131話 【SPECIAL】 高校生たちの東藤町コンサート
ある人と再会…
今日は東藤の里というレジャー施設で演奏会だ。様々な高校の吹奏楽部が一堂に介するらしい。
「昨日も、遅くまで練習してたんだね?」
優月は、グレープを食べながら誰かに言う。紙のように柔らかく、歯ごたえのある生地がクセになる。
「…はい。大変でした」
それは、國井孔愛だった。彼はトランペット奏者で、中学から吹部経験者だったが、トランペットの技術はまだまだで、OGの雨久に教わっていた。
「…ふふ、じゃあ、今日は大丈夫なの?」
「ギリギリですね」
普段から彼は、井土から指導を食らっているので、それはそうなのかもしれない。
「僕も、大変だよ」
優月も優月で大変そうだ。
「え、タンバリンって簡単じゃないんですか?」
すると、孔愛はそう言った。
「…うーん、簡単には簡単だけど…、皆が注目してくれるような演奏の仕方をしなきゃいけないからね」
「…ああ」
「僕の奏者理念は、自分と同様、相手の心を盛り上げることだから」
「それは素晴らしいですね」
「へへ…」
だからこそ井土に言われたことも、すぐに実行に移せるのだ。
「あ、孔愛君、そろそろ戻る?」
「はい!」
そして自身たちの控えテントへ向け、ふたり静かに歩き出した。
「てか、筝馬は?」
そこで、途中で孔愛が言う。
「え、筝馬君は弟くんに、会いに行くって言ってたよ」
「あ~、そう言えばそうだった!」
少し忘れっぽいんだな、と優月は笑みをこぼした。すると孔愛が、
「身内が来るって良いっすね」
と言った。
「えー、身内かぁ。緊張しない?市営の時とか、緊張でミスるかと思ったぁ」
「あははは。言うてボク、親と仲悪いんで緊張しませんけど」
「仲悪いんだ。意外」
「ふふ、先輩は身内来るんですか?」
「…身内は来ない。でも近所の人とかは来てくれる」
「へー」
そんな会話をしていると、誰かに手をふられた。
「沢原さん」
優月はそれだけ言って、小さく手を振る。
「沢原さん?」
「うん。僕の家の隣に住んでる人。よくお世話になってるんだ」
沢原とは、少し年を食った親戚のような人だ。雅永の親友で、小さい時に優月の世話を何度か、引き受けていたらしい。
そんな優月は、あまり自身の身内や家庭、人間関係を話したりはしない。それは、部活と関係ないものだと割り切っているからだ。
「沢原さんね、僕のファンみたいなの。1年の春isポップン祭に、来てくれたみたいでね。それ以降は応援してくれるんだ」
「へぇ、意外です」
「まぁ、最近は会ってないんだけどね…」
家が近いと言えど、あまり会うことは無いのだが。それでも、たまに本番へ足を運んで見てくれる。
(まぁ、沢原さんにバケツドラムを教わった…とは言えないけど)
すると、筝馬が手を降ってきた。
「先輩、今、茂華高校です」
「え、美玖音ちゃん!?」
改めて数学のお礼をしたい優月は、演奏を見に行くことにした。
美玖音は、パーカッションセットを演奏していた。チャイナシンバルとスタンドシンバルを往復している。
相当な技術を有している彼女は、即興のアドリブも難なくこなす。創作能力の高い優月は、即興のアドリブをこなすこともできるけど、それは中々できることではない。
「やっぱ、うまいっすねえ」
「ああ」
孔愛と筝馬は賞賛していた。
美玖音のことをよく知る優月も、それは同感だった。きっと何処ぞのウラ奏者より上手いに違いない。
そんな実力評価をしていると、あっという間に別の高校へと移った。
『皆さん、こんにちは!御浦高校でーす!』
御浦高校は相当な人数がいるのだが、今日は人数が少ない。どうやら2年生だけらしい。
ドラムの軽やかなリズムに乗るように、ベルからメロディーが飛び出す。陽気なポップスが、青空へ弾けたのだった。
「…あぁ、どの高校も上手いな」
筝馬が言う。彼も段々と実力が付いてきた。それは、優月の教えもあるのだが。
「ゆゆー、久遠!」
御浦高校が終わると、ゆなに呼ばれた。
「すぐに楽器の準備すっよ」
「あ、うん」
「分かりましたー」
ふたりは、即座に楽器を組み立て始めた。それでも経験の差で、筝馬が組み立てるより、優月の方が何倍も早かった。
「…他パートも、時間ないから手伝え〜」
すると、ゆながオーボエのリードを噛むむつみ達へそう言った。
