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召喚魔法零九〈猟犬〉
鎖に縛られていたはずの一匹の猟犬は、今そこから解き放たれた。
さあ牙を振るい暴れる時だ。
さあ研ごうか、獣を喰らう猛獣よ。
血のにおいが漂っている。お前には最高の犬小屋だろ。
残念ながら生け贄は用意できなかった。
たとえ生け贄がなくとも、お前の牙はその程度で失せることはないだろう。
吠えろ、猛獣の如く。
吠えろ、猛獣の如く。
お前には自慢の牙があるんだろう。
ならその牙で全てを噛み砕いてみせろよ。
お前を縛っていた首輪はもうないぞ。
これまでお前の中に眠っていた野生の本能をむき出しにしろ。
さあ、ここからが散歩の時間だ。
「召喚魔法零九〈猟犬〉」