急にやる気だしているな…じゃあ」


「ああ、じゃあな」


 シハイルさんは入口に向かって戻っていった。これでよし、ここからは最下層までレッツラゴー!



「『階層ワープ』」


 俺は一瞬で最下層に着く…『階層ワープ』は他のダンジョンで最大でいけた階層までいけるというワープだ、つまり一度攻略が終わったダンジョンを設定としたら最下層までいけるということだ。


 明らかに魔王っていう気配があるな。

俺は魔王の気配がある部屋を覗いてみると、いた。

銀の長髪の後ろ姿が見える。

 俺はその部屋に入ると、魔王が振り返る、


「ここまで来たのか…すごいな…」


 まさかの…女性だったのだ!


「なんだと…」


 非常にショックだ、銀髪愛好家として戦えるわけがない。


「なんで…男性じゃねぇんだよ!!!」


「なぜ切れているんだ?もしかして私が女性だからか、手加減をしてしまうのか…ならば私から行かせてもらおう」


 こんなシハイルさんとは違った銀髪の似合い方をしていて、傷つけれるわけがない。ダメだ。

 俺は四つん這いになる。


「え?なに四つん這いになっているの?」


 魔王は攻撃するのをやめ、近づいてくる。


「ウゥ…なんだ…なんだよ…ウゥヴゥ」


「泣いてやがる」


 シハイルさんの銀髪の似合い方を美を題材にしたような絵だとしたら、魔王の銀髪の似合い方は美を追求した像なのだ…無理だ、像は傷つけられない。


「どうした?話してみろ」


 魔王が優しく話かけてくる。


「だって美を追求した像に傷なんてつけられないじゃん…」


「なにを言っているんだ?」


 俺はわかっている、この魔王を倒せばダンジョンが元通りになることは…しかし銀髪好きにとってそれは最もおしいことである。つまり俺は究極の選択に迫られているのだ。


「そうか、しかたないが死んでもらおう…『クロスフレア』」


 魔王は俺に向かって魔法を放ってくる。

ん?まてよ?魔王をここから連れ出したら万事解決じゃん!天才だは俺は…しかしどうやって連れ出そうか…無理矢理でいいか、最近溜まっているし…


「なっ!」


 俺は魔王の背後に周り、押し倒す。

わー、シハイルさんと違った魅力もあるなー、シハイルさんは同期だから、そんな目で見れないけど魔王なら問題ない。(^ν^)


「なにをするのだ!?」


「いやいや、少しね」


「なぜ、笑顔なんだ?!答えろ!」


「これから、わかるから」


「えっ!ちょっと待って!あっ」


「戦いにおいて、待つことなんてないよね?」


「戦いじゃないだろ、これは!」






 それから数時間して、俺は魔王を説得できた、いやー、スッキリした。


「もうお嫁にいけない…グスン」


 魔王は悲しんでいた。俺はそっと魔王の手を触れる。そして俺と魔王は俺の自宅の前に立っていた。


「え?なにをした?」


「俺の自宅に帰ってきただけども?あ、そうだ、これから魔王にはこの家に住んでもらうことにするから」


「は?なんでだ?」


「当たり前じゃん、他に隠れる場所ないでしょ?」


「うぐぐ、その通りだ…」


 俺と魔王は家にいった、


「ここが家の中か…」


 俺が運営とシハイルさんに元に戻ったことを連絡している隙に魔王は家の中を物色していたようだ。


「そうだ、設定としては親戚の子にしておくから」


「わかった」


「あとは、名前だな、黒遼麻姫ごりょうあさひなんてどうだ?」


「それでいい、もうお嫁にいけないから、ここにずっといることになるのだが問題ないよな?」


「もちろんってか、むしろ居てくださいだからな」


「そうか、ならこれからよろしくな」


「ああ…逃げだしたりするなよ?もう一度するからな?」


「わかった、絶対に逃げださないからしないで」


「えぇー、どうしよかな」


それにしてもそれほど、あれがいやなのか。

 そうして魔王は黒遼麻姫として住むことになった。



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