「はあ!?ゆゆと久遠がいるでしょー?」
「いや、ゆゆに限っては、ボルトの締め付けがあめーから」
「んな…、自分で直しなさいよ」
そんな騒がしい彼女たちに、
「少し静かにしてー。演奏始まるから」
井土が注意した。
確かに今から冬馬高校の演奏だ。人数は僅か8人。優月たち東藤高校吹奏楽部の人数より遥かに少ない。
その音楽は、あまり上手とは言えなかった。
優月はスタンドにタンバリンを突き刺す。真っ黒な型に銀の円盤が、テントの陰に触れて怪しく黒ずむ。
「…あとはチャイナシンバルかな」
チャイナシンバル。通常のシンバルとは違って、大きな口径をしており、外が少し凹んでいる。音は華やかで、かぁん!とハッキリした音が出るのが特徴だ。
他の人は、楽器のチューニングを終わらせると、パーカッションパートの組み立てを手伝い始めた。
「やはり、ホルンはいないのか…」
「!?」
男のような喋り方にそぐわぬ、可愛らしい声。その声の主を優月は知っている。
「あ、先輩」
「は、はい?」
「何か、持つものはありませぬか?」
「…ああ」
高津戸日心。部内唯一のホルン奏者だ。和風が好きらしい彼女は、古い言葉や口調、習慣を重んじている。
ちなみに、和太鼓に興味を持ち始めたことをキッカケに、日本由来のものに興味を持ったという。
「トライアングルを、スタンドに取り付けてくれるかな?」
「御意。分かりました」
日心は張り切って、トライアングルを掴み、スタンドへ取り付けた。
「あ、小倉先輩」
すると、彼女がトコトコと歩み寄る。
「脚の締付けが緩いです」
それだけ言って、彼女は思い切り脚のネジを締める。
「…あ、ありがとう」
安定しないサスペンドタンバリンを、一瞬で対処した。
「いえ」
日心はフフッと妖しげに笑った。まるで何かを見透かしたかのような視線を携えて。
「では、私は失礼致します」
「う、うん」
日心は底しれぬ魅力があった。こんな感じで話したあと、少しだけ彼女の人生観が気になる。
その時。
『はいー!楽器を出してくださーい!』
『はーい!』
井土の言葉に、全員が動き出した。手伝いに来た雨久も楽器を持つ。
その時、丁度アナウンスが鳴る。
『次は東藤高校吹奏楽部です。地元、東藤高校吹奏楽部は、部員…』
優月はタンバリンと、パーカッションスティックを眼前に構える。
(すぅー…)
失敗はできない。
そんな時、第一音…ゆなのシンバルが鳴り響いた。
優月はチャイナシンバルへ、スティックを一振り。Mrs.GREENAPPLEのReStartだ。爽やかなリズムが、ステージと観客席にいる人々を盛り上げる。
ゆなのドラムは、全てが完璧。しかし、ハッキリとリズムを刻むのは、優月と筝馬の役目だ。
優月はパーカッションセットを自在に操る。筝馬はビブラフォンでメロディーを奏でる。
茉莉沙のトロンボーンが響くと同時に、サビへ入り更に盛り上がりを増す。
『ご唱和下さい!』
井土の言葉に、その場にいた観客の殆どが首を前に突き出した。
『うぉおーおーおーおー!!』
その言葉を繰り返すように、大人たちが言葉を繰り返す。見ていたのは、手の空いた茂華高校の一部の奏者だけだったのは悲しかったが。
優月は、スプラッシュシンバルという、アクセントを加えるシンバルをも自在に演奏。凄まじい熱気と共に、音が一瞬だけ止まった。
…かと思うと再び、はっちゃけるかのように音が鳴り響いた。
最後、筝馬がタンバリンをフリフリと振る。しゃらしゃら…という軽い音を最後に、1曲目は終わってしまった。
続いて、氷空と孔愛のトランペットが鳴る。謎解きを感じさせるようなメロディーが、秋の涼しい空気を漂う。
優月は、スティックを左右に規則的に振る。
シンバルを叩いて合図した。その時、管楽器のリズムが思い切り弾け出す。
『続いては、なにわ男子のThe Answerです!』
美羽愛が言うと、悠良之介の後を追うように、メロディーを吹き鳴らす。
この曲は数年前の曲だが、『ドラマセクション』として演奏をする曲だ。
そう、真実はひとつ…。
頭の中で歌詞を流しながら、優月はドラムのリズムを刻む。その後、1Aの複雑なリズムを危なげながらも刻んでいく。
サビへ突入する瞬間、優月は一呼吸を入れる。ここは、トランペットの部分と同じタイミングで打ち出す。遅れでもしたら、曲調が不自然になってしまう。
ぱしん!
