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勇者達よ、死骸を晒せ  作者: 永劫
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第三十六話

積みプラを崩していたので更新が遅れ申しわけありません。

 レミールに続きレイネまでもが死んだ瞬間を目撃していたメディナは涙を浮かべた。

しかし、その目には悲しみはなく笑ってるように見えた。



「そう、レイネも死んでしまったのね······可哀想に。」


 そう言いながら涙を拭く彼女を見ていたランスロットはそれを見抜いていた。


「貴様にとっては興味が無いのだろう? 自分だけ助かれば良いと。これで邪魔物が居なくなったと······安心しているのだろう?」


そう指摘されバレてましたとテヘペロと悪戯っ子のように笑った。


「ふふふ、やっぱり貴方には見抜かれて当然よね。

·······そうよ! 私にとっては彼女達は引き立て役で、要は駒よ!」


「姉妹の愛情もないとはな。·······やはりクズだな·······貴様のようなクソみたいな精霊は。」


 それにランスロットは彼女のことを自分の事ならどんなに相手が犠牲になろうと友人、家族、そして、彼女の主が死のうと構わない。

彼女はそういう存在だ。



「·······クズで結構よ。

後は貴方を殺して私だけの人形にして上げるわ!!」


 狂気の笑みを浮かべ、彼女の後ろから大量の魔方陣が出現した。


「さあさあ踊りなさい!!」


「これは·······!!」


「貴方のために作った魔法よ。

それとそこのメイドは邪魔ね。」


 その魔法がどれほど危険なものなのか理解したランスロットは少し離れているクリスに視線を向けて逃げるよう叫んだ。


「クリス、逃げろ!!」


 しかし、それを際切るように炎、風、雷の魔法がクリスに襲い掛かる。

そして、それをすれすれのところでギリギリ躱す。


「逃がさないわ。」


 そして更に追加に彼女は持っている大剣で眼にも追えない速度でクリスに斬りかかる。


「ランスロットさん、言われなくとも逃げますよ。」


 そう言いながらあっさりと魔王城に繋がる転移魔法でメディナの剣が届く寸前に転移魔法で逃げることに成功した。


「チッ逃げられたわね······あの魔王の場所だと迂闊に手を出せないじゃない。」


 そのまま追撃しようかと悩んでいるメディナに隙を見つけランスロットは彼女に切り付ける。


「あ~も~、ドレスが台無しになっちゃったじゃい!!」


 大切なドレスが切り付けられ裂けた事に怒りを持つがすぐに冷静になり不気味な笑みを浮かべる。


「これで二人になれたわね。」


「確かにそうだな······」


「ならもうあれを使っても良いわね。」


 そう言って指を鳴らし荒野のような場所に変わった。

 さっきまで屋敷の地下に居た筈なのにどう言うことだと周りを見回す。


「さあ、邪魔者は居ないし始めましょうか。」


 そうしてメディナが先手を打ち、ランスロットの指が全部切断され、支えを失い夜刀を手離してしまった。


「これでもう剣は使えないわね。」


「甘いな。」


 手離し落ちようとした時、斬られた指を瞬時に再生させて夜刀を地面に突き刺して、己を持ち上げ彼女を蹴り飛ばす。


「なるほど、そうなのね。」


 蹴り飛ばされた彼女は空中で受け身を取り羽を広げ広がった羽から複数の黒いレーザーをランスロットに撃った。


「こんなもの」


 向かってくる最初のレーザーを斬り、身体をくるりと回し夜刀を振るい、刃から蒼い雷を打ち込んだ。


 打ち込んだ蒼い雷は黒いレーザーを全て相殺しメディナに向かっていく。


「やるわね。無駄だけど」


手を翳しその蒼い雷を搔き消す。


「降りてきたらどうだ?」


「降りるわけないじゃない。貴方の方こそ飛んで来なさいな。」


 ランスロットはフンと鼻を鳴らして笑い両手を広げてこう言った。


「飛んだら叩き落としてくるだろ。そういう貴様も怯えているように見えるぞ?」


 わざとらしく笑みを浮かべ、メディナを侮辱する。


 それが地雷でもなったのか顔を一瞬歪め、ランスロットに威圧を掛けた。


「······じゃあお望み通りにしてあげるわ。」


邪悪な笑みを浮かべて、降りてくる。


 そして、地面に降りて剣をランスロットに向ける。


「お望み通り降りてきたわ、じゃあ死になさい。」


そう言いランスロットの首を跳ねた。




























――――しかし、その瞬間にメディナの全身が斬り刻まれた。

そして、気づいた時には倒れていた。



「なっ、·······どういう、こと········ッ」


「すまんな、どうやら魔神剣には我にも知らないモノがあるらしい。」


「なん、で」


何故、首がないのに喋れるのか? そんな光景に驚きを隠せない彼女は初めて恐怖を抱いた。


「まあ、怖がることなどない。

貴様に首を斬られるまでは何も知らなかったからな。」


そういい己の首を持ち、それを切断面に付ける。

そして、首が切断されたことなど嘘かのように傷が塞がっていた。


「いや、寧ろ怖がっているのは我のことなどではなく夜刀の方か。

·······分からなくはない·······我もその時死んだと思ったからな。」


見せびらかすように両腕を広げながら言う。


「あり得ない、わ······」


「肯定する。」


ランスロットは剣先をメディナに向ける。


「しかし、簡単に終わらせる気はない。」


その一言がより恐怖を掻き立てる。


「こ、来ない······で······ッ」


とにかく逃げたい、そう思い必死で後退り涙を流していた。

だが、その彼女の行動はランスロットを怒りを更に注いだだけだった。


(ちっ、そうやって平気で殺してきたくせによく言えるな。)


その怒りを身に任せ、逃げようとする彼女を夜刀で斬り付けて肩から斜めに身体を両断した。


「ギぁアアア!!」


美女とは思えぬ叫び声を上げ、臓器がボロボロと落ちる。

しかし、それでも死ぬことはない。


(ゴキブリのような生命力だな。)


「オノレオノレオノレェ!!」


その姿は余りにも醜く、かつての美貌など嘘だったかのように老婆のような醜い表情を浮かべていた。


「煩い、貴様はそうなって当然のことをしていた。

その報いを受けて貰う。」


「頭部だけになって貰うぞ。」


そして、首から下を夜刀で粉微塵にし、その頭部を蹴り上げて眉間に目掛けて突き刺した。


「ギャアアアアアアアアaaaaaaaaaaaa·······!!?!!!」


メディナは汚い断末魔を上げて砂になって完全に死亡した。

そして、ついでにと言わんばかりに残った部位を粉微塵にする······復活する可能性もあるため、血の一滴も残さずに。


「あばよ、クソ野郎。」


 そして、メディナが死んだことによって空間が元の地下室に戻り、それを確認したランスロットは周りを見渡し近くにあった壊れていない椅子を見つけ、その椅子に腰を下ろしカリンと戦っているであろうミナを待つことにした。

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