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ダークヒーロー爆誕

拙い点が多々あるかと思われますが、生温かい目で見て頂けると幸いです。


原案 ずっと面倒見てくれた友達

バトルシーン監督 ほぼ運命共同体だと(一方的に)思ってる弟

構成 おかん

こう書くと実はなんもやってないんじゃないかと思えてくる作者

高層ビルが立ち並ぶ街。

 駅を出て大通りに出る。灰色のアスファルトを、大きな広告たちを頭上に歩いていったその先。

 淡いピンクのリボンと白のレースで入り口が可愛らしく装飾されたその店は、カフェ「もえもエンジェル」。いわゆるメイドカフェだ。

 デコラティブな入り口をくぐると、ピンクとハートと少女たちの、フワフワとした綿あめのような空間が広がっている。パステルカラーの風船やステッカーがあちこちに配置され、壁も含めてどこもカラフルだが、不思議と目が疲れるような感じではない。

 調度品やカトラリーはなかなかに上質なものが使用されており、提供される飲み物も料理も一定レベル以上である。

 だが、このカフェの最も特異な点は、そこに足を踏み入れたが最後、並の男はいわずもがな、誰もがあっという間に「使用人」たちの虜になってしまうことである。

「おかえりなさいませ、ご主人様!」

 可憐な容姿、立ち居振る舞いのメイドたちが、「ご主人様」一人一人の「帰宅」を歓迎してくれる。可憐が過ぎて、下心を通り越して逆に浄化されそうである。

 そんなメイドたちの中、No.1メイドの地位を得ているのは、「みかちゃん」と呼ばれている少女。明るく可愛くファンシーなカフェにぴったりのフワフワした少女…ではなく、その空間に全く不似合いな、無口で無表情な少女である。服も、ロングスカート、長袖、立ち襟、ヴィクトリアンスタイルのクラシカルなメイド服だ。

 笑顔を母親の腹の中に忘れてきたのではないかというくらいの愛想の無さは、Mっ気のあるご主人様に絶大な人気を誇るだけでなく、特殊性癖を持つ人々だけにとどまらない人気は、誰もが目を奪われる容姿の為だ。ライトブラウンのボブカットに、違和感を感じさせないピンクのメッシュ。理想的なアーモンドアイ、瞳は、角度によってか光の加減によってか、時々ガーネットのように赤く光って見える。白磁器のような滑らかな肌。やや高めの背、すらりとした体型。類を見ない美人なのである。


 そう、そこは、素敵なメイドさんたちに給仕されながら、一時の非日常を楽しむ素敵なカフェ…


 …というのは実は表の顔で。


『もえもエンジェル』からそう遠くない港。

 散らかった空き缶に月明かりが乱反射してキラキラと辺りを照らし、まるで舞台のようだ。

 その舞台の真ん中を、ハイヒールが地面と奏でる硬質な音を響かせて歩く者がいた。潮風にスカートがなびく。

 人影は、もえもエンジェルの「ミカ」。

 赤く光る瞳が行く方向を見つめている。夜に紛れる黒いメイド服は動きやすい短さに変わっているが、靴のヒールは昼間よりも高くなっている。腰には、黒いポーチのようなものが装着されていた。