すると追従するかのように、トランペットのベルから、ぱぁん!と音が弾ける。
四肢でリズムを刻む感覚、それを忘れず演奏する。それが演奏を安定させることに繋がる。
その時、同じパーカッションパート。
ゆなはビブラフォン、筝馬はパーカッションセットと、先程とは異なる楽器を演奏していた。
2番へ入ると、フルートのソロだ。優月はリムを打ち鳴らし、ゆったりとリズムを刻む。
バスドラムの連打に連打するように、スティックを持ち上げ皮を打ち鳴らすと同時に、初芽と心音に拍手が送られる。
曲は進み、3サビへ。
ここは今まで通りに、スティックと足を上下させれば良いだけ。だが、
(うぁ…っ!?)
最後のスネアドラムとフロアタムのリズム。その衝撃で、スティックが跳ねた。
立て直せ!と優月はスティックを掴むが、運悪くハイハットの円盤に、強く打ち付けてしまった。
(しぃっ!!)
何とか、不甲斐ない叫びを押さえ、平常心を保ち、リズムを刻み切る。持ち手に付いたキズを気にしている暇はない。
秒針が流れると同時に、優月はタンバリンの方へと歩き出す。
打楽器パートは、曲によって楽器が違うので、移動が大変なのだ。
真っ赤なタンバリンを構えると、優月は井土の横へと立った。
すると井土のギターが響く。
だだっ、だだっ、だだっ、だだ…!
聞き覚えのある曲が流れる。
SHISHAMOの『明日も』だ。この曲は吹奏楽に人気な曲だ。去年の『御浦ジュニアブラスバンドクラブ』の定期演奏会でも演奏していたし、何より今年の茂華中学校の文化祭で、演奏する曲らしい。この明るいエールのような曲を、優月だけではなく、部員のみんなが好きだった。
当然、ドラマーのゆながドラムだ。そちらの方が優月も安心だ。
イントロと同時に、美鈴がマイクで観客たちを見る。
『みなさーん!今日は東藤の里5周年祭に来てくれてありがとうございましたー!!』
そして、トロンボーンを必死に吹く茉莉沙を、見ながら、
『このあとも色んな高校の演奏がありまーす。ぜひぜひ最後まで聴いていってくださーい!』
その陽気な声は、グルメを堪能する客の方まで響いた。マイクを井土が受け取ると、それをマイクスタンドに突き刺す。
『月火水木金、働いた〜♪』
井土の歌唱は、プロの歌手並だ。当然、歌声につられる他校の者もいた。
「あ、茉莉沙ちゃん」
「いたなあ」
その時、ふたりの男の子がハンバーガーを齧りながら、ステージの方を見る。
「ミナト、見に行ってこーい」
「え、沢柳先輩は?」
「俺がいると、メイ先輩ミスっちゃうから。メイ先輩からは見えん所で見るわ」
「あぁー。じゃあ、応援してくる」
港井冬樹はそう言って、トコトコとステージへと向かった。
「さて…、俺は優月を見たいんよな」
沢柳律。彼はそう言ってギタリストの方へと、黙って歩いていく。
その時、優月は思い切りタンバリンを叩いていた。手のひらでリズムを刻む。
もちろん、ただ打つのでは面白みに欠ける。だから左手でタンバリンを掲げ、右手で大袈裟に叩くのだ。伸ばし切った腕がじんわりと痛くなる。
『お、お、お、だーめだ、もーうだめだ、立ちあーがれーないー♪』
その声に呼応するように、トランペットの音程が下降する。まるでブルースな気分を思わせるかのように。
『そんな自分、変えたくて今日も行く♪』
