たそがれ時の木の下で/街灯に照らされた桜
『たそがれ時の木の下で』
たそがれ時の
桜の木の下で
風が 遊んでいる
いつかみた あの子らのように
いじけていないで
いっしょに遊ぼ
おかえり
待ってたよ
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『街灯に照らされた桜』
夜の街灯に照らされた桜は
姉の白い横顔に似ている
まだ幼かった頃
待ち合わせが あえなくて
雨に降られて
とぼとぼと帰った夜
冷たく濡れた髪の毛を
凍えてかじかむ手を
もう大丈夫 大丈夫と言って
ほっそりとした白い手で
そっと包むように
ハンカチで拭ってくれた
その無償のやさしさに
かなしみも溶けていって
時は過ぎて
姉はある程度 都会で頑張って
それなりに成功したけれど
悪い病気を患って
田舎に戻っていった
あの時の姉は
まだ少女だったけれど
桜のように
優しくて
今も優しく微笑んでいて
自分などには
もったいない と思うのです