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召喚魔法零六〈人牛〉
かつて、一匹の魔物はいた。
その魔物は荒れ果てた大地で生命を求め、歩き続けた。
そして魔物は、再び飢えを探してさ迷い続ける。
召喚され続ける限り……
武・闘・烈・砕・覇
破壊の魔
ある者はそう称え、ある者はその名に怒りを込め、またある者はその名を罵倒に使ったという。
破壊、殺戮、暴虐の限りを尽くした大罪の魔物よ。
蘇るとすれば大地は荒れ果て、荒廃した世界で人々は泣き叫ぶ。
そなたはそれらを生け贄に、その巨体を振るい続けるだろう。
鋭き爪、全てを噛み砕く鋼鉄の牙、象徴とも言える立派な大角。
そなたの容姿は今世界へ解き放たれる。
地を揺るがし、大地を降らせよ。
大地の上に主は立つ。
「召喚魔法零六〈人牛〉」