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労い

 私とシヴァは毎日工房を立ち上げる為の準備に忙殺された。


(おかしい。子供達を助けに行ったはずなのにどうしてこうなった?

・・・私のせいか。いや、でも魔王様の思いつきに振り回されてる気がする)


 私とラーソンはともかく、シヴァは完全にとばっちりを食らった形だ。

 人間の動向を見張るだけなら何名か派遣するだけで良かったはずだ。

 しかし魔王様は、より深く探る為に真っ当な商売をするという手段を選んだ。

 そして清々しいくらい勢い良く私達に丸投げしてきた。

 おかげでシヴァは必要な設備やコストの試算を洗い出すのに四苦八苦している。

 慣れない作業ながら真摯に取り組んでいる姿は尊敬できる。

 だけど準備段階でこれでは、実際に運営するとなるともっと大変じゃないかと心配になった。


(ああ、「起業準備の方法」とか「個人経営を始める人が読む本」とかハウツー本を差し入れしてあげたい。でもそうなると私が読んでやらないといけないのか。

3ページくらいで眠る自信あるわ)


 私に出来るのはシヴァの好物を作って(ねぎら)う事くらいだ。

 シヴァに食べさせる為、試作もかねて菓子を焼いた。


「頭を使うと甘い物が食べたくなるでしょ?そろそろ一休みしたら?

 あと商品の味を知る為にもこれから毎日味見してもらう事になるわよ」


 そう言って菓子とお茶を持って行くと、書類とにらめっこしていたシヴァは顔を上げてふわりと笑った。


「ああ、それは役得だな。そんな楽しみがあるなら任務を頑張れそうだ」


(よせ、そんな顔で見るな。ときめいちゃうじゃないか)


 残念なイケメンのままでいいのに。

 そうじゃないと・・・困る。

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― 新着の感想 ―
[一言] このギャップに給仕たちはやられちゃうのね納得
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