第六話 魔王との再会
俺が貴族達が住む国境まで向かおうとすると謎の空間が現れ、そこから最も会いたい···または、感謝したい、愛し合いたい人物が出てきた。
それは、魔王ミトラとその部下達だった···ああ、会いたかったよ。
すると彼女は微笑みながら俺に話し掛けてきた。
「また会ったな···ライトよ。
私はお前に会いたかったぞ。」
ほう、それは俺もだ···ミトラ、俺も村人達を殺しているときにずっとお前の事を考えていたよ。
しかし、やけに楽しそうな表情をしているな? さては、良いことでも会ったのだろう。
そして俺は、彼女に言いたいことと、思っていることを彼女に話した。
「俺も卿に会いたかったよ···それとやけに楽しそうな表情をしているな。
どうした? 何か良いことでもあったのか?」
それを聞いた彼女は長くて綺麗なさらさらな金髪を触って嬉しそうに答えた。
「それがな、勇者ノゾムという奴が現れてな。
そいつがたくさんの綺麗な少女達を連れて私を倒すといって、ちやほやされながら私に掛かってきて、それを私が手で薙ぎ払って王国へと戻してやったよ、凄いであろう?」
ほう、つまり勇者ノゾムとその妻達を手で薙ぎ払って王国に戻したということか。
一応確認しておくか、特に彼女が俺以外に自分を殺せないということがかなり気になるからな。
「卿よ、勇者ノゾムは卿に傷一つつけることは出来ていたのか?」
すると彼女はクスクスと笑いながら勇者達が自身に傷をつけられたかどうか答えた。
「うふふ、髪の毛の一本すら斬れなかったよ。
あれが今代の勇者なのか? 父上はあのような奴に敗れたのか? 笑わせてくれる!」
ほう、つまり勇者ノゾムはミトラに傷一つつけることは出来ていなかった上、髪の毛一本すら斬れなかったというわけか。
それに彼女が発して答えられた言葉には俺への煽りもあるということか。
昔の俺ではこの時点で勇者がミトラにやられた事をざまあみろと言っていたのかもしれんが今の俺には特に何の意味もない。
だが、奴はただでは死なさんがミトラに詳しく聞かねばならない。
「ミトラ、卿に話したいことがある。」
「何だ?」
そう、これを言いたかった。
「卿は何故? 俺のことが好きなのかね?」
すると彼女は顔を少し真っ赤にしながら恥ずかしそうに答えた。
「···からよ」
うむ? 口調が変わった? しかし何故そこまで恥ずかしそうにするのだ? 前に会った時はそんな感じではなかったであろう?
「あなたのことが昔から好きだったからよ///」
昔からだと? それはまだ俺が勇者パーティーに入っていて卿の父親である先代魔王と戦っているときの話しか? それとも俺が生まれた時からか?
するとミトラが顔を真っ赤にして「少しそっとしておいて、すぐにあなたに話し掛けるから」と言って目を合わせずに手で顔を覆った。
少し時間が経つと彼女は落ち着いたのかすぐに口調と態度が戻った。
「済まんな、私は恥ずかしくなるとついあのような感じになるのだ。」
なるほど、良くわかった。
「いや、その件に関しては別に気にしてはいない。
それに―――――」
「それに?」
また彼女を恥ずかしがるかも知れないが、彼女がそこまでも聞きたそうな表情をしているから正直に話そう。
だが、その前に彼女の部下を下がらせるか襲わないように説得させてもらうかしてもらわないと後々面倒臭いことになるから彼女に説得させてもらうか。
だが、もう遅いから下がらせることは出来ないだろう。もう答えるしかあるまい。
「お前のことが最近では、かわいいと思ってな。
ちなみにさっきの恥ずかしがり方が凄く可愛かった。」
「なっ!///」
俺がそう答えると彼女は顔を凄く真っ赤になり、また口調が変わって大きな声で恥ずかしそうで嫌がっていそうで嬉しそうな感じに答えを返してきた。
「な、何ですって! わ、私が可愛い!? 私が誰だと知ってそんなこと言うわけ!?」
「あのな···」
「私は、これでも魔王なのよ!! 勇者よりも強いのよ!!」
はあ~めんどくさい。
この女は本当に良くわからない。
それより、彼女の部下達が動かないな···この状況を楽しんでいるのか? なんか、魔族という種族は個性的で、魅力的な者が多いような? 俺も人間ではあるが、人間よりも魔族は常識があるということと優しいところもかなりある。
何故? 俺を襲わないのだろう? ミトラが何かしら話していたのかもしれないがミトラに聞きたいことがあるから話を変えるとするか。
「ちょっと! 私の話し聞いてる!?」
「おっと、少し話を変えるが良いか?」
すると彼女は不機嫌な表情をしながら俺の話を聞いた。
「何よ?」
「実は、勇者達の話を聞きたいのだが良いか?」
そして彼女は「へぇ、勇者達の話ね···良いわ聞かせてあげる。」と自慢げに勇者達の話をし始めた。
「まあ、これはあなたがまだ、村人達を殺しているときの話だけどね。」
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