高校生探偵
ただいま
数学赤点ギリギリ(≧∇≦)/イエイ
「あの時の。」
ミカは昨日の下っ端との戦闘(ep2参照)の時に目の前にいる男と会っていた。
「はい、鳴海倫太郎といいます。私立探偵やってます!」
鳴海と名乗ったその少年は蛍光灯の光に照らされて、顔がはっきりよく見えた。
「……昨日あいつらに連れて行かれそうになってた。」
ミカの言葉に、鳴海は苦笑いを浮かべた。
「いやあ、違うんですよ。誘い出された方のご家族から捜索依頼を頼まれましてね。……で、調査してたらここのことが分かって、でも武装集団が多いんですよね。自分武術とかはからっきしで。なのでまず自分から向こうの組織に捕まえられて、潜入しようと思ったんです。出る方法ならいくらでも思いつきましたし。」
鳴海はあっさりと述べる。
簡単そうに言っているが、中々規格外なことだ。
ルシファーのサイバー班が総出で何日もかけて行ったアジトの特定を彼はたった一人でやってのけた。
……何者なんだコイツ。
ミカは彼の些細な表情の変化を読み取ったのか、話題を変えた。
「それにしても、お姉さんすごいフリフリな衣装着てますね。コスプレイヤー? 武器まで持って……真剣ですか?」
鳴海はミカの腰の重くて重厚なそれに目を向けている。
「さっきここに来るまでに見えたんですよ。派手に破壊された大根? と、こてんぱんになっていたおそらく主犯の男……あなたがあれを?」
質問の多い人だ、とミカは思った。
勝手にこちらの領域に入り込んでくる。
「……知ったところで、あなたに何の得が。」
声のトーンを低くして、淡々と返事をする。
優しい声の鳴海とは反対に、抑揚が弱かった。
「いやだって、目の前に武器持って立ってる人がいるんですよ。気になりますし、危ないじゃないですか。銃刀法違反ですよ。それに……」
鳴海は天井を指した。
「そんな狭い廊下なら、それは振り回せないでしょう。」
鳴海が腕を降ろす。
「やましいことがなかったら、教えてくださいよ〜。」
その目は、はっきりとミカを捕らえて逃さなかった。
(面倒だ……)
ルシファーは一般的に世間には公開されていない。義賊的な組織なのだ。
もし自分たちの存在が知れ渡れば、絶対に混乱を招く。
それに野次馬が来るし、居場所がバレれば狙いにやってくる奴もいる。
鳴海はここにのこしながらミカの返事を待っている。
こんな奴に構う必要はない。
ミカはきびすを返し、蛍光灯のない方へ走り出した。
「ええ!??」
鳴海はまたたく間に走り去っていくミカに手を伸ばしたが、追いつけないと悟り、ガクンと腕をおろす。
「うーん……面倒なことになったなあ」
* * *
本当にこの研究所は外から見た時より遥かに広く、入り組んでいる。
なかなか出口まで辿り着けない。
ミカは研究室みたいな部屋に出てきた。
とはいえ、ミカの記憶の中にある学校の理科室より色々な機材が置いてある。
やたらとパーツの多い顕微鏡や、乾燥したマンドラゴラみたいなのも転がっている。
そこで足を止め、後ろを振り返る。
所詮は一般的人。
ミカほどの足の速さはついていけまい。
しかし、この建物相変わらず薄暗い。
早くここから脱出して、店長と合流しよう。
ミカは出口へ向かって走り出した。
しかし、予想外な事態が起こった。
「多分ここだと思うんだよな……」
軽いスライドドアを開け、鳴海がひょこっと顔をのぞかせた。
ミカはぎょっとして身構える。
「ああ、いたいた、よかった!」
後手でドアを閉め、鳴海は独り言のように呟いた。
てくてくと歩いてミカに近づいてくる。
「……ついてきたの?」
ミカは後方に2、3歩引いた。
「まさかそんな! ここの設計図はフロアマップには頭に叩き込んであるので。あの場所から移動するとしたらここかなって。で、あとは近道を通ってここに。」
普通じゃないことをしれっと説明する人だ。
ミカは悔しそうに顔をゆがめた。
ポシェットから拳銃型のキーホルダーをとり出し、シェイクして実体化させる。
中指でくるくる回し、その銃口を鳴海に向けた。
鳴海は流石にひるんだ。
「そんな風に武器を……? え、待ってください、本気で撃つ気で……うわあ!?」
ミカは反射的に頭を抱えてうずくまった。
ミカは弾ガンの後に続いて走り出す。
角椅子を踏み台に机に飛び乗り、走り抜ける。
弾丸は鳴海の頭の遥か上を音速で通り過ぎ、鉄製の壁に酷く鈍くて大きい音をたてる。
それと同時に机からとび降り、鳴海の背後にまわる。
ミカよりワンテンポ遅くふり返る鳴海を横目に、ミカは扉までかけ寄り、扉を勢いよくスライドさせ、部屋の外に勢いよくとび出した。
