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最強のメイド

大根づくしの3話です。


作者 これでも過去最速更新

アクション監督の弟 最近呪術廻戦にハマっている。

 松木は不気味な空間で目が覚めた。

 あいちゃんから逃げて、みかりんのことを考えながら帰路について……それからの記憶がない。

 背中に当たるコンクリートがひんやりしていて気持ちがいい。

 が、自分の家にこんな薄暗い空間はない。

 考えられる可能性としては、「自分のストーカーが自分をさらってしまった」というケース。

 それは松木にとってなんとしてでも避けたいケースだった。

 一途なのは嫌いじゃないが、自分にはみかりんという心に決めた女性がいる。

 なんとか説得してここから出してもらわねばならない。

 丁度よくコツーン、コツーンと足音がゆっくり近づいてくるのが聞こえた。

 松木はできる限り猫なで声で話しだす。

「Hey!お嬢ちゃん、そこにいるんだろう?」

「は?」

 返ってきたのは、明らかに女性のものではない男の声だった。

 それでも松木は構わず続ける。

「僕の魅力にまどわされてしまった気持ちは分かる!だけれど、僕には愛する人がいるんだ。君の気持ちには……」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 男が慌てて松木を静止させる。

 松木は拘束されていてあまり体を動かすことはできないが、頑張って男の声のする方へ顔を向けた。

「何を勘違いしているか分からないが、私はマンドラゴラに人生を捧げた身である……」

「は?」

 松木はさっきの男と同じ反応であった。

 最初何を言っているのか分からなかった。

 松木は「こいつ変なやつだ」と思った。

「君はマンドラゴラを知らないか?ナス科に属する有毒植物で、人の形に似た根を持ち、引き抜くと悲鳴をあげ、聞くと死ぬとも言われているのだ。」

 火がついたように男は語り出す。オタク気質なのかもしれない。

 この松木ですら話す隙がない。

 男は体を動かしながらマンドラゴラの素晴らしさ(?)について延々と語っている。暗くても分かるほど興奮している。

「……という訳で、キミには私の素晴らしい実験につきあってもらう。光栄に思ってくれ」

 ひと通り喋り終わった後、男はそう言い出した。

 松木が長話に疲れていたときだった。

 「実験」という単語に体が身震いした。

 その男は怪しい笑みを浮かべ、こちらを見ていた。


***


 ミカはアイと一緒に白い大きな箱みたいな施設の入り口付近で身を隠していた。

 関東郊外の、山の中の、林の奥だった。

 ハイキング用の道の入り口からは遥かに離れている。

 アイちゃんから報告を受けてから丸1日。

 2人は今、連続誘拐事件の犯人のアジトとおぼしき場所に乗り込もうとしていた。

「松本さんを連れ去るなんて……アイちゃん許さないんだからね!」

 アイちゃんはほおを膨らませてぷりぷりしている。

 ミカはそんなアイちゃんを冷ややかな目で見つつ、すぐに入り口に目を戻した。

 幸い、警備は薄そうだ。

 今ならいけるかもしれない。

 アイちゃんと目くばせをして、茂みから飛び出す。

 禍々しい四角い入り口を抜ける。

 白いコンクリートの廊下がどこまでも続いていた。

 ミカはスカートを翻しながら走り出した。

 後ろからアイちゃんもスカートの裾を持ち上げて走ってくる。

 突然廊下全体が赤く点滅し出し、耳をつんざくようなサイレンがあたりに鳴り響く。

 振り返るとすでに入り口は閉鎖されており、左右の壁の隠し扉から、白衣を着た男女がメカメカしい武器を片手に現れてきた。

 店長とミカはスカート背中合わせで構える。

「流石に一筋縄では行かせてもらえませんよね。」

 ミカがぼそっと呟く。

「ここは私に任せて」

 アイちゃんが背中のミカに呼びかける。

「でも……」

 ミカがためらうが、アイちゃんはウインクで目配せした。

ミカは構えていた双剣を降ろし、廊下を駆け出していく。

 施設の職員が銃口をミカに向け、連射する。

 ミカは涼しい顔で双剣で流れるように銃口を斬った。

 あまりに剣の動きが見れなかった。

 職員は呆気にその光景を見ていた。

 たった一人の少女が走っただけでこんなに風が巻き起こるのかと思った。

 ミカは広い空間に出てきた。

 床は固く、複雑な幾何学模様が書かれている。

 天井は外が見える時には想像も出来ないほど高く、筒抜けになっている。

 上にミカのいる広間を一眺できる場所がある。

「ここまで来るとは大したものですね……」

 ブーツの足音が静かな空間に響く。

 白衣を着た男がその特等席に出てきた。