優月は一瞬だけ、タンバリンを止める。しかし、次の瞬間には爆発したように、タンバリンのリズムが弾けた。
『良いことばかりじゃないからさ♪痛くて泣きたい時もある♪』
茉莉沙のトロンボーンが、より一層目立つ。この曲は、どこか楽団時代の茉莉沙と重なっている気がした。
軽いリズムと共に、細かい所でアドリブを入れる。ただ振るだけではなく、打った時の振動を利用したりと、その技術は素人離れしていた。
(うめーな。優月。あんな奏者ほしい。メイ先輩も居ていいな…。東藤)
沢柳はそう思ってしまった。
優月のように楽しそうに、タンバリンや他の楽器を楽しそうに演奏する人を、彼はあまり見たことがなかった。
優月の楽しそうな演奏。それは、タンバリンは下手な人がするものだ、という偏見を覆す演奏だ。
奏者として出来上がっているのだろう、同じ打楽器奏者である沢柳はそう思った。
そして、井土のボーカルと茉莉沙のトロンボーンソロだ。
『そんな時にいつもー♪誰よーりも早く♪』
茉莉沙のトロンボーンは、他の強豪より上手い。彼女以上の奏者は、もしかしたら、これ以上現れないかもしれない。
楽しげな感情と憂鬱な感情が、混ざった確かな音が響き渡る。確かな技術と表現力が、それをより引き立てていた。
そして最後の一音まで、優月は磨いたタンバリンの技術をいかんなく発揮した。
しゃらしゃらしゃら、た、た、た、た…! ぱん!
この優月のタンバリンが、このあと想定外の『展開』を見せるのだった。
すると、大きな拍手が鳴り響いた。瞳を震わせて感動する者もいた。他の強豪とは違う、楽しませることが心情である。それが東藤高校吹奏楽部なのだ。
『今のは、東藤高校吹奏楽部でした』
すると、井土の目配せで片付けが始まった。
それから、咲慧は優月を褒めてきた。
「優月くん、めっちゃ良かったよ」
「え…、何が?」
「ドラムも、タンバリンも、全部!!」
咲慧がこう褒めてくるのは珍しかった。
「あ、ありがと」
「ふふ」
すると彼女は楽しそうに、アルトサックスを片付け始めた。
「まぁ、皆が楽しんでくれたなら…」
『小倉先輩!』
片付けをしようとする優月に、誰かが横槍を入れてきた。
「ん?」
それは美鈴だった。
「あの…!先輩を呼んでます!」
「え、誰が?」
「飯村さんって方です」
「いいむら…?」
優月は控えテントを飛び出す。すると80代と50代ほどの婦人と、女の子がまるで目印かのように手を降ってきた。
「…ああ」
あれか、優月は一礼をする。
「演奏、良かったわ〜」
初めに賞賛したのは、80代ほどの婦人だった。
「あ、ありがとう…ございます」
「元気もらえたわあ」
「!!」
何だか、嬉しくて泣きそうになる。人の気持ちを動かす演奏ができたことが、とても嬉しかった。
すると、華高祭以来だね!と女の子が言う。
確か、バスクラリネットの飯村望美だ。渋々、ツーショットをした写真は、申し訳なくて今でも残っている。
「神平では、あんなに楽しそうに演奏する人いなかったから、見てて楽しかった」
「あ、ありがとうございます」
どうやら、望美は神平中学校の出身らしい。
「12月の定期演奏会…見に行くから、頑張ってねえ」
その言葉に、背中を押されたかのように、
「はい!」
と優月は真面目な返事をした。愛想よくしたかったのに、今、表情を崩してしまえば泣いてしまいそうだった。
(…誰かに憧れる奏者になれたかな?)
