第二日【出会い】
街中にある喫茶店…
『えっ?ってことは、いつもライストでパーティー組んでた、あの…あおみん!?』
「だーかーら!そう何回も言ってるでしょ!何回言えばいいの!」
『いや、ごめん。全然頭の整理が出来なくて…。俺ゲームの世界に来ちゃった訳…?あぁぁ、もう考えれば考えるほどわからない!』
「何言ってるのよ。あなたはずっーと!ずっーと!この世界に居たわよ。だって、この世界で私と出会った時の事、覚えてるでしょ?」
『おぉ…う…。ラビッター捕獲クエストで苦戦してた俺に声を掛けてくれて、一緒にクエストクリアしてくれて。それ以降、大体一緒にパーティー組んでた。』
「そうそう。そのあと、銀シャリ、ジョジョも仲良くなって、四人でいつも行動してたよねー!」
『!?銀シャリもジョジョもこの世界に!?』
「だーかーらー!みんな居るって!」
『う、うん…。なんか、本当にゲームの世界きたんだな。そして、リアルと同じ…。わけわかんねぇ。』
(たしかに今の装備はゲームを開いた時と同じ。ゴールドも同じ。ただ違うのはクリスタルの数…。)
『なぁ、あおみん。ちょっと聞きたいんだが、ガチャってこの世界にあるのか?』
「ガチャはあるよ。ただ、今はみんな排出率が悪いとか、入ってないんじゃないかとかで今はみんな引いてないよ。バグなのかなぁ。」
『そうなのか…。』
(待てよ…?俺のクリスタルが減っている。そして、スマホの電源が落ちる前にガチャを引いた。尚且つ確定演出…。ってことは…!?)
『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
「何よ!いきなり!」
『え、えっと…。』
(いや、今ここで言うのはなんかマズい気がする。確認をちゃんとしてからにしよう…。)
『いや、なんでもないや!俺の勘違いだったみたい。』
「びっくりさせないでよ!まったく!」
「あ、そうだ!そろそろ、ジョジョと銀シャリくると思うよー!待ち合わせしてたからね!」
『え!?そうなの!?』
「私…クエスト行く約束してたって言ったよね?もうお忘れ??」
『うっ…。言ってました。ごめんなさい。頭がこんがらがって…。』
「しっかりしてよねー!リーダー!」
『リーダー!?』
(そうかゲーム内で俺が常にパーティーリーダーだったな。)
『『よーぅ!』』
「二人来たー!やっほーやっほー!」
『ジョー!銀!』
銀(銀シャリ)
「おっ!二人とも揃ってるねー!小洒落た喫茶店でデートかいー?」
ジョー(ジョジョ)
「ヒューヒュー!お熱いねぇ!!」
あおみん
「ちょっと!二人ともやめてよ!ねぇ!なんとか言ったらどうなの!?」
『違うよ。銀、ジョー。こんなネカマ相手にしてどうするの…。』
銀・ジョー・あおみん
「「「ネカマ?」」」
『やべっ…!』
銀
「ネカマってなに?新しいスキルとか?」
『え?』
(ネカマを知らない!?)
ジョー
「なんか新しい技でも取れたのか?」
あおみん
「なによそれー!それなら教えてよー!」
『いや…。俺の勘違いだったみたいだ。気にしないでくれ!』
(現実の用語を知らないとなると本当にゲームの世界にきたんだな…。)
あおみん
「まぁ、いいわ。みんな集まった事だし、今日は何しようか!私、まだクエストいっぱい残ってるからお手伝い宜しくね!」
銀
「また簡単なクエスト残してたの…。俺らがいない時にクリアしといてよー!」
ジョー
「お前いつも強い奴とパーティー組んでたのにそのぐらい終わらせておけよな。難易度の高いクエストばっかり一人で進めるなよ。」
『ネカ…。魔法使いは最近不足してるから仕方ないよ。』
(現実は男。ゲームは女。アバターが可愛いからみんなホイホイと騙されて、アイテムを貢いで貰ったり、難易度の高いクエストに行って俺TUEEEEって見せてカッコばっかりつけて、あおみんをチヤホヤさせてるからな…。)
銀
「まぁ、今日はサクッとやっちゃいますか!」
ジョー
「あいよ。」
あおみん
「わーい!そいじゃー!いっくよーー!」
銀・ジョー・あおみん
「「「おー!」」」
『お…おーう…。』
(頭の整理が出来てないのに…。)