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そこにくるみの木があったから  作者: タラ吉の助
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パリピな夫婦

幼稚園の夏休みその日私は家族と海水浴に来ていた。浮き輪に入り両脇で浮き輪を抱え海に浮かんでいた。波に体を委ねるのも飽きた。回りを見ると浮き輪の上に胸辺りをつけうつぶせでくつろいでる人がいた。「私もやろう」私は海につかりながら浮き輪をはずした。その瞬間浮き輪が体からスルリと離れた。私はどっぷり海に沈んだ。目の前は緑色の水の中、両腕を力の限り回した、そのたびに目の前に自分の腕が見えつぎに緑の海水に立てに白い泡ができる。「死ぬってこう言う事なんだ‥」と冷静に思った。「でも苦しくない」まだ息があるからだ。「でも‥」思った瞬間子猫の首をつかむように私の首を片手でつかみ高々とあげ「この子どこの子おぉ!」とおばさんが叫んだ。おばさんは二人の子供を小さなビニールボートに乗せていた。水面はおばさんの胸辺りだった。その二人の子供の真ん中に私は落とされた。二人は困惑した目で私を見た。苦しかったとか怖かったとかではなく恥ずかしいの一点でした、私はその場しのぎに泣く事にした。「うわぁーん」と泣いてみた。おばさんはずっと大きな声で「この子どこの子おぉ」を連呼していた。今のように迷子の放送もなく

ひたすら浜辺を私の手を握って。家族連れに声かける。この子知りませんか?海の家も覗くが両親はいない。私は頭までびっしょりだったので例えアフロだったとしても濡れていたらアフロではなかったと思うと救われる。オシャレなビキニの水着もかたひもはずり落ちヨレヨレのボロ雑巾のようだった。もう見せ物状態 死にかけた事よりこっちのほうが深刻だ。両親は何処に行ったんだろう。浜辺もあと少しで終わるとゆー場所で漁船が地引き網をしていた。大勢の海水浴で来ていた人達が面白がって引っ張っていた。そこまで行ってみると両親はいた。捕れたからといってもらえる訳もない地引き網を引っ張って遊んでいた。おばさんにお礼を言って一応親とゆー人達に会えた。私はすごく怒っていた。両親は私の機嫌とりの為いろいろ賄賂を提案したが私は首を立てにはふらなかった。その後も砂浜を歩くたびにさっきのおばさんに会う。「先ほどはどーも」みたいに挨拶する。今思えば一番迷惑をかけたおばさんにお礼の何かをするべきだった。母いわく浮き輪があるから一人ほっておいても大丈夫と思ったそうです。私はこれからもっとこのパリピな夫婦に振り回される事になるのです。大人になって素人の人でしたが、手相を見てもらったら二回か三回死にかけてるねと言われました。聞いた話の限りでは私が赤ちゃんだった頃母が外からダンプのドアを開けたら私が内側でドアにつかまり立ちをして結構な高さから落ちたとか。大丈夫、下が雪だったから。だとか。これは覚えている、私が三才くらい玄関で結構な高さから三輪車に飛び乗って三輪車と派手に転んだ時、母は私を助ける事なく裸足で逃げた。私の頭は「?」だった事も。後で理由を聞くと目を離した隙に私が転んだ為父に叱られると思い逃げたそうだ。倒れている私を起こす事なく。

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