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十六話 魂の器

 伊原スタノの配信はルッキングスナイパーのランク戦をしているみたいで、頑張っているみたいだ。やったことがない俺からするとどこまでスタノがすごいのかわからないがコメ欄はスタノのことを褒めているのですごいのだろう。


「うーん」


 やっていないので魅力がいまいちわからない俺は配信を聞きつつ、魔王との戦闘について考える。

 そもそも魔王がどんな攻撃をしてくるのか無知であるのだ…だから自分が出せる最高火力で倒すしかない。

 ならこの武器の出番になるのか…。

パソコンの横に短刀が現れる。これは俺の固有能力によるものではないが、この武器は俺は『魂の器』と呼んでいる。なぜならこの武器の強度は持ち主の心の強さで変わるのだ…そしてこの武器が壊された時、それは持ち主の人格が破壊されることと同じで廃人になってしまうのだ。


 この武器でなら魔王を倒せるかもしれない、だって俺はこの武器でSランクになったんだから。


「ここまで見てくれてありがとう!じゃあまた」


 お、伊原スタノの配信が終わってしまった。いつか俺もルッキングスナイパーをしてみようかな。


 マイナスリ・ドールの配信までは三時間ほどあるので昼食をとることにした。

 今日も自分で作らないといけないな…もう定番のオムライスでいいか。

 自宅からスーパーまで距離があるのでため買いしているのだ。


 さくっと作り、そして昼食を済ました。

そして万が一のことを考えて一度死んでも蘇り、自宅のリビングにリスポーン場所を設置する。


「これでいいか」


 俺はマイナスリ・ドールの配信の三十分前に『小竜どもの跡地』に向かうことにした。


「あれ?シハイルさんー」


 『小竜どもの跡地』に着くとシハイルさんがいた。どうしたのだろう?


「あ、黒遼さん、こんにちは、ダンジョンでの配信ができるか心配で…」


「こんにちは…確かに心配だよねー」


「あれ?黒遼さんはしたことがあるんですか?」


「ああ、もちろん」


 『嵐の王』がダンジョンの攻略の様子を何度か配信した時、準備はクローがしていたので慣れている。


「なら、確認してください」


「了解」


 俺はシハイルさんが配信できるのか確認する。


「これもよし、いけると思うよ」


「ありがとうございます、そうだ、万が一のことを考えて来ましたよね?なんでですか?」


 うぐぅ…魔王というワードを出したらシハイルさんどんな反応をするのかなっていけないいけない、なにか言えることはないのか?うーん…


「黙りますか、危なくなったら助けてくださいよ?」


「ああ、もちろん」


 ただ、俺が助けた時、コメ欄がどうなるか見ものだな。


「じゃあ、一階層の入口まで行きましょう」


「ああ」



 シハイルさんについていき、俺はダンジョンの入口で呆けていると…


「はいでは、こんにちは、ノーヘル所属の三期生のマイナスリ・ドールです、今回はEランクダンジョン『小竜どもの跡地』の3階層まで行きたいと思います」


『危険じゃない?』

『Eランクのダンジョンでも結構しんどいよ』

『今日が最後の配信ではないことを望む』


「もしもの場合の人がいるから大丈夫、あと勝手に殺そうとするな…」


 そうしてマイナスリ・ドールの配信が始まった。


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