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十五話 阿波岡さきすにスパチャと魔王の居場所

「ふわぁ〜」


 俺は呑気にあくびをして起きる。

今日は午後からEランクダンジョンの『未来の研究者』で2階層まで配信する気だ。

 阿波岡さきすと伊原スタノは午前でゲームなどをする予定で、俺とマイナスリ・ドールは午後からダンジョンで配信することを決めている。


 阿波岡さきすの配信に入りながら朝食を食べていると…


『起きてますか?』


 シハイルさんから連絡がくる。あー、そういえば互いに連絡できるように全員と連絡先を交換していたな。


『起きたばかりだけどね』


『なら今、魚井さんが歌を歌っているので私たちがスパチャしたら気づくかやりません?』


『いいですね、やりましょう』


 シハイルさんも悪よのー。俺は歌を歌っている阿波岡さきすにスパチャをする。


『おはー、歌を聞けて良いでーす…高橋ノウン¥10000』

『同じくおはよう、ドールだよ…マイナスリ・ドール¥5000』


「え?!」


 ちょうど間奏の時だったので驚いている。


『同期二人がきている?』

『本物だー!』

『仲間外れはいやなので…伊原スタノ¥2500』

『ww』


「三人スパチャありがとうって、なにか仕掛けてる??」


『ここまでタイミングが良ければ確認犯だな』

『慌ててるさきすかわいい』

『それな』

『三期生全員がきてるw』


「えっーって歌わないと」


 さきすは間奏が終わったこともあり歌う。


『イエイ』

『よしよし』

『そうだ…三期生全員のグループはあるけど、三人のもの作らない?』

『いいね』


 俺はグループを作り、シハイルさんと水守さんを誘う。


『ナイス』

『グッチョブ』

『反応している面白いですね』

『それな』



 それから阿波岡さきすの配信は一時間ほどで終わった。

伊原スタノはどんな配信をしてくるのだろうか?

そんな楽しみにしながら俺は魔王について調べることにした。




「あまり、目立った情報はないな…一度リゼミのところに行くか…」


 俺はリゼミがいる換金所に仮面をつけて向かう。


「あら、クローじゃない?どうした?」


 リトウが話しかけてくる。わかっているだろうに。


「リゼミはいるか?」


「ええ、上にいるわ」


「そうか」


 俺は上に向かい、とある部屋に入ると、


「あら、クローどうしたの?」


 リゼミは俺がきたことに驚いた様子で、事務作業をしているようだ。


「少し聞きたいことがあってきた」


「なに?もしかして恋愛の話?」


「は?」


「リトウがこの前、あなたがお店の訪れた時に一緒にいた娘に恋したんでしょ?」


「一発殴ればいいか?痛いぞ?」


「女性にそんなことするなんてひどいわね」


「はいはい」


 俺は座り、真剣な眼差しでリゼミを見る。


「結構、大事?」


「そうかもな、魔王について聞きにきた」


「あんた、その情報をどこで?!」


 リゼミは作業をやめ、こちらの方をみる。


「どこぞの脱走者が捕まる前に会ってな、クローだと気づいていなかったが、こういってきたよ『クローに言ってくれ…魔王がやってくると…』ってな。これはどういうことだ?」


「まさか…フラックが知っていたというのか…じゃあ脱走した理由は…「間違いない、クローがSランクだと知ったからだろうな、で?アンキーも知っているだろう?」


「いや、魔王が来る可能性があるとしか、でも魔王のことを知ってどうする気なの?Vダンになったんでしょ?ならそういったことはしない方が…「俺は決めたから…同期のためなら自分のことなんてどうだっていい、あと俺はSランクだぜ?ならそんなことで動じないだろう?」


「これがSランクのクローね…わかったわ、魔王について話すわ、まず魔王がいる場所を言うわ」


 どこだろう?Aランク以上のダンジョンの最下層か?

俺は集中して聞く。


「Eランクのダンジョン…『小竜どもの跡地』だわ」


「なに?」


 嘘だろ?そこはノーヘル運営が管理しているはず、なぜだ?あ、あの時からか。


「そのダンジョンの隠し部屋に潜んでいるみたいよ」


「それは俺がクローを辞める時からか?」


「よく、わかったわね」


「ああ、なんとなくな」


 なぜあの時、竜に会ったか、わかった。魔王がいるからだ、魔王がいるダンジョンは強化されるのだ。午後からシハイルさんが行くダンジョンだ…どうする?まともにシハイルさんに話しても難しいなら…シハイルさんと一緒に潜ることを提案するしかない。


「ありがとう、他の情報は送ってくれ…では」


 俺は窓を開けて飛び出す。

そして次の瞬間自宅の前にいた。自宅に入り、シハイルさんに連絡する。


『シハイルさん』

『なに?』

『今日の午後一緒に潜りません?』

『なぜかしら?』

『ほら、小竜どもの跡地に選考の時に行った時、竜が現れていたですし…』

『でも運営の人は最近は現れなくなっているって言っていたし』


 マジか…運営の人たちは魔王がいることを知らないんだ!しかし俺如きでどうこうできる話ではないはずだ。


『いや、なんとなく嫌な気配がしたもので、もしも場合のためですかね…その時自分は映らないようにしておきますし…』

『なにか隠してそうだけど…わかったわ…』

『すみませんね』

『とりあいず配信時間の五分前までには着いておいて』

『了解』


なんとか同行できる。精神的に疲れた。あ、伊原スタノの配信が始まってしまったな。

 俺は伊原スタノの配信に入ることにした。


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