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召喚魔法零五〈骸骨〉
腕は脆く、彼は何度も失ってきた。
失って失って、その先に得たのは死後という曖昧だったはずの答えであった。
何を求めて生きてきたか、何を求めて戦い続けてきたのか、それらは今ここで不条理なまでに残酷な答えへと成り変わった。
故に、彼は孤高を進む。
故に、彼は一人、その道を歩き続けた。
その道が、たとえ正しい道でなかったとしても。
裁け、愚法の魂。
骨々と積み重ねてきた死という名の経験を生かし、散っていった友へも手向けを捧げよ。
花束は枯れ、肉体は枯れ、やがて骨すらも残さず朽ちるであろう。
友もおらず、さ迷い続けた孤高の魂よ。
その魂を持ってして、そなたはまだ死へ抗うか。生を拒むか。
答えは在らず。
悠久を越えしその肉体で晋は希望の道か、
それとも絶望へ一直線の漆黒の道か。
何度思い返しただろうか。
後悔を踏み越え、友の背負い、屍の先へ進む。
太陽の光は与えられず、今も尚闇夜を歩き続けるか細い足、そして今にも朽ちようとしている諸刃の胴体に繋がれしか細い両腕で未だそなたが求めるものは何であるか。
その答えを今ここに記せ。
「召喚魔法零五〈骸骨〉」