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ヘタレ女子中学生の部活  作者: お猫様の下僕
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 みんなー、未咲ちゃんと楽しい部活の時間だよっ♪タイヘンだけど頑張っていこー!おー!

 ………このノリ疲れるんだけど。いい加減にしろや作者。

  

 君って随分な猫被りだよね、嫌いじゃないよ、そーゆーの。後このノリ好きだしまたやるかも。


 ふざけんなし、あとお前に好かれてもキモいだけなんだけど、大体お前女じゃん。好かれるなら佐藤先輩がいい。


 はいはい、メタイ発言は控えてね。それじゃあ、バイバーイ。


 …っさ、部活ですね。えっ作者がいた?なんの事でしょうか?知りませんね、えぇきっと幻覚でしょう。


 それは置いといて、いつものトレーニングをこなします。出していませんでしたが、発声練習もします。今日も山田先生が鬼畜です。


 そんなこんなでパート別練習ですね。私は2階に向かいます。チューバと譜面台を持って階段を上がるのにも慣れて来ました。まだ少し転けそうになりますけ…

 ガシャーン!!


 「どうした!?」


 「大丈夫!?未咲!」


 ……えっと、今何があったのでしょう。階段で倒れている私とチューバ、投げられた譜面台があります。あぁコケてしまいました。どうしましょう、怒られてしまいます。先輩方が集まって来ました。


 「大丈夫?ケガは無い?」


 周りからそんな優しい声が聞こえます。私は震えながら答えます。


 「私は大丈夫ですけど、チューバが…」

 

 「チューバはいい!未咲がケガするよりずっといい!」


 そんな筈は有りません。私は放って置けば治りますけど楽器は違いますから。どうしましょう、どうしましょう。怒られてしまいます。身体が勝手に震えます。すると先輩の一人が

 

 「落ち着いて、大丈夫、大丈夫。」


 と宥めてくれます。震えは次第に収まっていきました。

 

 「落ち着いたみたいだね。頑張れる?」


 「はい。ありがとうございます。」


 「良かった。無理はしないでね。」


 「はい。」


 そんなやり取りをした後、先輩は去って行きました。他の人もいつの間にか居なくなっていました。


 教室に着くと先輩方が何があったのか聞いて来ます。私は転んでしまいました。と短く答えて練習を始めます。その日は結局練習に身が入りませんでした。



     家にて


 私は引き出しから彫刻刀を取り出しました。私はその刃先を手首に宛て、切り裂きました。手首から滲む血を無感動に眺めます。何処か遠い他人事の様な痛みが私に生きている事を告げます。

今日の出来事の罪悪感がほんの少し薄れた気がしました。


 その感覚をもっと感じたくて私は何度も手首を切り裂きました。いつの間にか手首には痛々しい痕が無数に出来ていました。


 「あ~あ、またやっちゃった。まぁいっか。」


 私は痛む傷跡を握り布団に潜り込みました。

山田先生…吹奏楽部の顧問。生徒からは裏でヤクザと呼ばれている。担当科目は数学。



 これはリストカットを推奨したものではありません。

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