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茉莉沙とパーカッションの章 [始動編]
この物語はフィクションです。
人物は全て架空のものです。
『明作さん、そこ違う!!』
男性が少女へ声を飛ばす。
『は。はい!』
茉莉沙は泣きそうになりながらも、返事する。
『そこ、ソロなんだからちゃんとして!』
すると、明作茉莉沙は太いスティックを、ドラムセットとパーカッションセットの群へ叩きつける。
ロータムやシンバル、スネア等の激しい音が響いた。
『そうです!』
少しミスしただけでこれか…。
茉莉沙はそんな毎日に…心を壊し切った。
そしてある日思った。
どうして、ここまで苦しい思いをしてまで頑張らなければならないのだろう…。
吹奏楽なんて…嫌いだ…。
『はっ!』
茉莉沙の夢はそこで目覚めた。
ふわふわの布団に包まれていたはずなのに、この嫌な感覚。
フラッシュバックのせいだな、と茉莉沙はベットから起き上がった。
次回
齋藤菅菜の過去…




