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J’aimerais rencontrer simplement.ーただ会いたくてー  作者: ハル
prologueープロローグー
1/2

prologueー1

ーずっと昔のお話ー



薄暗い部屋で月光とランプだけが私達を照らす

幼き二つの美しい薄紫

その綺麗な薄紫が頬を落ちる

人離れしたその綺麗な顔立ちから無邪気な笑顔がこぼれる



「ねぇ、お姉ちゃんっ!」


「ん?なあに?」


私は、この笑顔に癒され暖かみを感じる


すると彼女は嬉しそうに

「このねぇー【Destin(うんめい)】読んで!ていうか一緒に読もう!」


「……うん分かった」


私はペラペラとページをめくり

深呼吸をして、ぽつぽつ…と読み始める



【昔あるところに美しいエルフの王女様と最強種族と呼ばれた王様がおりました。


大変二人は仲が良く、国民に大変愛され、信頼されてきました。


そんな二人に2つの奇跡が舞い降りてきました。双子の赤ちゃんを授かったのです。それから二人は………………ずっーと愛されて育った…とさ】


本を閉じる頃には隣にいる彼女は静かに寝息をたてている


そこで私はほっと胸を撫で下ろす

「寝たのね、良かった

このお話…いや全ての…結末が決してハッピーエンドだとはかぎらない……」


ランプを消し、月明かりだけが艶やかに薄紫を照らす


そして私は布団に潜り込む

二人の結末が頭の中を鮮明によぎる


目を閉じてもたくさん溢れて止まらない涙

拭いても拭いても止まらない


枕をギュッと握りしめ

隣にいる彼女に聞こえないように

必死に声を押し殺して泣いた



閉ざされた悪夢が始まる

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