亡霊になったキミ。
「おい!こっちにこい!早く!飲み込まれるぞ!」
2053年7月12日
今までに無いくらいの大型の地震がこの国を襲った。
その日、俺、佐藤夏希は親友である星乃樹と遊んでいた。
「おーい、早く来ないと置いてくぞー」と、樹は急かす。
「そんなに急かさないでよぉ」と俺は叫ぶ。そう、俺らは二時間は掛かる海に向かって全力でチャリを漕いで向かっている。一生懸命にこいでも夕焼けが顔を見せ始めている。涼風が顔を撫でる。
「おお、やっとついたな!海!」
その後俺らは浅瀬で走ったり砂の城を作ったりと幼稚な遊びをしていた。
星空が見え始めた頃、樹は言った。
「俺、お前のこと好きかもしんないわ。」
俺は一瞬「え?」となったがすぐに気を取り直して
「俺も友達として樹が好きだよ」と言った。
すると少し悲しげな顔をした樹が「そっか。」と呟いた。
その瞬間だった。
突然大きな地震がこの地を襲い、俺らは立っていられなくなった。向こうで妊婦がよろめき、倒れていた。樹は一直線に走り大声で俺に叫んだ。
「夏希!逃げろ!」
俺は立ちすくんでしまったが、後ろにおじさんが立っておりそのまま連れて行かれてしまった。
樹は妊婦をお姫さまだっこして坂を駆け上がったが、後ろから迫りくる津波に飲まれる寸前だった。樹は妊婦をガタイの良い男性に預けてた。妊婦は男に連れられ山の上の方に避難できたようだった。
「樹ぃぃぃぃぃ!!!!」俺は樹の方へ走った。が。後ろから何者かに服の裾を引っ張られそのまま連れられてしまった。最後に俺が見た光景は樹が笑顔のまま、横から迫り来る家に押されて血塗れになる光景だった。
「夏希ぃ〜」
樹の声が聞こえる。俺は何もなく、白く輝く空間に居た。俺は死んだのか?と思いつつ向こうを見ると輝く河の向こうに樹が立っていた。
「樹!」
そう叫び向こうに行こうとすると、河と河の間は透明な壁で阻まれているようだった。樹は悲しげな顔をして
「ごめんな、おいて逝っちゃって…」
と言った…
気づくと、俺は体育館の床にそっと寝せられていた。夏ということもありとても蒸し暑い。俺は死にかけのハエのような声で
「樹…樹…」と呟いていたようだ。
樹のお母さんがこちらに来て、「夏希くん?」と話しかけてきた。どうやら、俺の家族と樹の家族含む全員が死んだらしい。俺は樹の親について行き、樹が書いていたらしい日記を読んだ。そこには昨日までの内容が書き込まれていた。
7/11。
明日、夏希に告白しようと思う。成功するといいなぁ。
俺は今更と思いながらも自分を責めた。
なんで思いを受け止めてあげられなかったのだろう。なんで真剣に聞いてあげなかったのだろう。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
おれはその後精神病棟に入院させられた。
しばらく寝る事すら出来ず、窓から無数の星が輝く空を呆然と見ていた。すると、後ろから「夏希」と呼ぶ声が聞こえバッと振り向くとそこには居るはずのない「樹」が立っていた。俺は泣いてしまい、樹に抱きついた。
「お、俺…樹が好きだ…!恋愛的にも、友達としても、大好きだよぉ、。」とぐしゃぐしゃになった泣き顔で樹に泣きついた。
その顔を見た樹は「ぐちゃぐちゃに犯したい。」と言ってきた。俺はその後、されるがままだった。
すっ。
服を脱がされる。その後に男の穴に指を挿れられる。
「んぁっ//はぅ…」
早速感じる。温度はないけれど、確かに樹の暖かさはある。
「夏希のナカ、あったかい。」
その後もぐちゃぐちゃにイジられ、何度も何度もイッてしまった。
夜明けが近づく。徐々に空がオレンジ色に染まっていった。樹を見ると、何故か色が薄くなっていた。
「樹、?」
まだ気持ち良さで震えた声で言った。すると樹は
「ごめん。夏希。おれ、これでお別れだ。これからも、ずっと大好きだよ。」
そう、言い残して樹は消えてしまった。
俺は、少し寂しさを感じたけれどもう自分でやっていける気がした。
「という話があったんじゃよ。」
2125年。俺はすっかりジジイになっていた。
さすがに結婚して、5人の子宝に恵まれ孫もできた。
「夏希おじいちゃんは、今でも樹って人の事好きなの?」
俺は胸を張ってこういった。
「大好きじゃよ。」




