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第1章の1
4月。冬の寒さが薄れつつ春の匂いが鼻を擽ってくる。
今日は4月6日。中学の入学式がある日だ。
化粧や服装をビシッと決めている姿の両親と小学5年に進学した妹の凛と4人で食卓を囲む光景に思わず動きが止まり、『あの時の神様は本物だったのか』。と思わず言葉に出そうになりながらもそこはポーカーフェイスを決め込んだ。
「お兄ちゃん今日から中学生だね!」
「そーだな。」
「圭吾も今日からまた新たな人生の第一歩を踏み出すんだからもっと元気よくしなさい。」
「はいよー。」
会話が単調だったのかお母さんが不思議そうに首を斜めにかしげる。
「圭吾、どこか体調悪いの?」
「!?。う、ううん!大丈夫!緊張してただけだから。」
「そう。なら良かった。あ、そーいえば、、、」
「あ!もう時間だから行く!」
思わず図星になりそうな話の流れを強引に断ち切り俺は他の生徒よりも早く学校に行くことにした。
登校中に自分が子供の頃の記憶を頼りにどんな子供だったかを思い出そうとしても一度社会に出て性格をねじ曲げられた人間である俺には純粋無垢な子供に戻れる事は不可能じゃないかと色々考えているうちに懐かしの中学にたどり着いた。
「とりあえず落ち着いて生活しよ。」
そう言って俺は早く着きすぎた学校で1人玄関横の椅子に座って先生が来るのを待つことにした。