優月は、笑いながら考える。
「アタシも行くから?所でお名前は?」
「え、名前…ですか?」
名前を訊かれるか?と優月は少し困った。
「お、小倉です!」
「おおくら?」
「おぐらです」
「あー!小倉ね!」
すると、ゆなの叫び声がした。何かまずい!と優月はそそくさと撤退することを決めた。
「…失礼します」
ありがとうございました!と伝え、優月はテントへ向かった。
次に、片付けを終えた彼を待っていたのは、沢柳だった。
「沢柳君!?」
「優月、久しぶりだなー」
「久しぶり…。どうしてここに?」
「近いからだ」
「へ、へぇ。まぁ、野村市だもんね」
「なぁ…」
すると、彼の声色が変わる。それは真剣なものだった。
「…御浦の楽団に入ってくれないか?」
そして、本題はまさかの勧誘だった。
「優月の演奏は、技術と観客への煽りが両立している。君みたいな奏者がいれば…」
しかし、優月の答えは決まっている。
「ごめんね。僕、東藤の吹部にずっといるから」
「えぇ!?」
思うより驚いていた。
「…てか、僕みたいな人が入って大丈夫?たぶん、茉莉沙先輩より真面目だし、厳しい練習についていけるか」
そして、苦しい言い訳をする。その時、沢柳の表情がガラリと変わる。まるで餌を待つ子犬のように、キラキラしたものに変わる。
「大丈夫だよ!小倉君なら大丈夫!ぜーったい!」
その情けない顔。茉莉沙を苦しめた本人とは思えなかった。
「…まぁ、機会があったらね」
「はぁー!なんで、メイ先輩や、相馬さんみたいな上手い奏者が、いなくなるんだぁ!」
「…沢柳君も在籍可能なの、あと1年だもんね」
優月はとりあえず、苦笑するのだった。
『月には叢雲♪華には風と♪朧深に隠れた焦燥♪』
帰りは、井土の送迎だった。彼は文化部発表会で演奏する演目を歌っていた。彼の歌声は甘くて、まるでアイドルと共にいるかのようだった。ちなみに、隣には筝馬がいる。
「…ふぅ」
高身長の彼は、少し車内に窮屈そうだったが。
そんな優月は、考え事をしていた。
この1年半。
大した楽器をやっていない優月が、注目を浴びた理由は、観客を煽って楽しませていたからだ。それがいよいよ、認知へと繋がった。
それは喜ばしいことだった。
(ただ上手くなりたい…ってだけじゃ、きっと皆を楽しませられない。だから…)
その時だった。
「ゆゆー、ドラムスティックは大丈夫?」
井土が肝心なことを訪ねてきた。
「あ、優愛から貰ったやつ!」
しかし、キズが目立っていて視界に堪えない。
「…たぶん、駄目かもです。修理しないと」
「キズ消しなら、泉愛楽器店が良いよ」
そんな優月に、井土は助言した。
「あそこは、打楽器を扱っていてね。私がバンドのサークルで、ギターを弾いてた時の友達がいるの」
「へ、へぇ」
「御浦にあるから。列車で行ってみ」
「あ、はい!行ってみます!」
取り敢えず修理の為に、後日御浦市を訪れるのだった。
そこで、とある人物に会うとも知らずに…。
そして、次なる本番は『文化部発表会』だった。
ありがとうございました!
読んでくれた方は、
リアクションをお願いします!
意見や面白かったら感想をお願いします!
ポイントやブックマークもお待ちしております!
次回もお楽しみに!
【次回】 優月と……吸血鬼のサックス奏者
10月22日 水曜日(8時30分)投稿
…NEXT STORY…
天龍が茂華中学校に演奏しに来ることに…?
優月と瑠璃の過去…そして長編版に繋がる物語。
11月以降投稿予定
 