……が、急に視界が半転し、地面に倒れ伏す。
何が起こったというのか。
足首が痛い。
「貴女みたいな人ならこれくらい突破できると思っていました。なので、入る前に罠を設置させてもらいました。丁度足首に引っかかりそうなところに。」
鳴海が説明しながらミカに近づいてくる。
「急に逃げ出されると、ますます怪しくなるじゃないですか」
鳴海がゆっくりとミカの側でしゃがみ込む。
「話してくれますよね。」
ミカは、ルシファーのことやエンジェルのことを他者に話すことだけは避けてきた。
根掘り葉掘り聞いてくるやつも嫌いだった。
……こいつは信用ならない。
ミカは足を挙げ、思いきり鳴海の腹を蹴り飛ばした。
あまりに速い出来事だったため、鳴海は反応できなかった。
壁に背中を打ち、腹をおさえて苦しむ。
ミカは銃を天井へ向け、連射する。
瓦礫が2人の間に降ってきて、鳴海の視界をさえぎった。
埃が舞い、鳴海は咄嗟に腕で目を覆う。
「惜しかったね、探偵さん。」
……謎のメイド少女はいなくなっていた。
* * *
「そんなことが……」
翌朝、ミカはアイに昨晩の報告をした。
「ルシファーについて聞き出しをしていて、顔も見られている……それにその情報収集能力……ここも嗅ぎ回ってそうね。分かった、用心しておくわ。ありがとうね、ミカちゃん。」
朝のニュースでは、昨日のマンドラゴラ研究所のニュースについてもちきりだった。
大根スズシロは逮捕され、被害者も安全の確保がとれ次第帰れるそうだ。
もちろん、ルシファーやアイ、ミカのことは一切触れられていない。
いくら大根が警察にそのことを説明しようと、誰も信じないだろう。
……それにしても昨日の男。鳴海倫太郎とかいう。
彼は優しそうにふるまおうとはしていたが、単身であの施設に乗り込み、武器を持っている相手に質問攻めをしてきた。
ミカは掃除用具入れから徐にモップを取り出し、フロアに向かった。
……武器も持っていないような人間相手に、あそこまで苦戦したのが悔しかった。
* * *
大根スズシロが逮捕されてから数日後。
鳴海は探偵道具の調達のため、学校帰りにショッピングモールに寄った。
白のカーディガンに緑色のネクタイ、黒いスラックスという普通の学生服だ。靴はいつもと同じ緑のラインの入った白スニーカー。
大きな黄色い看板の手芸専門店で、白い手縫い用の糸を2個手に取り、レジに並ぶ。
おつりを財布にしまって、糸はポケットにつっこんだ。
今日は探偵事務所の掃除をしよう、などと考えながらエスカレーターに乗る。
やけに外が騒がしいな、とぼんやり考えた直後、ものすごい爆音がして、フロア全体が激しく揺れた。
鳴海はよろめいて手すりにつかまった。
揺れがおさまると、鳴海はすでに止まったエスカレーターをかけ降りて、一階の筒抜けの広場に出た。
あたりの人達はざわついていた。
鳴海は煙のあがる最上階を見上げた。
また事件の始まる予感がした。
あとがき
タダで敵陣に乗り込もうとしたところをミカに助けられたため、鳴海くんは新幹線代だけシャレにならないかったという。
鳴海くんどう考えても男だしとっくに声変わりも終わってるはずなのに最近やってる某魔法少女ノADVのせいで脳内CVが柊◯花なの誰かなんとかして。なんならセリフも引っ張られてやしないか!?……引っ張られてるな……。
……あの人男子高校生役くらいならできないかな(←底辺小説家がなんかほざいてら)
もえもえエンジェルのメイド服のスカートは特殊な技術が使われていて、どんな座り方をしようがどこから覗こうが絶対にスカートの中が見えない謎仕様になってます。逆立ちしたってめくれません。
あという描写できるか分かりませんが一応この世界は10月初旬頃を想定しています。理由はできとう。
キャラクタープロフィール:鳴海倫太郎
名前: 鳴海倫太郎
年齢: 16歳 / 高校2年生
身長: 168cm
部活: 帰宅部
誕生日: 2月2日
星座: みずがめ座
血液型: O型
家族構成: 父(警視総監)、母(産婦人科の医者)
趣味: 探偵業
特技: 暗記
得意科目: 公共
好きな食べ物: スイートポテト
詳細: 高校生探偵をやっている。誰に対しても笑顔で接し、敬語で話す。根は温厚で、正義感が強い。小学生の時にiPad窃盗事件を解決して以降、頭角を現し出す。捜査はアナログ派。
Type-004
「ルシファー」設立当初からある拳銃。Typeシリーズの中で一番扱いやすい。ミカもルシファー加入初期にはよく使っていた。