「……誰ですか?」

 ミカが警戒しながら問う。

「私は大根おおねスズシロ。このマンドラゴラ研究所の所長を務めております。」

 大根と名乗るその男はご丁寧におじぎをした。

「マンドラゴラ……?抜いたら悲鳴をあげて、死ぬやつ?」

 双剣のさやを握る手が少しゆるんだ。

「その通り。話が早くて助かります。」

 大根はニヤリと笑い、早口で語り出した。

「我らはあの素晴らしい植物に魅せられ、この施設を建てました。しかし、まあ、調べれば調べるほど興味深い生物でしてね……」

 オタク気質なのかな、とミカは考えていた。

 松本さんにしろ、店長にしろ、ミカはどうしてもこのオタクのノリには合わせられない。

 あまりに長くなりそうだったので、ミカは無理矢理切り上げる。

「あなたが連続誘拐事件の犯人なんですか?」

 だいぶ距離があるので声を張りあげて大根を問いつめる。

「ああ……彼らのことですね。彼らは尊い犠牲となってもらうのですよ。マンドラゴラの人体実験用として、ね」

 ミカにはそれで十分だった。

 大根は卑しい笑みをうかべる。

「君は斬らねばならぬ存在のようだ。」

 ミカは右手の剣の先を大根に向ける。

 その眼はまっすぐ、悪を見つめていた。

 大根はテンプレのような高笑いを見せた。

「貴女の相手はこちらです」

 大根が指をならすと、空間が地響きを起こし出した。

 剣をかまえながら周囲を見回す。

 地響きは強くなり、変な模様の床がミカの目の前で裂け始めた。

 後ろへ数歩下がる。

 床が開き、中から灰色の台が現れた。

 そしてその中央に鎮座しているものに目がいく。

 それは天井につくのではないかと思うほど巨大だった。

 ダイコンのような人型の何か。

 胴体が太いが、2本の脚(ここも大根)でしっかりと支えられている。

 頭からは葉っぱがモサモサとついている。

 あまりのトリッキーな姿にミカが唖然としていると、大根が勝ち誇った様子で説明し出してくれた。

「これは私が開発したマンドラゴラ型戦闘用ロボ……やってしまいなさい!」

 大根が指をさすと、ダイコンロボは激しい咆哮をあげ、ミカにパンチをしかけてきた。

 すかさずミカはジャンプでよける。

 風圧でダイコンロボの頭上まで吹っ飛んだ。

 空中で体制をとりながら、双剣をキーホルダー状の形態に戻してポシェットにしまう。

 そしてまた別のキーホルダーを取り出し、軽く振る。

 それはミカの身長ほどある大剣に変化した。

 ミカはその矛先を大根ロボに向ける。

「しま……っ!」

 大根がフェンスから身を乗り出して言う。

 勢いよくミカは落下していき、大根ロボの右腕を叩き斬った。

 大剣の遠心力で宙返りをして、ダイコンロボと間合いの取れる場所に着地する。

 大剣を右肩に乗せ、構える。

 ダイコンロボはゆっくりと動き出し、のっしのっしと腕がなくなったものともせず、向かってくる。

 ロボなら何らかのエラーは起きるだろうと思っていたミカにとって少し驚くことだった。

 なら、中央を叩くしかない。

 地面を蹴って、走り出す。

 ダイコンロボが攻撃してくるより先に胴体に大剣を突きたて、胴体を一気に駆け上がる。

 キレイに一本線を引いて、ミカはロボの頭をけって再び宙にとんだ。

 真っ二つにしようと思っていたのだが、やはり固い。

 どうしたものかと降下しながら考えていた。するとミカは遠目に何か気づいたような顔をした。

 そのすきをついてロボが左腕でミカの胴体をつかむ。

 大剣がミカの手から落ち、鈍い音をたてて、地面に突き刺さった。

「しまったー」

 あまりに感情のない台詞に、大根は思わずふき出した。

「よくもまあ最期までそんな顔ができるものですね。もう貴女もここまでです。ダイコンロボ、やっておしまいなさい」

 ロボがゆっくりとミカをつかんでいる腕をあげる。

 地面に叩きつける気なのだろう。

「三流の悪役が言いそうなセリフですね。」

 ミカが喋り出した。

 大根は眉を吊り上げた。

「誰かを犠牲にして成すことに何の値打ちがあるんですか。」

 ミカの強く、真っ直ぐな目が大根を見つめる。

 大根は少し逆上したように命令する。

「何を馬鹿なことを。ダイコンロボ、早くしなさい!」

 ロボが雄叫びをあげ、腕をより高く上げた。

 大根は再び不敵な笑みを浮かべた。

 だが、それもほんのひとときだった。

 広い空間に轟くように、打撃音が響き渡った。

 暴風が吹き荒れる。

 衝撃波でミカを掴んでいたダイコンロボの腕にヒビが入り、二の腕からもぎ取れた。

 ミカは落下する中、体中に力を入れ、ダイコンロボの腕を粉砕する。

 ひざをついて着地し、ダイコンロボを見上げる。

