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そこにくるみの木があったから  作者: タラ吉の助
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ミュージカル アニー

ある日私はいつもの美容院に行くように言われた。いつも一人で歩いて行っていた。いつも通り大人用の椅子に子供用の長方形の台座に座らされた。されるがままにしていたら「子供だからじっとしてないからまだだわ」いやじっとしてるし、椅子に座らされマントの用な物をつけられて私がどう動けるのか聞きたいよ。やれやれようやくできた的な言葉と同時に鏡と私のあいだを去った。鏡の中の私はアフロになっていた。ふと我に返った時帰り道の橋の上私は自分の足を見つめ歩いていた。父や母のリアクションは覚えていない。次の日の登園SちゃんやKっちゃんがなんて言ったかも覚えていない。二人には親に言われて美容院に行ったらこーなったと伝えたら「そーか」くらいのリアクションだった。ドキドキしながら幼稚園に行くとみんな見て見ないふり、とゆーか触れてはいけない事のように私を扱ってくれた。一人だけ男の子が口を開いた「わぁーぐちゃぐちゃの髪だぁ」その瞬間空気がピーンと張った。みんな言いたくても私が怖いから言えないのに言っちゃた的な空気。私は「うるせぇ」と言い返した。みんなの空気も「ほらね」って感じだった。これから夏になろうとする時期だった。幼稚園の卒業アルバムには七夕の短冊を飾るアフロの私が写っていた。これはよく覚えている。短冊に「魔法使いになれますように」と書いたら、誰かにバカにされたので教室に帰って「勉強ができますように」と書き直した。「いいじゃないか、これくらい書いたって!」世の中は魔女っ子世代 アニメの女主人公はみんな魔女っ子なんだから。夏休みには母の化粧品の客の中居さんの故郷の島根県隠岐の島にみんなで行った。フェリーの中ではスタッフのおじさんから「かわいい、かわいい」と抱っこしてもらい、写真も撮った。ガリガリで頭はブロッコリー。気の毒に見えたのかも。私の服はほとんどがオーダーメイド母のお姉さんが住んでいる近所のおばさんが作ってくれていた。母とのペアルックも。ですがわりと遠くにおばさんが住んでいた為私の採寸ができない。なので、私のいとこ おばさんの次男を採寸していた。私より三才年上ですが背が低い、私は幼稚園で最後尾。よく母が電話で「サイズあってるんでしょうね」とおばさんは「大丈夫S人に会わせてるから」と、一枚ビロードの生地のドレスがあったがあれもいとこのお兄ちゃんが着て合わせていたと思うと笑える。なんせそのお兄ちゃんは後にめちゃくちゃヤンキーになったからだ。髪のパーマは小学校の入学式までふんわりウェーブが残っていた。大人になって美容院のおばさんのセリフを思い出した。「動くからパーマ液が入らなかったから二時間かかった」と、パーマをかけようと言ったのは父だった。


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