閑話 クローの新年
今日は大晦日か…お、配信しているな。
俺は海川白の配信を見ることにした。
「ってわけで今日は皆さんとカウントダウンをしましょう、イェーイ!」
海川白はイェーイ!などするキャラではないからか、明らかに恥ずかしがっていることがわかる。
『恥ずかしがっている、かわいい』
『こんなかわいい人と新年を迎えられることはなんて嬉しいことか』
『それな』
その通りだ、しかし俺はまだ夢であるSランクには届いてない…だからか『嵐の王』に入ってから二年も経っているが一度として集まってパーティーなんてすることはない。だって、それぞれの目標のためだけに入ったのだから…情はいらないのだ。
だから俺はこうして配信を見れているのだ。
「ちょっと、恥ずかしいのは事実ですけど…かわいいはダメ…」
最近デビューした海川白はまだ褒められることに慣れてないのか恥ずかしがっている。
『なんだ、この可愛い生き物は?!』
『捕獲せよ!』
『了解!』
『wwなにしてるんだ、俺が捕獲するんだ』
『俺だ!』
コメ欄はなにをしているんだ?でも面白いからいいか。
こうして誰かと年を越せることはいいことだな。だから俺はまた年を越せるようにSランクに早くなろうか。
よし、年越し蕎麦の準備でもするか。
俺は台所に立った。
「これでよし」
パソコンの横に蕎麦を置いて食べていく。
もうそろそろで新年を迎えるのだからコメ欄はいつに増して愉快だ。
「3.2.1、おめでとー、新年明けましておめでとうございます!イェーイ!」
『イェーイ!』
『あけおめ』
『あけおめ』
『今年もよろしく』
俺はそのタイミングで蕎麦を食べ終わる。
ふぅ…夜の蕎麦もいいものだ。
これから頑張っていくぞー!
そう気持ちを再確認したのだった。