 ダイコンロボの腹には、ぽっかりと大きな穴があいており、白いフィルムから、機械の銅線なんかがみえている。

 ダイコンロボはうめき声をあげ、その場にへたりこんだ。

 髪が風ではためいた。

「な……に……?」

 大根は先ほどの勢いはどこへやら、その場にへたりこんでいた。

「ミカちゃーん♡おくれちゃった、ごめんねー」

 暗闇から店長……アイちゃんが女の子走りで駆け寄ってくる。

 両手には鎖を持ち、ゴツい鉄球が後ろからずるずると引きずられている。

「あと、誘拐された人たちも見つけたわ!全員無事よ!」

 アイちゃんはコンコロボ越しにミカに伝えた。

「あ、ってことは松木さんをまだ無事か探してくるわね!とどめよろしく〜♡」

 それだけ言い残し、アイちゃんは来た道を戻って行ってしまった。

 大根は「何だったんだ……」という顔をして過ぎ去っていくアイちゃんを見ていた。

「メイドの土産に教えてあげましょう。」

 いつの間にかミカが大根の隣に立っていた。

 大根は「ひっ!?」と小さく悲鳴をあげ、後ずさりした。

 ミカを見上げる。

「彼女はもえもえエンジェルの最強のメイド。会えただけでも光栄に思えてよ」

 照明に双剣の剣先が照らされていた。

 松木は実験室のような空間に閉じ込められていた。

 アイちゃんとミカが入ってきたとき、松木は嬉しさと、おどろきの入り混じった顔をみせた。

「なんでみかりんと店長さんが!?」

 松本にしては妥当な反応だ。

「いや……たまたま発見したんで……」

 ミカは無表情で返す。

 隣にはアイちゃんが満面の笑みで立っている。

「そうか……2人が僕のために……サンキューです。みかりん、店長さん」

 松木が素直に礼を言う。

「松木さーん!」

 アイちゃんが松木に抱きつく。

「やっぱムリ!たすけてみかりーん!!」

 松木が涙声で叫んだ。

 ミカはわざとらしく溜め息をついた。

「店長……。」

 アイちゃんはそれで松木から離れ、ミカの側による。

 松木はアイちゃんが離れて安堵していた。

 ミカはアイの耳元にささやく。

「大根スズシロはさっきの場所でのびてます。警察に連絡をして、皆を安全な場所へ。私は施設内部を見てきます。」

 アイちゃんは無言でうなずいた。

「松本さん、アイちゃんと一緒に避難してください。」

 松木はすごくショックを受けていた。

「えっ……みかりんと一緒じゃないの?」

「いいですね?」

 ミカに圧をかけられ、松木はしゅんとした。

 その後、松木はアイちゃんに連れられ、廊下の向こうへ歩いて行った。

 蛍光灯の光の外に2人が見えなくなってから、ミカは反対側へと歩き出すべくふと後ろを振り返った。

……男が1人立っていた。

 大根や他の研究員とは違い、白衣を着ていない。

紺のパーカーに白いダボッとしたTシャツ、カーキ色のカーゴパンツというカジュアルな格好だ。

「またお会いしましたね。」

 男はそう切り出した。

 ミカはその声に聞き覚えがあった。

「先日助けていただいた、高校生探偵です。」

えっマンドラゴラってナス科なの?ダイコンの仲間じゃないの?

学年末試験始まる前に書いちゃおうと思って頑張った。この後数学の宿題ある。タシュケテ…

松木が好きです。もっと彼のことが知りたい。ひと段落ついたらお前の掘り下げやってやるからな待ってろよ。

ついでに言うと大根スズシロも好きです。ep1に出てきた御冷ガリーも。彼らをただのざまぁで終わらせたくない。この作品の目標である「敵も味方も変なやつ」を示してくれているキャラクター。いつか必ず再登場させます。

次回の更新はテスト後です。まだプロットすらできていない。タスケテ


〈突然の武器&キャラクター紹介コーナー〜設定凝ってるアニメ好き〜〉

Type-153。

今回(ep3)でミカが使用した大剣の武器。でかい。重い。そして強い。

あまり活躍させてあげられなくて申し訳ない。

今回は相手が悪かった。


Type-007

アイちゃんが今回(ep3)使用したトゲのついた鉄球。

ついているチェーン(鎖)でふり回して使う。反対側に斧はついていない。

遠距離用。本当に重い。


アイ/あいちゃん 本名(???)

年齢:28歳

身長:180cm

誕生日:4月4日

星座:牡羊座

血液型:B型

誕生日:4月4日

星座:牡羊座

血液型:B型

家族構成:父(美容師)母(化粧品店の店員) もう1人立ちしてる

趣味:メイク、おしゃれ

特技:ネイル

好きな食べ物:スイーツ全般

「もえもえエンジェル」の店長。男性のような体格と顔つきだが、常にフリフリのメイド服を着ており、女子力が高い。好みのタイプは「メイド喫茶にハマりそうな男子」。

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