 ミカは迷うことなく大きな倉庫の中に入った。

 中では男が1人座って札束を数えていた。人の気配を感じ取ったのか、ゆっくりと振り返る。

御冷おひやガリーさん、貴方が条約で禁止されているジンベエザメを一万匹密輸入したことは調べがついています。」男に、ミカは静かに告げた。

 御冷ガリーと呼ばれた男は、面倒臭そうに立ち上がる。

「誰だか知らないが、ここまで来れたことは褒めてやろう。だが、俺の計画を邪魔してもらっちゃあ困る。野郎共、やってしまえ!」

 御冷の背後から、コンテナの影から、サングラスにスーツの男たちが現れ、ミカを取り囲んだ。

 ミカが腰の黒い装備に手を触れた瞬間、彼女の手に双剣が握られた。

 ミカは双剣をくるりと翻すと、1人に急接近して発砲しようとしたその手の銃を叩き斬った。

 何が起こったのか誰も見えなかった。金属が擦れる音がしただけだった。

 銃が爆発する。男は悲鳴をあげて倒れた。

 男たちが動揺している間に、ミカは次々と自分を狙う拳銃を捌いていった。

 それは階段の踊り場を曲がる時の様な、自然な動きだった。軽やかな足どりと爆風でスカートがなびく。

 男たちは爆発に巻き込まれ次々と倒れていった。焦げた匂いがあたりに漂うが、メイドの純白のエプロンにはすすのかけらも、返り血ひとつついていない。

 ナイフを持つ男たちは怯んだものの、忠義の為か金の為か分からないが、束になってメイドに襲い掛かった。

 ミカは涼しい顔でひらりとかわすと剣を腰のポーチにしまった。

 そしてポシェットからストラップを指に引っ掛けて小さな折りたたみ傘のような物を取り出すと、まじないをかける様に上下に振った。

 するとそれが光を帯びてヌルヌルと巨大化した。

 光が止むと、ミカの手にはピンクの可愛らしい傘が握られている。

 慣れた手つきで傘を肩に添え、体を捩じる。

「上手くひとかたまりになってくれて助かります。」

 女は傘の先端を、先頭の男の胸元に向けた。男はミカの一挙一動に一瞬謎のトキメキを覚えたが、それはすぐに恐怖に変わった。

 傘の先端が赤い光を放っていた。光はミカの瞳をいっそう赤く輝かせた。

 ミカが傘を回すと、光の散弾が逃げようとした男たちを襲った。激しい爆発音と閃光が轟いた。

 御冷はその様子を呆然と眺めていた。   

 煙が晴れると、黒いハイヒールの下に折り重なるスーツの男たちと、無表情に立つメイド服の少女の姿があった。

 傘は収納したのか、再び双剣を手にゆっくりと上品な足どりで近づいてくる。

 怖気づいた御冷は尻もちをつき、後退りしながら叫ぶ。

「何なんだ、お前は一体なんなんだ!」

 御冷の背中が冷えたコンクリートの壁にぶつかる。

 もう逃げ場がなくなった御冷との距離をつめていく。ミカは僅かに表情を動かし、冷たい笑みを浮かべて言った。

「冥土の土産に教えてあげましょう。私は最強のメイド。悪いことを考えるご主人様は、私がお世話させていただきます。」

 紅の瞳を持つ女が、刃を振り下ろした。


「ーーー昨夜、ジンベエザメの密輸事件で指名手配されていた御冷ガリーとその部下と思われる数十名が火傷や切り傷を負った状態で、港の倉庫で発見されました。重軽傷を負っていますが、命に別状はないとのことです。犯人はフカヒレ目的と供述しており…」

 ニュースがビルの壁面に設置された大きなスクリーンに映されている。

 人々が立ち止まって見上げる中、クラシカルなロングスカートのメイド服を来た少女がメイドカフェの割引券を配り歩いていた。

 「みかちゃん」はニュースをチラリと見ると、人混みの中に紛れていった。


 ーーー法に触れるタイプの悪いことをしたご主人様は、ご覚悟なさってくださいね。


友達から原案の話されたのは随分前なのになんか色々迷走してたら半年ぐらい経ってました。

ちょっとダークな子ども向けアニメ・マンガが好きなのでそれ路線です。

小説家になろうで書くのが夢だったので叶えたことになりますね。

御冷ガリーという名前は原案が出された半年前頃に行った回転寿司の冷水機前で思いつきました。回転寿司の1番好きなネタはミルフィーユです。

運が良ければ続ける気なので応援してください。

コメントオフにしてるのでテレパシーで。

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